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幸せに生きる方法90

平等であること
 憲法学においては、「幸福」は「自由」と「平等」という価値によって支えられています。
 「平等」は、そもそも他者との関係に着目した概念といえるでしょう。
 現代においては、経済格差が拡大し、経済的に恵まれない階層の人々に機会が「平等」に与えられていないことが課題となってきています。
 「誰もが幸せに生きる」には、「平等」に機会が確保されていなければなりません。
 誰も取りこぼさない制度設計が望まれます。
 経済学者の宇沢氏が「社会的共通資本」の理論を提唱したのも、斎藤氏が「脱成長コミュニズム」論を提唱したのも、行き過ぎた資本主義に歯止めをかけ、誰もが平等に機会が与えられる共同体社会の実現を想起してのものでした。(斎藤氏にいたっては、資本主義から社会主義への転向も視野に入れています)
 こうした共同体社会においては、誰もが人と人とのつながりを大切にし、幸せに生きていくことができると思うのですが、その実現は容易ではありません。
 
 全世界に目を向けると、高福祉・高負担の政策をとる北欧諸国が教育、医療・福祉などの分野において、平等にサービスを受けられる制度を構築しています。
 北欧の小国フィンランドが幸福度ランキング1位なのは、宇沢氏や斎藤氏の視点が正しいことを物語っていると思います。

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