僕の好きな漫画1「ドラえもん」

僕(佐藤秀峰)の好きな漫画や、影響を受けた漫画を紹介するコーナー。 

第1回目は「ドラえもん」です。

いわずと知れた巨大タイトル。

Wikipediaによると「『ドラえもん』は、藤子・F・不二雄による日本の児童漫画・SF作品。」小学館の発行している学年誌やコロコロコミックなどで連載されていました。22世紀の未来からやってきたネコ型ロボット「ドラえもん」と、勉強もスポーツも駄目で何をやらせてもドジばかりの小学生「のび太」の日常生活を描いた作品です。ドラえもんが四次元ポケットから取り出す「ひみつ道具」と呼ばれる不思議なアイテムを使って、日常のちょっと困った問題から地球規模の問題まで、様々な問題に立ち向かっていきます。道具を使って外国や宇宙、過去や未来へも行き来します。

テレビアニメは30年を超えるの長寿番組となっており、毎年上映される長編映画はすっかり日本の風物詩となっております。僕が子供の頃は、アニメを「テレビまんが」と呼んでいたような時代で、僕もアニメと漫画の区別があまりついていませんでした。テレビをつければいつも藤子作品が近くにありました。「オバケのQ太郎」や「忍者ハットリ君」、「怪物君」、「パーマン」、「キテレツ大百科」、「エスパー魔美」などなど、タイトルをあげればいくらでも出てきます。その頃は自分の中でF先生もA先生も区別していませんでした。

「ドラえもん」はその中でも別格。
絵描き歌を歌いながらイラストを描いたり、小学校のクラスの中でも誰が一番ドラえもんをうまく描けるか競争したこともありました。クラスメイトに何度ドラえもんの描き方を教えてもうまく描けないヤツが…。「顔の白い部分と青い部分の境目は目の間を通るんだ」と何度言っても、泥棒のほっかむりみたいに目の上に境界線を描いてしまうやつがいまして。

家にドラえもんのドンジャラがあって、家族で卓を囲んだのも懐かしい思い出です。ドラえもんの繰り出すひみつ道具の数々を羨ましく思い、「僕の家にもドラえもんが来ないかなぁ」と本気で夢想したものです。
僕の両親は子供を映画館に連れて行く習慣がなかったため、長編映画の予告がテレビで流れる度に観たくて観たくて仕方がありませんでした。

アニメを入り口に「ドラえもん」に触れていた僕ですが、漫画を強く認識したのは、長編映画の原作となった「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」です。
コロコロコミックを定期購読していた友達の家に遊びにいって、そこで作品に出会いました。確か小学校2年生くらいだったと思うのですが、ページをめくるたびに現れる大冒険に本当にドキドキしました。なんでこんな面白い物語を思いつくのだろうと、子供ながらに「この藤子不二雄という人は天才だ」と思いました。
作品とは別にそれを描いた「作家」を強く感じた初めての体験で、「こんな人になりたい!」、「漫画家になりたい!」と僕が思った最初の出来事だったかもしれません。

単行本の7巻だったか8巻だったか…、ドラえもんがのび太を残して未来に帰ってしまう展開では本気で悲しくなり、ドラえもんがいなくなった後、強くなろうとがんばるのび太の姿に感動し、僕も強くなろうと思いました。

日本の子供はほとんどが「ドラえもん」を通過します。
つまり、日本人はみんなドラえもんを通過して大人になります。
ドラえもんに憧れ、現実にはドラえもんはいないんだと理解し大人になるのです。
小学生の頃、あれ程夢中になった藤子作品を「あんなの子供向けの作り話さ」と否定し、青年漫画を読んでみたり、サブカルに走ってみたり、やがてその存在を忘れ社会人になり結婚し…、生まれてきた子供とまたドラえもんを観て、なぜ子供にドラえもんが必要なのかを理解するのです。
藤子ワールドと和解して一つの輪が閉じる、そういうコンテンツなのだと思います。

映画のバック・トゥ・ザ・フューチャーを観た時、僕にはドクとマーティがドラえもんとのび太にしか見えませんでした。ターミーネーターを初めて観た時も、「この手の話はドラえもんですでに観ている」と思いました。
もちろんどちらもすばらしい映画なのですが、きっとドラえもんは世界中のクリエイターにインスピレーションを与えました。

ドラえもんはのび太の将来を心配した彼の子孫が現代に遣わしたロボットです。のび太はいじめられっ子でダメなヤツで、一見、明るく楽しい作品のように見えながら、その世界観にはどこか暗さが漂います。
悲しみの上に成り立つ世界の姿を描きつつ、それでも子供たちに夢を与えようとする藤子先生の姿って、何となくなんだけど、僕のイメージだとジョンレノンに重なるんですよね。
分かりやすい歌詞とメロディで、時々、馬鹿にされたりもするんだけど、振り返ると偉大だなぁというか、彼の訴えていたことはいつでも切実だったな、ロックだな、と思えるのです。
僕らはまだその手の平で漫画を描いているだけなのです。


ちなみにこちらは僕が中学生の頃に描いた「忍者ハットリ君」のパロディ漫画です。


「散々ドラえもんの話をしておいて、ハットリ君かよ!しかもハットリ君ってA先生だし!」という突っ込みはナシでお願いします。

普段、ハットリ君たちにいじめられているシノビノ博士が彼らへの復讐のために作ったロボットを、ハットリ君たちがぶっ壊しにいく話です。
ハットリ君もケンイチ氏もシンゾウもシシ丸もケムマキも全員悪人です。


こんなことをしていた僕ですが、一応、漫画家になれました…。

つづく

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