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【あまりに細かすぎる】横浜DeNAベイスターズのドラフト戦略を考える2021

こんにちは。今年もこの季節がやって参りました。
野球ファンにとって1年に1度の祭典、プロ野球ドラフト会議です。
甲子園を沸かせた選手が自分の応援するチームで活躍する姿に妄想を膨らませたり、チーム事情を分析してああでもないこうでもないと指名選手を予想したり。楽しみ方は十人十色でしょう。

さて、私もプロ野球ドラフト会議を楽しみにしている野球ファンの1人でして、ここ数日はプロ注目選手の成績や映像をチェックしたりと忙しない日々を送っています。そんな中、昨年は僭越ながら私が応援する球団、横浜DeNAベイスターズにおける自分なりのドラフト戦略の持論を、noteの記事として書かせていただきました。

1年経った今見返してみると、また違った視点が見えてきたりしてなかなか面白いものです。ちなみに私が昨年ドラフト1位に推した森下暢仁投手は広島東洋カープに1位指名され、8勝3敗、防御率2.28(10月14日時点)と、新人王の筆頭に挙げられる活躍を見せています。
そこで昨年に引き続き、今年も記事に書き起こしておこうと思います。
是非ベイスターズファンの方はもちろん、そうでない方も読んでいただけたら、当日のドラフト会議を何倍も楽しく見てもらえると思います!

チーム編成

ドラフト2021

2020年の横浜DeNAベイスターズの編成は投手38名、野手34名の72名(うち育成5名)で構成されています。藤岡選手、石川選手、梶谷選手が既に国内FA権を取得しており、井納選手も今シーズンでのFA権の取得がほぼ確定的です。また外国人選手ではピープルズ選手、パットン選手、ロペス選手、ソト選手、オースティン選手の契約が今シーズンで終了します。しかし、今シーズンはコロナの影響で120試合の短縮シーズンとなり、なかなか思い通りの調整やアピールが出来なくなった影響を鑑みると、引退を表明する選手や戦力外となる選手は例年よりも少なくなるのではないかと予想します。こうした状況から今年のドラフトで会議で獲得出来る選手は例年通りか少し減らした5~7名程だと予想します。

指名ポイント・イチオシ選手

1位:牧秀悟(中央大)

牧選手は近畿大学の佐藤輝明選手と並んで1位指名確実との呼び声高い大型セカンドです。東都の名門・中央大学で1年春からレギュラーを掴み、3年生で大学日本代表入りを果たすといきなり4番を務めるなど打撃における評価は社会人を含めてもトップクラスだと思います。
牧選手の最大の特徴は「三振が少なく四球が多い」点であり、1点台に乗せると一流の打者の証と言われるBB/K(四球数÷三振数)は1.12と驚異的な数値を残しています。また二塁打の非常に多い選手で、リーグ戦通算71安打の内23本が二塁打と、野手の頭の上を越す強い打球を打つことが出来ます。

牧選手を獲得することのメリットは、ソト選手が退団してしまった場合にセカンドの穴を埋めることが出来る点、また残留した場合にもソト選手をファーストに固定することで打撃に専念させてあげることが出来る点、宮崎選手の故障時や不調時の時のサード2番手としての役割を担える点など、1位として指名するに十分な理由付けをすることが出来るので、競合を覚悟してでも1位指名するべきだと私は思います。

2位:大道温貴(八戸学院大)

大道選手は最速150km/hを誇る右の本格派右腕です。地方リーグ所属であるため公式映像があまり残っていませんが、今秋は岩手大戦でノーヒットノーラン、富士大戦で18奪三振の快投を見せるなど防御率0.25で最優秀防御率のタイトルを獲得し、ここにきて更に評価を上げてきている印象です。これまで大きな故障を経験したこともなく、先発としての実績も十分なので、1年目から先発ローテーションに食い込める実力は十分あると思います。また、大道選手は端正な顔立ちから”イケメン快速王子”と称されており、「イケメン枠」として注目されるDeNAの2位指名にはピッタリな選手でしょう。

今シーズンDeNAの先発投手陣は度重なる故障により規定投球回に達した選手がおらず、武藤選手やパットン選手がオープナーとして先発するなど、リリーフの投手にも負担がかかってしまっているのが現状です。こうした状況から、1年間先発ローテーションを守りきることの出来る先発ピッチャーを上位枠を割いてでも獲得したいというのが個人的な意見です。

3位:中野拓夢(三菱自動車岡崎)

中野選手は俊足好打と堅実な守備が武器の内野手です。所属している三菱自動車岡崎では主にショートを守っており、現在行われている都市対抗予選では2本塁打を放つなど、「打てるショート」として注目が高まっています。
ここ数年のドラフト会議では楽天の小深田選手が1位指名、ロッテの藤岡選手が2位指名、西武の源田選手や阪神の木浪選手が3位指名と、即戦力社会人ショートの価値は高騰していることから、中野選手もこの順位まででないと獲得することは厳しいように思います。

毎年言われている事ですが、DeNAの二遊間の選手不足は深刻な課題です。UZR(守備力を表す指標の1つ)はショート全体の指標が-9.5と壊滅的であり、個人で見ても柴田-0.4、倉本-2.3、大和-6.9と柴田選手以外は守れる水準に無いと言えるでしょう。また、今シーズン二遊間を守った選手の盗塁数が1というのも致命的であり、こうした状況から安定した守備力もあり足の使える中野選手はピンポイントの補強になると思います。

4位:井上朋也(花咲徳栄)

井上選手は高校通算50発を誇る強肩強打のスラッガーです。甲子園には1年時から3季連続で出場しており、2年時から4番を務めるなど下級生の時点でかなり注目をされていた選手です。また1、2年時は主にライト、3年時はサードを守っており、先日の甲子園交流試合でも好プレーを見せるなど、内外野を高いレベルで守れることも魅力的な選手だと思います。

井上選手はDeNAにとって未来の大砲候補の育成に最も適している選手だと思います。右の大砲候補で、似たタイプの細川選手を育成したメソッドがあるため、ある程度のプランを持って育成に専念することが出来ます。また細川選手や伊藤裕季也選手など2軍で育成中の長距離打者が来季は1軍で出場する機会が増えることが予想されるうえ、井上選手自身も複数ポジションを守ることが出来るため、2軍でしっかりと出場機会を積むことが出来ると思います。ロペス選手の衰えや石川選手、飛雄馬選手といったベテラン選手が2軍でファーストを守っている現状を鑑みるとファーストで起用しても面白いと思います。

5位:藤井聖(JX-ENEOS

藤井選手は最速150km/hのストレートと多彩な変化球を操る左投手です。東洋大時代は同級生に東洋三羽烏(上茶谷、甲斐野、梅津)がいたため中々登板機会に恵まれず無名の選手でしたが、140km/h代後半のストレートを投げていて東洋大の投手層の厚さに驚かされた記憶があります。JX-ENEOSでは先発とリリーフの両方を務めていますが、短いイニングのほうが力を発揮できるイメージがあり、どちらかといえばリリーフのほうが向いていると思います。

ここ数年のDeNAのリリーフ陣は登板過多気味であり、いつ崩壊してもおかしくない状況です。中でもエスコバー投手は2年連続で登板数トップという起用方法で来シーズン以降例年通りのパフォーマンスを発揮できるかは疑問ですし、本来先発投手である石田投手がリリーフに回っていることなどを考えると、左のリリーフの枚数を確保しておきたいところです。JX-ENEOSは地元の横浜市を拠点に活動しているチームで、過去には三上投手や齋藤投手などの指名実績もあるため、実際に指名する可能性は十分あると思います。

6位:並木秀尊(独協大)

並木選手は脚力が武器の外野手です。並木選手のプレーする独協大学は首都大学野球リーグの2部に所属しており、なかなかアピールが難しい環境の中で地道に結果を残し、3年時には大学日本代表の候補合宿にも召集されました。持ち味である脚力はアマチュアでもトップクラスで、リーグ戦通算38試合で22盗塁、二盗の失敗は0と、代走としてなら即プロの1軍でも通用すると思います。

DeNAのリーグ盗塁数は25と12球団ワーストタイであり、その内の13盗塁を決めている梶谷選手も今シーズンFAの権利があるため退団する可能性も考えられます。そういった中で盗塁の出来る選手の獲得はマストだと考えます。最近では巨人の増田選手やロッテの和田選手など、下位指名や育成指名から代走のスペシャリストを育てる傾向が高まりつつある中で、この選手もどの順位で指名されるのかは非常に楽しみです。

7位:阿部剣友(札幌大谷)

阿部投手は2mの長身から投げ下ろす角度のあるストレートが武器の左投手です。地方大会でもあまり登板が無く、甲子園でも3イニングを投げただけなので全国的に有名な選手ではありませんが、恵まれた体格からスケールの大きさを感じる選手です。

毎年1人は高卒投手を指名しているDeNAですが、今年は左投手を指名するのではないかと思います。去年は右投手の浅田投手を7位指名で獲得しましたし、オリックスに育成指名された佐藤一磨選手(横浜隼人)を狙っていたという話もあるので、似たタイプの大型左腕を狙ってくるのではないかと思います。世代的にも櫻井投手より下の投手がいないので、高卒左腕を獲得することでチームバランスも良くなるのではないかと思います。

※成績は10月17日時点での成績を参照しています。

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