はじめてのSaaSプロダクトの開発2ヵ月目(振り返り)

前回のSaaSプロダクト開発1ヵ月目につづき、2ヵ月目(2020年4月)版です。

引き続きAPIの設計と開発

先月に引き続きAPI担当のエンジニアが開発を行いました。結局いろいろ必要と考えられるAPIが増え、一人月まるまるAPI開発に費やした感じですが、これでBeta 1.0で必要になるAPI周りはほぼ完了。そしてBeta 2.0で必要となるAPIに関してもかなり進みました。

やはりプロダクトのロードマップや機能追加含め今後の展開を踏まえてスケーラブルでフレキシブルなAPIの設計が大事だと再確認。後から変更が容易ではない場合もあるため、しっかり最初から今後の展開をイメージできると、最初少し開発に時間がかかるかもしれませんが、長期的にみると無駄を削減できる場合も多いと思います。もちろん100%完璧は無理なので、ある程度ということは大前提で。

ランディングページ(公式サイト)のベータ版作成

エンジニア1名に1週間でランディングページ(LP)の簡単なものを作ってもらいました。あとからデザイナーにリデザインを担当してもらう予定なので、とりあえず載せるコンテンツとメッセージ性の確認のためという感じです。

自分が先月簡単に考えていた構成をもとに、使い勝手の良さそうなテンプレートをThemeforestで探して購入し、それをほぼ継ぎ接ぎする感じでさくっと作りました。ちなみにテンプレは複数のページテンプレート、そして一般的なウェブサイトに必要なほぼすべてのコンポーネントが含まれていて$19でした。

ベータ版の開発着手

デザイナー兼フロントエンドコーダーが先月末にある程度出来上がったモックアップをもとに実際にフロントエンドのコーディングをがっつり行いました。期間としては約2週間ほど。その中で一部モックアップから変更のあった部分もあります。レスポンシブでモバイルにも対応できるようコーディングを進めました。

そしてエンジニア1名がそこから引き継いでAPI連携を担当。UIの修正などまだベータ1.0には時間がかかりますが、バリデーション含めざっくりと動くアプリケーションの原型ができました。

ちなみに今回はベータ版をさらに1.0 - 4.0まで4段階に分け、ステップを踏んで開発していく予定にしています。

ダッシュボードのデザインとコーディング

こちらも正確には上のアプリケーションのベータ版の一部ではありますが、ユーザーダッシュボードの簡易バージョンのデザインとコーディングをデザイナー兼フロントエンドコーダーに担当してもらいました。こちらも自分が簡単にまとめた内容(ダッシュボードの機能や参考サイト等)を渡して、あとは任せた感じです。

とりあえずMVP用ということでコンポーネントとしては最低限のみで実装。ただ、まだフロント自体も未完成なのでAPI連携も含めて残りは来月(以降)に持ち越し。

オウンドメディアとヘルプセンターの構築準備

コンテンツマーケティングの観点から関連トピックについての記事を定期的に発信するオウンドメディア兼ブログと、FAQをまとめたヘルプセンターの構築をフリーランスのエンジニアさんに依頼しました。

設計としてはヘッドレスCMS + Gatsby.jsといういわゆるJAMstack。各ページがすべて静的ページとなるので爆速で、かつセキュリティー面でもメリットがあるということで前々からJAMstackな実装はやりたいと思っており、今回ついに、という感じです。

社内のリソースでもできる開発ではありましたが、今回は全体のスピード感などを総合的に判断して、JAMstack開発経験のあるフリーランスのエンジニアの方に依頼しました。GW明けに納品予定、その後最終的なデプロイとリリースは弊社のエンジニアが来月(以降)対応予定です。

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ここからは自分が担当した(開発以外の)タスク。

BGM付きロゴアニメーションの作成

すでに出来上がっているロゴアニメーションにBGMをつける作業です。

今まで実際にやったことはなかったのですが、たぶんiMovieで作れそうと思ったのでやってみることに。

まずは、MotionElementsというサイトでプロダクトに合いそうなBGMを購入しました。YouTube オーディオ ライブラリでも無料で音楽を入手できますし、MotionElements以外にもBGMやサウンドエフェクト等を販売しているマーケットプレイスはいろいろあるので、実際は購入までかなり迷いました。描いているプロダクトのイメージや、ターゲットユーザー、広くはビジョン的なことまで考えながらそれらにマッチしそうな音楽を選ぶのは予想以上に苦労しました。結局半日くらいひたすらいろんなBGMを聴きまくって、もうどれがいいか判断しづらい状態になりつつあったので、それまでに候補としてピックアップしていたものから最終的に2つを選んで、チームメンバーの意見を伺った後決定しました。

そして次に購入した音楽データとロゴアニメーションをiMovieで合わせて微調整。この作業自体はたぶん1時間もかからなかったと思います。素人なりに音楽をつけただけなのに、出来上がったBGMつきロゴアニメーションはやたらとカッコよく感じ、チームメンバーにもウケがよかったです。ちなみにiMovieは過去に数回触っただけでほぼ初心者ですが、小難しいことをせず動画に音楽合わせるだけならそこまで難しくないと思います。

ちなみに購入したBGMはもちろん商用利用可、ループ利用OK、長さは2分ちょっとで金額は$20でした。

このBGMはプロダクトの紹介動画(Explainer Video)にも使おうと思っています。

英語版利用規約、プライバシーポリシー、クッキーポリシーの作成

日本語版の利用規約はすでに出来上がっていたので、まずはそれを単純にDeepLで英語に翻訳するということをしました。DeepLの精度に脱帽、リーガルとしても非常にナチュラルに近い英文ができたのですが、英語での規約関係をいろいろ調べていくと結局けっこう日本と書き方とか違うっぽいなー、ということになり、一旦白紙に。

結局タイミングよくリリースされたYC卒のavodocsという神サービスを使って無料で作成できた利用規約(Terms of Service)を使うことにしました。若干の修正は加えましたが、ほぼほぼ使えたのでだいぶ助かりました。

英語のプライバシーポリシー、クッキーポリシーについてもポリシージェネレーター的な(有料)外部サービスを使って、それを少し修正したり継ぎ接ぎして作成しました。ただ、ヨーロッパのGDPRだけではなく、ほかのデータ保護法などへの対応という面でもけっこう面倒でした。これについてはのちのち別記事で詳しく書きたいと思います。

事業計画書と損益計算書の作成

このプロダクトに関してはリーンに、ある程度は自己資金でやりくりしようと思っており、資金調達の計画はほとんどまだないのですが、たまたま自分が住んでいる神戸市がスタートアップ支援をしているということを知り、応募する過程で求められたため、簡単な事業計画書と損益計算書を作成しました。

事業計画書はCanvaを使い、損益計算書はGoogle Spreadsheetのデフォルトテンプレートを参考に作りました。

恥ずかしながら今までちゃんと事業計画書なんて作ったことがなかったので、必要な要素(スライド)を洗い出し、それぞれどんな情報を含めて、いかにデザインをシンプルにするか、などけっこうてこずりました。しかしプロセスとしては自分の頭の中で考えていたことを言語化するいい機会とな離ました。

また、損益計算書についてはいつ(どの段階で)、どれくらいのキャッシュが必要になるかが数値化できたので、資金計画という意味でとても有益でした。

結局神戸市のスタートアップ支援については、サービスリリース後ある程度トラクションがついてきた段階を対象としているそうで、まだ時期早々ということで正式な申請は行いませんでした。

ただ、今回作成した資料は今後ファイナンスを行う必要が出てきた場合などにもベースとして利用できると思っています。

サポートメンバー探し

以前何度か別の事業でWritingの仕事をお願いしたことのあるフィリピン人の知人に、英語のオウンドメディア/ ブログを担当してもらう流れで依頼し、とりあえずトライアル兼ねてやってくれる段取りに。

また、日本向けのコンテンツマーケティングにおいても優秀な知人に助っ人を依頼。

そのほか、インターンも(狭く)募集して、応募してくれた大学生に簡単な課題を与えて採用を検討中。

それ以外にもオーストラリアの知人(起業家)に開発中のプロダクトや簡単な説明動画を送って、フリーランスのエンジニアがいれば連絡くれるようお願いしたり、徐々にですが周りにもプロダクトについてジャブ程度に情報出しながら、一緒に手伝ってくれるメンバーを探すという行動をはじめました。

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上記以外にも細かいところだと、マーケティング戦略についてアイデアをまとめはじめたり、参考になる他サイトのUIやテキストのスクリーンショットをまとめたり、ユーザーへ送信するメールの参考になるHTMLメールを集めたり、自社メディア上で使う宣伝用バナーのデザインを作ったり、会計士に相談したり、いろいろ手を動かしました。