見出し画像

気持ちで勝つとか負けるとか

今回は割と最近読んだ本「スモールワールズ」についてです。本屋大賞にノミネートされてて、僕好みだったかつ、失礼でごめんなさいですが、メルカリで探したら比較的安い値段で販売されていたので買いました。本屋大賞と安さに弱いです。

この本はオムニバスになっていて、その中の一作である「魔王の帰還」の中の一文について書こうと思います。まず、そのセリフがこちらです。

「気持ちで勝つとか負けるとか、あるから」
p73😗

この文見ただけじゃ全然わからないと思いますが、詳しい説明は省きます。書いた方がいいだろうけど。

僕はこの表現にまじで共感して、「分かるわぁ」ってなりました。

例えば、めちゃ長話しをしてくる人がいたとします。自分としては、もうその人との会話を打ち切って話を終わりにしたいと思っています。しかし、その人はかなりのテンションで話してるし、自分もそこまで断る理由も無いので、聞き続こることを選ぶとします。これが「気持ちで負ける」ことかなって思います。できれば終わりにしたいけど、相手のテンションを折ってまでは話を終わらせようとは思わない。その話し手は、僕に気持ちで勝ったことになります。その人に「勝った」っていう実感はないけど。うん、原作然りこの勝負において本人は勝ったっていう感覚はないと思います。ただ一方側が負けたって感じるものだと思います。

この他にも例えば、いいなって思う人がいてその人にアプローチしたけど手応えが無かったら諦めてしまう、とか。なんとしてでもその人を振り向かせる、とまでは思えない気持ちの弱さだったり。
僕が休学を求めて父とめちゃ言い合った時も。僕はとても休学したい気持ちが強かったけど、父にそこまで反対するような理論や気持ちが無さそうだったから、これはいけるなって思ったり。

こんなように、気持ちで勝ったり負けたりする場面が僕にはよくあります。負けがほとんどですけど。その場の空気を読んじゃう癖があるからだと思います。でも僕は空気を読むセンスが抜群だと思ってるのでおっけいです。

あと、もう一つ印象に残ったセリフがあったのでそれも。

「いいとか悪いとか、正しいとか間違ってるとか、決めたところでまじ無意味って思う」
p90😑

これも、「それな!」って思いました。

ただのおれの思い出話みたいになっちゃいますけど。てかこれは違う気もするけど。書かせて。

前に電車乗ってた時、向かい側に座ってた人が席に定期忘れて降りちゃったぽくて。僕はその人が降りてからそのことに気付いて。駅員さんに届けようと思ったけどその後すぐ拾いに行ったらあからさまかな、とか思っちゃって。乗客少なかったしとりあえず一回トイレ行ったんですよ。席戻る前にさらっと取ろうかなって思って。
でも戻って来たらそこにおっさんが座ってて、しかもしばらく前から他の席に座ってたおっさんだったからわんちゃん定期取りに来た?って思って。その後おっさんおれと同じ駅で降りて、おっさんが席立つの待ってから定期取ろうとしたら定期無くなってて。おっさんと一緒に消えてて。「あのおっさんやったのか?届けてくれるのか?」って思って。おっさん追いかけて駅員さんとこ行かなかったら声かけようかな、とも思ったんだけど。

もしそのおっさんがお金に困ってて、家族を養ったりするのも大変で。もちろん定期落とした人からしたら困るし、人の物を盗むのは悪だけど。もしその定期とかSuica分で救われるものがあるなら、それはそれでいいんじゃない?って思ったのと、それについておれがおっさんに「良くないですよ」って言うのはどうなんだろ、って思って。もしそうだった場合、おれの注意は正しいのか間違ってるのかわかんなくて。

長くなっちゃったけど、なんか、そのこと思い出した。あのおっさん盗みそうな雰囲気出しといて、駅員さんのとこ行く列並んだから届けたぽかったけど。がっつり疑ってごめんおっさん。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?