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【感想】ガールズバンドクライ(第七話)
以下、第七話全編の内容に触れていますのでご注意ください。
<前回の感想>
●冒頭
新川崎(仮)のグッズを売っている仁菜たち。売れ行きはよくないらしい。なおこの場所、溝ノ口劇場は川崎市に実在するスペースだ。
「少しでも活動の足しになればと思って・・・」
「サッカーチームか!」
サッカー詳しくないんですけど・・・そうなんですか?
一方、何やらスマホを見ている桃香。それを気にしている仁菜。
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ルパはというと、なんか女子がチェキの列を作っていた。高身長だし女子にモテそうですもんね・・・一緒に写っている女子が全員メス顔限界っぽい反応なのは、めちゃくちゃ距離が近いからか。仁菜もルパの人気にうっとり顔。
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智から「そんなことよりバンド名、ちゃんと決めるわよ」という話が出たところで、桃香が「ちょっといいか?」とやってきてOPへ。
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●Aパート
サブタイトル
第六話のサブタイトルはスピッツの「名前をつけてやる」
今回、ついに仁菜たち5人のバンド名が決まる・・・というところからこのタイトルになったのだろうか。
名前をつけてやる 残りの夜が来て
むき出しのでっぱり ごまかせない夜が来て
名前をつけてやる 本気で考えちゃった
誰よりも立派で 誰よりもバカみたいな
ライブ遠征
桃香の話は、ライブ遠征についてだった。桃香が駆け出しの頃にお世話になった人からの誘いで、長野の諏訪でライブをやるのだという。
ただ、前乗り(当日より前に現地入りすること)でリハーサル、一泊してのライブということで、忙しいので桃香一人で行ってもいいという。
「特に仁菜は、勉強もあるんだろうし・・・」
「行きます!」
対して仁菜はムキになってか同行すると言い、結局全員で向かうことに。そこで桃香から改めてバンド名の話題が出る。
「私たちのバンド名・・・どうするんだっけ?」
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その・・・この二人、意外と主導権を握ってるのって・・・
会議は踊る、されど・・・
後日、ルパ智の部屋。バンド名の会議のために集まったようだ。
「言っとくけど、新川崎(仮)なら本気で辞めるからね」
「わかってるよ。私たちだって、プロ目指すんだし・・・」
「プロ」に反応したのか、ルパに桃香の様子を聞かれる仁菜。しかし桃香はバンドで「プロを目指す」ということについては「無回答」を貫いているようだ。
そういえば、ルパ智の二人はともかくすばるも「プロを目指す」ということについては同意しているのだろうか?自然と仁菜寄りの立場で動いていたのであまり気にしていなかったが・・・もしこの四人で「プロ志望」という合意が形成できているのだとすれば、桃香だけがそこからはみ出している、ということになる。
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ルパさん・・・?
智とすばるが水槽のヘビとヤモリの話をしていると、仁菜が「言いたいことがあるならハッキリ言えっての!」と思い出し怒りで桃香にキレ始める。皮肉とかじゃなく「怒れる」ってひとつの才能だよな・・・
「まあ、怒ってるって考えるのが自然じゃない?ニーナが勝手に進めるから」
「勝手に」というのは、前回の「作戦」(プロを目指すため、水面下でルパ智の加入に向けて動く)のことだろう。もちろん発案したのはすばるなので、反論する仁菜。すばるは愛嬌で誤魔化そうという気配。「てへ♡」じゃないが。
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改めてバンド名の話になり、案出しを押し付け合う三人。「恥ずかしいよ」とか言ってモジモジし出す仁菜。「三人同時に言ったらどうか」というルパの提案(智ちゃんはまた「ルパが言うなら・・・」とか言ってるけど、そういうことでいいんですかね・・・)で、同時に各自の案を言ってみることに。
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何言ってるかわからん
整理すると、それぞれ
仁菜「ちょこれーと」(もしくは「ちょこれえと」か)
智「ウンディーネ」
すばる「ドリームガール」
という案だったようだ・・・うーん、絶妙。
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すばるの案に噴き出してしまうルパさん
結局、バンド名は決まらなかったようだ・・・なんで廊下にいるんですかね?「表へ出ろ」みたいな?殴り合いした?
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左のページは食べ物のことばっかりだし・・・
これって中の人の字だったりするだろうか
そこへ桃香から「名前決まったか?」というメッセージ。他人事めいた印象だったからか、「ムカつく・・・」とこぼす仁菜。
ちなみに、長野でのライブ出演にあたって告知の都合などもあるだろうから、桃香が正式なバンド名を気にしていること自体はおかしくないと思う。であれば会議に参加していないのは単にバイトの都合か、それとも「何でもいいからそっちで決めてよ」みたいなこだわりの無さゆえか・・・
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姉と実家
仁菜が帰宅すると、ドア前で姉の涼音が待っていた。驚かせようと思って黙って来たらしい。遅い帰宅を怪しんだのか、「彼氏?」「変なバイトしてる?」と探りを入れる涼音。前者については茶化すような雰囲気もあったが、後者については真剣に気にしている様子が伝わってくる。
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バンドのことを伝えると、「あんたが?」と笑い出す涼音。姉から見て相当意外だったのだろう。しかし、面白がる様子でライブの写真を見て色々と尋ねてきたり、否定的な立場ではないようだ。
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「それで成績急降下か・・・」
「なんで知ってるの?」
仁菜は予備校を休みまくって成績が下がっており、実家に連絡が行っていたらしい。それで父親が直接乗り込んで来ようというところを、涼音が食い止めて代わりに様子を見に来たのだった。
「(父に)何て言うの?」と問う涼音に、「家を出る」と返す仁菜。「縁を切る」みたいなことですかね・・・?少なくともバンドの方をあきらめるつもりは無いようだ。
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「たしかにさ、お父さんは悪かったと思う」
「カリスマ教師としてあんな本書いてる手前、自分の娘の不登校を受け入れられなかった」
「あんたもずいぶん傷ついたと思うよ」
「でも、お父さんの言うこともわかる。少なくともあそこでいじめを不問にすれば、学校に貸しは作れた。あんたの成績なら推薦も余裕だったろうし」
涼音の話から、仁菜の父が教師だということがわかった。また、仁菜が自主的な不登校を経て退学したのだろうということや、父はそんな仁菜をなんとか通学させようとしたのだろうということも推察できる。
ただ、父は単にいじめを黙殺して仁菜を通学させようとしたわけではなく、どうやら学校側と交渉して仁菜が進学できるような道筋をつけるつもりだったらしい。しかし「ズルだよ」と言っているように仁菜はそれをよしとせず、(仁菜の性格からすれば、「いじめを不問にすれば」という条件だってきっと気に入らなかったのだろう。)自力で大学に受かるという条件で上京(神奈川)してきた、ということのようだ。
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「なのにそれもほっぽりだして、家出るなんてさすがにあんたの肩持てないよ」
涼音の話からは、このままだと仁菜は地元に連れ戻されかねない・・・そんな警告の響きが感じられる。実際、仁菜はまだギリギリ未成年であるし、部屋を借りるにしても保証人の問題もあるだろうから、「家を出る」と言ってもそう簡単ではないはずだ。
長野へGO!
数日後、桃香の家の前に集まっているメンバー五人。これから車で出発するらしい。桃香は仁菜の荷物を一部だけピックアップして「荷物は、極力少なくするんだよ」と遠征慣れした雰囲気だ。
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車は、知り合いに頼んで用意してもらったマニュアル車のようだ・・・桃香がマニュアル免許持ってるの解釈一致だな・・・
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「えっと、たしか・・・」などと、およそ出発前に運転手の口からは聞きたくないようなセリフをぼやきながらエンジンをかける桃香だが・・・
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エンジンをかけた瞬間、エンストしてしまう。
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未成年組三人の意見で、ドライバーはルパへと交代。あなたもマニュアル免許持ってるのね・・・以前のバイトで運転をしていたことがあるらしく、上手いらしい。
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休んでいていいと言うルパだが、仁菜がせっかくみんないるのだからということで(かわいいなこいつ)すばるが提案したゲームをすることに。
お題を出して全員が挙手したら勝ちというルールで、すばるのお題は「犬よりも猫派である」。桃香、ルパ、すばるが猫派で、仁菜と智は犬派という結果。
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仁菜のお題は「友達が少ない人」で、全員が挙手。
やりとりの途中、ルパが後続のバスに車線を譲る場面があったが、このバスは次のシーンでも登場する。
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次に指名され、面倒がりつつも桃香が出したお題は「私の運転がイヤな人」で、再び未成年組が揃って挙手。なぜ自ら傷を負いに・・・名誉挽回のチャンスを求めたのだろうか。
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途中、PAで休憩する一行。車酔いしたらしい智のために仁菜は飲み物を買いに行くが、店内には修学旅行中らしき学生の一団が。
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智に水を渡し、二人きりの車内。仁菜は「なんで学校辞めたの?」と問いかける。「なんで聞くの?」と言いながらも智は自分の過去を語ってくれる。
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このとき、窓の外には大型バス(先のシーンで車線を譲ったバスと同じだろう)と先ほどの学生の集団が見える。そしてその窓に映るように、智の回想。母親の不倫現場を目撃してしまったらしい。
「親はいないも同然」という言葉の意味するところは詳しくわからないが、両親が離婚などのトラブルを経てあてにできなくなったか、それとも智の気持ち的に、嫌悪感などからいないものとして考えているのか・・・
そして「始めるなら早い方がいい」という言葉からすると、智はかなり早い段階から音楽で身を立てることを考えていたか、少なくとも音楽活動に興味はあったのだろう。
それにしてもこの一連のシーンだが、仁菜と智が「中退」という共通のバックボーンを持っていること、「何ごとも無ければ、彼ら(修学旅行の学生たち)のように過ごしていただろう」という可能性の世界と現在の乖離、これらをストーリーの進行に沿ってごく自然に映像で表現しているのが、見事だと思う。
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仁菜は話を聞いて「すごいね・・・」と感心するが、智は同じ状況であれば誰でも同じだろう、という考えのようだ。
「ルパも家族が事故で亡くなったとき・・・」「考えた、って言ってた」
このとき、智が一瞬「しまった」というような表情を見せ、眉をひそめるのだが、これはおそらく「ルパの家族の死」というプライベートの領域の話を本人の許可なくうっかり話してしまったことに対するものだろう。
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そうしていると、ルパが車の窓を叩く。「一度やってみたかった」ということで五人は集合写真を撮ることに。
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ここの撮影のときの五人それぞれの仕草、動き、表情はホントにスゴいと思うので、ぜひ細かく色々見て欲しいが、特にすばるとルパが一瞬のアイコンタクト(+ちょっとした手振り)で意思疎通をはかり、両脇からぎゅっと押し付ける一連の動きはキャラクターの芝居として感動的ですらある。
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「アイドルみたい・・・」
「黙れ♡」
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翌朝。長野に到着した五人は節約のためということで車中泊で夜を明かしたようだ。仁菜だけ目を覚ましたところに、窓をノックする人物が・・・
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ここでAパート終了。
●Bパート
clubrockheartsはこちらも実在するライブハウス。五人はここでリハ中の様子。ちなみに立看板を見ると、仁菜たちが参加するライブは「諏訪花火大会前々々夜祭」と銘打たれているようだ。
「けっこう良かったね」
「どこがよ!ガッタガタじゃない!」
「そっちの二人がモタってるんだよ!」
「どっちもだどっちも!」
やりとりから、各自の演奏に対する評価の差異が見えて面白い。
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桃香を「モモ」と呼ぶ女性、ミネさん。彼女が桃香たちを今回のライブに招いた人物だ。
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桃香は、ミネさんの使っているギターに気づき、ミネさんは桃香からもらったというダイダスのシールを貼っているのを見せてくれる。
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「なんていうか、キャラが違ってるって言うか・・・」
「元々はあんな感じだったのかもしれませんね、桃香さん」
ミネさんは、桃香たちと本番で一曲セッションしたいと言って、その場で弾き語りを聞かせてくれる。
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光があふれる演出はおなじみだが、仁菜たちが「良い」を感じている表現だろう。
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上京してからのミネとの出会いについて語る桃香。
「いい歌でしょ」
「はい!」
「東京出てきたとき、ミネさんのライブ見て思ったんだ」
「一歩も引かずに、歌で戦ってるみたいでさ・・・ああ、ロックだ、って」
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「私の最後のライブには、ぴったりだ」
「え?」
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「辞めるよ、このバンドは・・・明日の本番で終わりだ。私は抜ける」
「・・・何言ってるんですか?」
「悪いけど、私はこのバンドを背負って、プロを目指す気にはなれない」
「どうしてですか?」
「私の作る曲じゃ、プロの世界では通用しないからだ」
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「仁菜が、私の歌を好きでいてくれたのは嬉しい・・・本気になってくれたことにも、感謝してる。ありがとう」
「それでいいんですか!?」
「ああ・・・それでいい」
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アニメ見ていて体温が下がったと感じたのは久しぶりの経験だった。
まさかのタイミングで桃香脱退の表明である。
仁菜の「それでいいんですか!?」という言葉は、第一話の終盤、マイクで「本当にいいんですか!?」と桃香に問いかけたシーンを思い出させる。
時間差の回答・・・それがこれだなんて・・・
このシーンについて言いたいこととしては、放送後にTwitterでわめき散らしたやつがあるのでそれを貼っておきます。
マジでよお〜…じゃあなんすか?しばらく5人体制でライブをやってたっぽいのも、「この4人ならアタシがいなくても大丈夫」とか考えながらっていうかそこらへんを見極めようとしてたフシさえあるってことすか??? #ガルクラ
— shuhei (@shoujoallergie) May 17, 2024
許せねえ〜!その自己完結的なところもよお〜…何が「感謝してる」だよ…お前は仁菜の半分どころか三分の一も本心で仁菜やメンバーにぶつかってねえじゃねえかよ…でもきっとそれくらい傷ついた心を抱えてるんだよなあ…(情緒不安定) #ガルクラ
— shuhei (@shoujoallergie) May 17, 2024
ホンマに辞めることを切り出すタイミングとしてはマジで最悪すぎて擁護でき…でき…擁護してえ〜何故ならその不器用さ弱さ臆病さ含めて河原木桃香が好きだから…#ガルクラ
— shuhei (@shoujoallergie) May 17, 2024
決めた!
居酒屋に来ている仁菜たちとミネさん。大人組はカウンターで酒を飲んでいて、桃香はもうビールをガバガバいって潰れている。それにつき合っているルパはお酒強いらしい。「人潰すの好きなんだから・・・」という穏やかでない智の証言が気になりますが・・・
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一方、未成年組は暗い雰囲気。桃香脱退の話の直後で、さもあらんという感じだ。
「また連れてくのあたしら?重いんだよ、桃香さん・・・ああ見えて」
すばるだけ違う理由でネガティブオーラのようですが・・・あと、「重いんだよ」がどうしても違う意味に聞こえてくるのはどうしてだろう・・・
明日のライブの話をしていると、ミネさんがやってくる。
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仁菜が話そうとするのをすばるが遮る・・・が、仁菜がすばるの意図を汲むはずもなく、「ミネさんは音楽辞めようとしたことあります?」と切り出す。
それでも「何言っちゃってるのぉ~?」とクネるすばるを「ウザいわよ」と智がバッサリ。メンバー間に新たな力学が生まれてるな・・・
ちなみに、ここでのすばるの対応は普段通りというか、初対面なり関係の薄い相手に対しては基本的にぶりっこ(死語か・・・?)して深入りしない、という処世術のパターンだろう。それとせっかくの場だから暗い話題を避けようというのもあるかもしれない。
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「嫌なんだろうね、結論が出るのが」
ミネさんも桃香から聞いていたのか、仁菜が桃香の脱退の件を言っているのは承知のようで、彼女なりの見解を話してくれる。(話が早い。)
「続ければ続けるほど、結果ははっきりしてくるからねえ。一度目はうまくいかなくても運が悪かったで済むけど、二回やってダメだったら、さすがに実力って言われる」
「うまくいくって信じられないんですか?」
「そりゃあ信じたいよ。でも、信じた上でダメだったら、より傷は大きい・・・怖いんだよ。音楽がほんっとうに好きだから」
桃香は悩んでいたり葛藤していたりという自分の心情をほとんど語ろうとしない。
メタ的な視点になってしまうが、視聴者は、このように他者の見解として語られる内容(今回以外だと、前回のすばるの「桃香さんは二人いる」のような)を桃香の心情として推し量るしかない部分があり、作品的にそういう見せ方になっているのだと思う。そのため、ここでミネさんの桃香に対する見解もおおむね正しいと思っていいだろう。(それがミスリードになっているという可能性も無くはないかもしれないが・・・)
少なくとも、桃香のこれまでの態度との辻褄は合うと思う。
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店を出て、去ろうとするミネさんに仁菜は声をかける。
「ミネさんは、怖くないんですか?」
「私?」
「はい」
「そりゃ怖いよ。今でも眠れなくもなれば、食べられなくもなる」
「今でも・・・?」
続く「先生になって趣味で歌うのが一番賢いやり方だったんだろう」という話から、ミネさんがミュージシャンとして身を立てているということがわかる。なぜその賢いやり方をしなかったかという問いには「忘れた」と答えるミネさん。
「ただ、私にとってステージは、言いたいことが言える場所。大好きな場所。だからいくら怖くても苦しくてもしょうがない、って・・・たぶん、そう思ったんだろうね」
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「人の顔色を気にして、いつも何かが喉につかえながらしゃべっていた」(第四話より)仁菜にとって、ミネさんの言葉は強く共感を覚えるものだろう。
そんな話をしているとベロ酔いの桃香が仁菜の股ぐらから顔を出してくる。「酒臭い」という仁菜の反応に「一滴も飲んでない」とのたまう桃香。さすがにそれは・・・
「よくそんなウソ平然と言えますね!」
「うるせーなおまえは・・・いつもいつもいつもいつもいつもぉ~!」
「いつも」が5回ですよ・・・(だから何なんだ)
泥酔してる時って人間感情が抑えにくくなりますからね・・・どれだけ桃香が仁菜のことを「うるさい奴」と思っているかというのがね・・・フフ・・・
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ミネさんは「じゃあね」と颯爽と去っていき、それを見送った仁菜はすばるたちに桃香を託すと、どこかへ走って行ってしまう。
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途中、「すいません、湖どっちですか?」「ありがとうございま~す!」と、通行人にでも道を訊いたらしいセリフが入る。
第一話で、通行人に新居までの道を訊いて無視されてしまったシーンとの対比になっているのだろうか。あの頃からの仁菜の成長や、状況の変化を感じさせる。
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仁菜がやって来たのは諏訪湖。
「決めた。決めた!決めた決めた決めた!決めたぞおおおおお!!」
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何ごとかを決意し、湖に向かって叫ぶ仁菜。すると・・・
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この花火、唐突に思うかもしれないが伏線というかちゃんと情報として前もって画面に出ていて、Aパートの最後の方で映っている「ようこそ、諏訪の国へ。」の看板に貼り紙がしてあり、「週末に向けて不定期にプレ花火が上がります」と書かれている。
まだ花火大会の当日ではないから、仁菜が見たのはこのプレ花火なのだろう。
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私たちは・・・
空けて翌日、ミネさんの出番が終わって仁菜たちの番。仁菜はミネさんと目があうと、不敵に笑い小指を立てる。ミネさんも少し笑って去っていく。
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すばるがバンド名のことを思い出すが、結局決まらなかったことがわかる。するといつの間にか仁菜の姿が・・・
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気づけば一人MCに出ている仁菜。「こんばんは、私たちは・・・」
「新川崎(仮)」を名乗るべきか、躊躇した様子で会場を見回す仁菜。すると最前列に「トゲアリトゲナシトゲトゲ」と書かれたTシャツのお客さんを発見する。
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「トゲナシトゲアリです!」
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筆者は椅子から転げ落ちた。ア・・・アドリブで!!??
Tシャツのお客さんも「私が着てきたTシャツと一緒だ~」「そんな偶然もあるんだね~」とか話しているが、そんなわけあるか。今決まったんだよ。
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「生まれて初めて、なにかに夢中になってて・・・」
仁菜はこの春からバンドを始めたこと、始めてからの想いを語り始める。
途中、桃香たちもステージへ。
「私、人生で一番感動した歌があるんです」
「だから、その歌が間違ってないって証明したいんです」
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「すばるちゃんと、ルパさんと、智ちゃんと、桃香さんと」
「みんなきっと似たようなこと思ってるんです。だから、本気でがんばってるんです。怖いけど、信じてがんばってるんです」
「だから私は、私は・・・」
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そのとき、ルパが後ろからお尻で仁菜を突き飛ばす。
「ウザいですよ・・・自分語りは」
「・・・はい!」
![](https://assets.st-note.com/img/1716027153340-hKBgYBbbVo.jpg?width=800)
ルパからすばるへのアイコンタクトで、すばるも呆れつつカウントを始める。
「ったく・・・こんな無茶苦茶な始まりあるか」
「知らないよ!」
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![](https://assets.st-note.com/img/1716027205773-G7G8Szm3W6.png?width=800)
<第7話挿入歌「名もなき何もかも」>
いますぐ散って散って散って
そっと そっとひとりにしないで
小節に羅列した哀しみのように
ずっとずっとずっと
愛を証明できるまでずっと
愛情が感情なんて信じたくない
狂える
曲が終わって、仁菜が全員に告げる。
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「私、予備校辞めます」
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●全体的な感想
まずバンド名について。
「トゲナシトゲアリ」はアニメ放送前からの彼女たちの名称であり、そうなるとどのような経緯でこの名前に決まるのか、という関心を持っていたのは筆者だけではないと思いたいが、まさかそう来るとは・・・しかし偶然ほど価値のあることはない。こういう名前の決まり方もバンドっぽいっちゃバンドっぽいし、いい意味で予想を裏切られて、いっそ痛快な気分を感じた。
桃香について。
ある意味、最高点で時を止めたいというのが彼女の願いなのかもしれない。
ま~・・・じで「辞めます」のタイミングはホントに最悪だと思うが、彼女の言った脱退の理由として「私の作る曲じゃ、プロの世界では通用しないからだ」っていうのは、もっともらしいけどおかしいっちゃおかしいんですよね。そんなのやってみないとわからないわけじゃないですか。
むしろ、彼女は「空の箱」というヒット曲(おそらく)を出しているし、ダイダスの作詞作曲担当として(ダイダスメンバー内でのそこらへんの分担は厳密にはわからないが、おそらく桃香が主導していたのだろう)バンドをメジャーデビュー一歩手前まで導いたのだから、考え方としては「プロでも通用する目がある」になると思うんですよね。(どころかインディーズを「プロ」とみなすならば「通用していた」が正しいわけで)
もちろん他人からどう見えようが「自分で自分の曲に納得できない」というのはあるかもしれない・・・それでも、新川崎(仮)を始めてからも新しく曲を作ってるわけで・・・それでライブやって、お客さんの反応を見ればそれなりに手応えもあるはずだと思うし、そうやって得た反応って今の段階で「プロでは無理」なんて見限れるようなものだったのか?とか思うわけですよ。
そうなると、やはりミネさんの言っている「怖いんだろうね、結論が出るのが」というのが桃香の中で大きいんじゃないかなと思う。
それならば、「ダメだった」となる前に、自分の歌を好きだと言ってくれた仁菜は納得しないかもしれないけど、新しい仲間も増えて、自分がいなくてもやっていけるはずだって(勝手に)思えた今が、桃香さんにとっては「引き際」みたいなことだったのかもしれない。恩人とももう一度ステージに立てたし、仁菜たちも紹介できたしね・・・
違うんだ桃香・・・お前がいなきゃ仁菜は、お前と一緒じゃなきゃ歌う意味なんて無いんだよ!!!
仁菜について。
鈴音の登場で「勉強このままだとあんたヤバいわよ」というのを突きつけられたこの回で「予備校辞めます」だもんな・・・覚悟完了しちゃってるよこの人・・・・
仁菜にこのような決意をもたらしたものについてだが、前段のルパや智の生い立ちの話ももちろん無関係ではないだろうが、やはりミュージシャンとしてのミネさんの言葉が大きかったのだろう。ミネさんはたぶん、桃香の抱えている恐怖も自分ごととして理解して、そのうえでその恐怖を飲み込んで、いや彼女の言葉によれば、今でもその恐怖と戦いながら歌っている。
それでも、「賢いやり方」を選ばなかった理由を「忘れた」と言ってのけ、
「言いたいことが言える場所」「大好きな場所」のために「いくら怖くても苦しくてもしょうがない」と言って不敵に笑うその姿に、きっと仁菜は背中を押されたのだろう。
そう考えれば、ミネさんのファッションが仁菜のカラーでもある赤だったことは偶然ではないだろうと思える。
次回第八話については、ここまでの展開からしてももちろんそうだが、公式で振り返り上映会が予定されていたり、キャラクターデザインの手島nari先生が繰り返し「8話見てね」とつぶやいていることからも、期待が大きい。
7話と8話観てね
— 手島nari (@_17meisai23) May 10, 2024
8話観てね
— 手島nari (@_17meisai23) May 17, 2024
手島nari先生を信じて次回を待とう!!
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