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【感想】ガールズバンドクライ(第八話)


以下、第八話全編の内容に触れていますのでご注意ください。

<前回の感想>

●冒頭

高校生時代の桃香と、ダイヤモンドダストのメンバー。学校の校庭らしきところでの会話。やりとりから、桃香が3人を説得して、高校中退→上京を決めたのだろうということがわかる。
そして「ライブハウスのおっちゃん」とか「事務所の人」とか、この頃の桃香は大人の言葉を素直に受け取っていたんだなあというのも感じられるシーンだ。

屈託のない桃香の笑顔

「逃げ場所を作ったら、絶対そこに逃げたくなる。逃げ道があればあるほど、前に進む気持ちが失われる。
でも・・・
難しいからこそ、退路を絶たなきゃいけないんだよー!」

最初イントネーションの問題かと思ったが、メンバーの3人はたぶん桃香を「モモカン」って呼んでますよね???

一斉に抱きつくやつ、危ないからあんまり砂地の校庭とかでやらないほうがいいと思う

桃香が白線で地面に描いたのは、「めざせ!!ぶどーかん!!」の文字。
第五話で桃香は、ダイダスが目指していたものとして「絶対に辞めない」「目指していたのはそれだけ」と語っていたが、このような目標があったのだ。そして「武道館を目指す」は現在の仁菜の目標と同じ。

後で先生とかに怒られたんだろうか

移動中の車内。長野からの帰路だろう。不機嫌そうな桃香。
前回のライブでの、仁菜の「予備校辞めます」宣言からだろうが、車内・・・というか仁菜と桃香の間は険悪なムードだ。

ルパちゃんの笑顔、この空気にあって一服の清涼剤である。聖人?

ちょっとしたことで言い合い、仁菜につかみかかろうとする桃香。それを必死に止めるすばる。煽る仁菜。すばる・・・なんかゴメン、となぜかこちらが申し訳ない気分になる。
車がサービスエリアへ向かっていくところでOPへ。

きみたち、すばるに甘えすぎでは?

●Aパート

始まりですよ

SAに寄った5人。前回の「予備校辞めます」について「まず謝れ」と仁菜に告げる桃香。ステージを「一番大切な場所」という桃香と、「だからこそ言いたかった」という仁菜は依然として衝突する。

桃香、遠っ

呆れて先に戻ろうとする智だが、ルパが引き止める。

「バンド内喧嘩、上等じゃないですか」

おでこ☆イチャつくな!!!

二人のケンカは続く。

「私たちに何にも言わないでいきなり辞めるとか、最後だとか!」
「何の相談もなしにプロ目指すと決めた奴に言われたくない!」
「どっちもどっちだねえ」

ホントにすばるの言う通りだと思うが、二人とも折れることなく、仁菜はダイダスに負けたくない。桃香はそれに対し無謀だという主張は変わらず。

「そもそも、お前が複雑にしたんじゃないかー!」「ごめんなさい」
素直ないい子です

「現実を見ろ」
「何も見もしないで、逃げようとしているのは桃香さんじゃないですか」
「うるせーな!お前に私の何がわかるんだよ!」
「じゃあ教えてください!何でバンド続けてきたんですか!」

これはクリティカルな問いだろう。桃香は言っていることとやっていることが矛盾している。そこに仁菜が疑問をぶつけるのはもっともだと思う。

「通用しないって本当に思っているんだったら、なんで田舎に帰らなかったんですか!またバンド始めたんですか!」

しかし桃香は「とにかくお前は予備校に戻れ」と話を逸らす。
仁菜は拒否し、桃香は「好きにしろ」と去ろうとするが仁菜はその背中に言葉を投げつける。

背中を向ける桃香

「逃げるんですか?」

仁菜の胸ぐらをつかむ桃香。

「黙れ・・・!」

一触即発

物騒な雰囲気を必死で中和するすばる・・・ゴメン、ホントに。
ちなみにシナリオの花田氏によると、ここはカットされたセリフがあるそうだ。

「ドラマの撮影」は無理があるとは思うけども・・・

<花田氏のツイート>

ルパ智の二人はあくまで干渉しない構えだ。

「アツいですね」
「バカなだけよ」

殴られそうになっても退かない仁菜。

「殴りたければ殴っていいですよ。慣れてますから。手を出したらいいですよ。そしたら、桃香さんのこと軽蔑できます。
・・・あいつらと同じなんだって」

小声でつぶやかれたセリフが切ない。高校でのいじめを指しているのだろう。病院沙汰になったとき、もしかするとそれ以外でも、暴力的な事態があったのかもしれない。

ルパちゃんニッコニコでワロタ

しかし桃香は、結局殴ったりはせずその場を離れる。

怖くはあったのだろう。脱力する仁菜

また終わりね・・・」とつぶやく智。以前のバンドも、こういったケンカ別れに終わったのかもしれない。しかしルパはこう返す。

「始まりですよ」

このセリフに、筆者は思わず「おお~」とか声が出てしまった。

ルパちゃん、達観してる

ルパの考えがどうかはわからないが、仁菜と桃香は実際バンドの今後についてもっとも大事な部分でぶつかっていると思われる。そういう意味では、ルパの言う通りここがスタートラインと言えるだろう。

第一歩は・・・

結局、仁菜と桃香の軋轢は解消されることなく、地元に帰ってきた一行。

静止画だと伝わりにくいが、ドアを閉めるとき仁菜が一瞬哀しげな表情を見せる

ギターケースを持った仁菜に気づいた桃香が声をかける。「もらった」という回答に訝しむ桃香。すばるが経緯を説明する。

お互い、ケンカ腰

「ミネさんが使ってないギター、ニーナにあげたの。あんたの声にはチヤホヤされたいっていやらしさが無い。桃香さんと一緒だから、頑張れって言って」

ギターはミネさんがくれたらしい。ミネさんの言葉を、桃香はどう感じたのか・・・。

同じようなこと、言われたことあるのかもね

桃香の家の前。車はルパ智が返却に行ってくれるらしい。すばるも電車がまだあるからと一緒に降りる。

「これでも、気を利かせたの♡」

すばる・・・(T_T)いや、すばる様と呼ばせてください・・・

キッチンで話す二人。仁菜の「宣言」について、ルパ智やすばるは知っていたのかと尋ねる桃香。気づいてはいただろうと言うすばる。なぜ止めなかったか、という問いには「本人の自由でしょ」と返す。

「桃香さんとルームメイト、考えるな・・・」「なんだそれ」
うん、二日酔いの世話とか考えるとね・・・

依然、仁菜の意向には「無謀」という考えの桃香だが、ここですばるからフェスの最終審査に通過したという事実が知らされる。フェスというのは第六話のラストで話題に出た、アマチュアのチャレンジ枠が設けられているという音楽フェスのことだろう。これにはダイダスの出演も決まっている。

さらにルパ智にもレーベルから声がかかっていることがわかり、桃香も少し驚いた様子を見せる。

ルパさんウッキウキでワロタ。「面白くなってきたな~」の顔にしか見えない。助手席で智ちゃんぐったりしてるけど・・・

さらに、仁菜の声がいいという話が軽くバズったらしく、トゲナシトゲアリのフォロワーが爆増していることもわかる。そ、そうだったんですか・・・?
さらに、今度のライブ(これはフェスとは別で決まっていたライブハウスとかでのものだろうか)もトゲナシトゲアリ目当ての客が一番多いらしい。

しかし、長野にいる間にしっかり新バンド名でSNSを更新している(ロゴまで作ってるし)この小回りの利いたムーブ、おそらく運用はすばるがやっているのだろう・・・トゲナシトゲアリのネット大臣と呼びたい。

フォロワー数、以前のbeni-shougaも超えている。

「ニーナが言ってるのは夢物語じゃない。そりゃダイダスに勝つのは無茶だけど、少なくとも第一歩は踏み出すことができる

そう聞いてルパ智とすばるの意向を尋ねる桃香。二人はもともとプロ志望だし、自分は合わせると言うすばる。

「あとは桃香さん次第かな~?」
「もともと、みんな賛成だったってわけか」
「そういうわけじゃないよ。ただ、ニーナが言うんだよね・・・本気なら、退路を絶って目標決めなきゃダメだって」

「退路を断つ」その言葉に、過去の自分を思い出す桃香。

あの頃の自分と同じ

覚悟のススメ

仁菜はというと、もらったギターの練習を始めてみたり、父親に手紙を書いて今後の仕送りを断り、通帳を返却していた・・・覚悟がキマり過ぎだろ。武士か?

ポストに投函して、ちょっと覗き込むような仕草がなんとも細かい。

さらにルパ智が働いている吉野家でバイトを始めた仁菜。
絶っっっっ対に接客業に向いてないと思うのだが・・・

きらめく牛丼の具

「なんでわざわざここにバイトで入るのよ!」
「バイト自体初めてだから、知り合いがいた方がいいかなって・・・」

その口ぶりだとルパ智に相談なしでここに入ったんですか、仁菜さん・・・?
あとその「知り合いがいた方がいい」っていうのはおそらく「自分のストッパー役として知り合いがいてくれた方がいい」とかじゃなくて単に「自分がいろいろと安心だから」ってことですよね・・・???いや憶測で言ってますけど・・・

そんな話をしていると、二人組の客がルパにクレームを言っているのが聞こえてくる。

「あんた、何人?」
「外国人が口ごたえしてんじゃねーよ」

ド直球の差別で草も生えない。
それはそれとして、仁菜も憤った様子でルパのもとへ駆け寄っていく。

ほらもうファイティングスタイルじゃん!!!

しかしルパは笑顔を崩さないまま謝罪し、客も帰っていく。

「ルパさん・・・」
「こんなの、日常茶飯事ですよ」
「・・・」
「私にもロックは必要ということです」

ルパさん・・・人間が出来すぎてるよ・・・(T_T)
公式プロフィールによるとルパは父親が南アジア人で母親が日本人ということで、実際国籍がどうなっているかはわからないが、何にせよ見た目や名前で「外国人」と判断され、いわれなき扱いを受けたことも一度や二度ではないのだろう・・・「日常茶飯事」という悲しいセリフもあり、そんな彼女のこれまでが想像されるシーンだ。

あのリーマン二人、早上がりの酔っ払いとかだろどうせ・・・けっ!(※筆者の見解です)

桃香とのその後について智から尋ねられ、「ゴタゴタが続くようなら辞める」と告げられたところにやって来たのは当の桃香だった。

「仁菜」
「ご注文でしょうか」
「このあと時間あるか?」
「ありま・・・す!」

第四話あたりのすばるとのLINEを思い出す

ルパ智が驚いた様子も無さそうなので、仁菜がここで働いていることはどちらかが桃香に伝えたのだろう。(すばるでも別におかしくないが。)
ここでAパート終了。

●Bパート

ダイダスのステージ

仁菜の回想。おそらく以前も話に出た、高校での病院沙汰にまつわる記憶だろう。
校長と思しき人物から、仁菜のケガについて「いじめではなく不慮の事故」であったことを確認され、お互いに握手をして和解とするよう説かれる場面だ。

「いじめ」など無かった。いいですね?

ハイ、絶対ダメで~す。こんなものに何の意味もありませ~ん。「いじめ探偵」で読みましたあ~。

▼参考記事▼

相手の女子(いじめの主犯格の子かどうかはわからない)が口元に浮かべた笑い・・・けして友好的なものではないだろう・・・を仁菜は見逃さなかった。

ほくそ笑む、ってやつよね

場面は現在。軽トラで移動している仁菜と桃香。

「どこ行くんですか?」
「近くだよ。すぐ着く」
「・・・そうですか」

「どっか行きたかった?」
「いえ・・・軽トラで桃香さんとドライブするの、嫌いじゃないので」

仁菜からも少し歩み寄った、というシーンだろう。
軽トラでのドライブは、第二話で多摩川の河川敷へ向かったときに経験している。

ここでフロントガラスに雨粒。小雨が降り始めた。

一方、ルパ智の部屋。「メール待ってるのに」と二人の様子を気にしている智。

「大丈夫です」
「?」
「好きの反対は興味無しって言うじゃないですか。あれだけケンカしてるのに、まだ二人で話そうなんて・・・大好きな証拠です」
「バカなだけよ・・・」

改めて智の立場で考えみると、前のバンドは(おそらく)ケンカ別れしているし、加えて両親のこともあるだろう。(母親の不倫があったのだから、家族間で諍いが無かったとは思えない)「揉め事」には敏感にならざるを得ないのかもしれない。

そして人一倍、不安なのかもしれない

仁菜と桃香が到着したのはZepp Haneda(もちろん実在の施設)。
ダイダス時代のツテなのか、関係者通路みたいなところに仁菜を連れてきた桃香。ドアを開けると、その先はステージでダイダスのライブが行われていた。

音楽フェスらしい。

ちょうど「空の箱」のパフォーマンス中で、観客は大いに盛り上がっている。

以前のワンマンとは違い、今回はボーカルのヒナもギターを持っている。仁菜がギターを始めたことと対になる描写なのかもしれない。

桃香が仁菜に語りかける。

「退路を断って生き残って行くって、こういうことだ。自分たちのやりたい歌なんて悠長なことは言ってられない」

「生き残るために、何が売れるか、何が喜ばれるか、何が話題になるか、それを追いかけ続けるしかない」
「すべてがそうだとは限らないじゃないですか」
「自分のやりたいことだけやって生き残れるなんて、ほんの一握りなんだよ。今のダイヤモンドダストのメンバーだって、これが最初からやりたかったわけじゃない。生き残るために、売れるために、これを選んだんだ」

画面に桃香が抜けた後のダイダスを評価する言葉たち。賛否両論あるのだろうが、ここでは「否」の割合が多い。第四話で桃香がダイダスの記事をチェックしていたという描写があったが、そうなるとこういった言説も目にしていたことだろう。

「だからって、桃香さんの歌が通用しないなんて限らないじゃないですか。その前に、桃香さんの曲が否定されて、試すこともなくバンドを辞めたんですよね」
「でも実際、今の形になって売れた。今のダイヤモンドダストは正しいんだ」

ちなみにこの一連のシーンの演出について、勝手に引用して大変恐縮なのだが以下のツイートがめちゃくちゃすごい読解だと思ったのでぜひチェックしてほしい。

「最初はみんな言ってた・・・アイドルバンドなんてふざけるなって。自分たちの歌をやるだけだって。誰も聞く耳を持たなかった」

「でも現実は、プロが絶賛しても売れないものは売れない。鼻で笑ってしまうようなものが大ヒットしたりする。それがこの世界だ。その事実が、少しずつプレッシャーになってくる。
そして選択が訪れる。拒否すれば、続けることはできないという選択だ」

ここの回想の描写から、桃香も仲間の説得で一旦はアイドル路線のダイダスをやっていたということがわかる。

徐々に暗くなっていく桃香の表情

「あいつらは続ける選択をしたんだ。それは決して、否定されるものじゃない。でも、仁菜にあたしと同じ選択はさせたくない。
なんで田舎に帰らなかったのか、バンドを始めたのかって聞いたよな。
あのとき、仁菜が歌ってるのを見て、自分が最初に歌っている姿を思い出したんだ。仁菜は、売れたいとか、認められたいとかじゃなく、好きな歌をただ歌っていた」

第一話のライブ

「あのときの仁菜は、私が好きだった私なんだ。あの頃の私なんだよ。
だから、仁菜のまま歌い続けてほしかったんだ。
何にも縛られず、その歌を横で聴いていたかったんだ」

死んでしまいます(俺が)

前半、SAでのケンカのシーンで桃香が口を濁した、バンドをまた始めた理由がここで明らかになった。

そのとき、画面がスッと暗くなる。同時にダイダスのライブも終了となった。

画面が暗くなったのは、たぶんだが演出としての描写ではないだろうか。

「私の気持ちはどうなるんですか・・・?」
「仁菜?」
「私の気持ちはどうなるんですか!?」

桃香の手を払いのけ、駆け出す仁菜。追いかけ、腕を掴む桃香。

ダイダスのナナがそれを見ていた

「仁菜!」
「離してください!」

仁菜は、桃香の頰を打った

「私は、あなたの思い出じゃない」

「あなたの思い出に閉じ込めないでください!」

桃香の語ったバンドを続けた理由、そしてプロを目指さない理由・・・それは、仁菜の輝きへの肯定ではあったかもしれない。ある意味では仁菜を守りたい親心のようなものであったかもしれない。しかし、それらを押し付けた桃香のエゴであることもまた、否定しようがないと思う。

ここで再び回想。いじめを受けたその相手との握手を迫られている場面。
仁菜は手を差し出さない。

「空の箱」を口ずさみながら、部屋を飛び出し、駆けていく仁菜。

この空欄を埋めれば解けますか いつの日か
あなたならどうやって先へと進みますか

https://www.uta-net.com/song/352579/

第四話で描かれていた放送室ジャックには、このような経緯があったのだ。
曲とともに、光があふれる演出。

「”指先が震えようとも”・・・あなたの歌で、生きようと思った人間もいるんです。
あなたが守らなきゃいけないのは、思い出の中のあなたじゃない・・・自分の歌を誰かに届けたいという気持ちです」

「自分の想いを、喜びを、怒りを、哀しさを、誰かに届けたいからバンドを始めたんですよね?学園祭で歌って、東京に出てきたんですよね?プロになったんですよね!?」

「何怖がってるんですか!?何ビビってるんですか!?ここにいるんですよ?あなたに勇気づけられ、元気をもらい、あなたがいたから飛べた人間が・・・」

「あなたと一緒に歌うことを幸せに感じて、賭けようと思っている人間が・・・!
あなたを信じている、あなたの歌が・・・!
桃香さん・・・!」

「私で逃げるな・・・!」

涙止まらねえよ(俺が)

おそらくだが、仁菜は回想シーンの場面まで、本当に公式プロフィールにあるような、「空気を読んで、みんなに合わせて生きてきた」女の子だったのではないかと思う。
しかしあの場面で、どうしても納得できないことに、負けたくないと思ったことに対して握手を拒否したあの瞬間・・・飛ぶための力を与えてくれたのが桃香の歌だった。「あなたの歌で、生きようと思った」という言葉は大げさでもなんでもなく、あの日あの時から仁菜は、本当の意味で生きることを始められたのかもしれない。あの日あの時、仁菜は初めて自分の尊厳を守ったのだ。きっと。

そこへダイダスの四人がやって来る。ヒナは仁菜の名前に反応を見せる。

仁菜を置いて逃げるように車で走り出す桃香。仁菜と、ダイダスの面々もそれを追って走り出す。

先回りし、車の前に立ちはだかる仁菜。すんでのところで車は仁菜を避けて停止する。

「バカヤロー・・・正気か!?」
「これでおあいこですよね・・・」

えっと・・・その「おあいこ」っていうのは「ビンタしちゃったけど私も轢かれかけて危なかったですし、て言うか追いていかれそうになりましたし」みたいなことですか???うーん・・・釣り合ってる???

「なんで逃げるんですか?桃香さんが逃げる必要なんてない・・・桃香さんは、何も間違ってない!」
「うるさい!」

桃香を呼び、駆け寄るダイダスの面々だが、桃香はクラクションを鳴らし、拒絶の意思を示す。

そこへ仁菜が車に乗り込み、桃香の手にそっと自分の手を重ねる。

たぶんドアが開いたことで車内灯が点いたんだと思うが、これが演出的にも「光がさす」っていうね・・・もうね・・・

「しゃべらなくてもいい、ただ、聞いておいて!」
「バンド始めたって聞いたよ!」
「楽しみにしてるから・・・!私たち、後悔してないから!」
「これで上まで絶対行くから!」
間違って無かったって言ってみせるから!」
「それまで絶対、生き残ってやるから!」

桃香の態度やダイダスの面々のセリフから、なんとなくだが桃香は最終的に全部の連絡を断ってダイダスを抜けたんじゃないかという気がする。桃香の「話したくない」という意図をなんとなく前提に受け入れてる気配というか・・・

対して、仁菜が言い放つ。

「私たちも、絶対に負けませんから。
私たちが正しかったって、言いますから!」

その言葉に桃香は目を見開く。

「間違ってなかったって、言ってやるから!」
「何なの?」
「勝手なこと言わないでよ・・・」
「あんなクソみたいな演奏して、よくそんな偉そうなこと言えたもんだな!」

黙っていた桃香が、ついにナナたちに向かって言葉を放った。

ダイダスの立場になってみると「何なの?」は正直「わかる」とはなる

「次のフェス、あたしらも出るからな!
そこで今日みたいな演奏やったら、お前らの客、全部持ってくからな!」

桃香と、仁菜も小指を立て、「宣戦布告」。

最後にナナが桃香に向かって叫ぶ。

「私たち、忘れないから!」

目に浮かぶ、4人で過ごした光景。桃香は仁菜を乗せ、車を出す。

「あの子、知り合い?」
「さあ・・・知らない子です」

ナナさん、ヒナと仁菜の反応を後ろに目でもついとるんかくらいの観察眼で見ていた

車内。毒づく桃香に、笑みをこぼす仁菜。

「何がおかしい」
「桃香さん」
「何だ・・・!」
「やっぱり私、桃香さんが好きです」
「・・・何だそりゃ」

顔を逸らす桃香

「決まってるじゃないですか・・・」

「告白です」

カーステレオのボリュームを上げる仁菜
二人を乗せた軽トラの行く夜空に、流れ星ひとつ

このシーン、些末なことかもしれないが車内で「空の箱」が実際に流れていたわけでもないように思う。(流れていたとしてもそこまでおかしくない気はするが、やはり違和感がある・・・もし流れていたとしたら、仁菜が流したのだろう。少なくともあの場面で桃香から「空の箱」やダイダスの曲を流すとは思えない)
あくまで車内ではラジオや別の曲が流れていて、あそこで我々が聞いていたのはあのシーンのBGMとしての「空の箱」であって、仁菜がボリュームスイッチで音量を上げると曲の音量が上がったのも、演出としてのそれではないかと思う。

雨降って・・・

寝床についている智。「どうなったの?」に対して仁菜からサムズアップした大仏のスタンプが送られてきた。

LINEグループが「棘トゲの集い」

そこへルパが顔を出す。

「だから言ったでしょ?」
「・・・ふん」

どうでもいいが智ちゃんが天蓋付きベッドにしてるのめちゃくちゃかわいいな・・・

そしてすばるも、同じくスタンプを見届けたのだろう。

「やっぱ、面白いやつらだわ」

一番の功労者、お疲れ様(一旦ね)

といったところでEDへ。

サブタイトル

第八話のサブタイトルはGOING STEADYの「もしも君が泣くならば」

もしも君が泣くならば僕も泣く!!
もしも君が死ぬならば僕も死ぬ!!
もしも君が無くなれば僕も無く!!
もしも君が叫ぶなら僕も叫ぶ!!
ああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!

https://www.uta-net.com/song/45950/

●Cパート(!?)

花田氏がカットになったエピローグを公開されているので、ぜひチェックしてほしい。

●全体的な感想

第八話、神の上とさせて頂きます。

ええ~っとですね・・・以下ちょっとまとまらない文章になりますがご容赦ください。
ここまでやられると、正直もうね、安易にブヒれないんですよ。百合の者としても。
仁菜が桃香に掴みかかるシーンでバカほど泣いて、桃香の涙でバカバカのバカほど泣いてしまいました。風呂の浴槽いっぱい泣きました。ウソですごめんなさい。
それはそれとして「好きです」の上に「告白です」まで重ねてこれで「そういうのじゃない」ってことあり得るんですか?????えぇ?????
これは、「そういうのだろ(ニチャア)」って言いたいんじゃないんですよ。
人間同士の「愛」の話には違いないだろとは思うんですけど「色恋」の話にできないんですよ。こうなってくると。
・・・えぇ?色恋ベクトルが優勢であるという前提で話を進めるな?うるせぇな。ここが誰のnoteだと思ってるんだ。弱い者から去れ。

まずあの、舞台袖で桃香が仁菜の頰にそっと手をそえたところで、普通だったら試合終了のゴングじゃないですか。カンカンカンカン!!俺が耐えられません!タオルを投げます。もう立つな、ジョー!いや仁菜!
言ったら仁菜からしたら憧れの人からの全肯定ですから・・・前述の通りそれは桃香のエゴではあるけれども、「湿度」でいったらもうドモホルンリンクルどころの話じゃないわけです。モイスチャー。
でもキッッッッッチリ拒絶しましたよね、仁菜は。ビンタかまして。そこが本ッッッッッ当に最高にカッコいい。

仁菜からしたらずっとわかんなかったわけですよ。桃香が本心を言わないから。
なんでプロでは通用しないとか言うんだろう?じゃあなんでまたバンド始めたんだろう?おかしくない?なんで肝心なことは何一つ言ってくれないんだろう?なんで・・・
それが桃香の言葉を聞いて、あの画面がスッと暗くなった瞬間、仁菜にもわかったわけですね。「私だ」って。「桃香さん、私のせいにして逃げてるんだ」って。
そりゃあ怒りますよ。
実際ちゃんと言ってますもんね。「何ビビってんですか」って。
「日和ってんじゃねえ」とほぼ同義ですもんね。「お前が始めた物語だろ」って。

そうやって誠心誠意ぶつかって、まっっっっっすぐぶつかって、こじ開けましたね。ついに。桃香の心の扉を。
自分、第八話を見たこの日に公開初日だった劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』を見てきて、そちらはそちらでめちゃくちゃ素晴らしかったんですけど、一日に二回も扉開くとは思ってなかったですね。

最後トラックの中のシーンね・・・急に話戻りますけど・・・
これまた人様の感想を引き合いに出して申し訳ないんですけど、「あの空間は二人だけのもので、見ちゃいけなかったんじゃないかと思うくらい尊かった」って言ってる方がいて、めちゃくちゃ同意すると同時にそれってめちゃくちゃキャラクターに対してというか他者に対して誠実だなと思ってなんかそれはそれで感動しちゃって・・・
とにかくそんくらい感動、いや感激しました。
本心とか見せたがらない桃香のために、カーステの音量上げてやる仁菜ね・・・。
「好きです」の言葉だけではその気持を素直に受け取れなかったであろう桃香も、ダメ押しの「告白です」でそのまっすぐな愛が心に届いて、ついには凍てついた氷が溶かされたんだと思います。

ええ~っと言ってないことと言えてないことがまだ800個くらいある気がしますけどまとめに入りますね。

「バンドもの」である本作とし避けては通れないであろうテーマについても触れられた回でしたね。
音楽に限らず、おそらくクリエイターならば必ずぶつかるであろう「作品は売りたいが魂は売りたくない」というジレンマ。

そのジレンマに対して、仁菜たちとは違う方向で答えを出すべく現在進行系で戦っているダイダスの面々。彼女らのセリフも、彼女らは彼女らで、桃香を今もきっと大事な仲間だと思ってるんだろうなというのが伝わってきてよかったですね。
それならば彼女らにとっても、自分たちが間違ってないという証明が、桃香に責任を負わせないための戦いでもあるはずなので。

ともかくこれで、出場が決まったフェスに目指して本格始動していくはずのトゲナシトゲアリ。予告ではまだなんかケンカしてる雰囲気がありましたけどそれはそれで楽しみです。

最後に手島nari先生が8話放送直後に貼られたイラストも紹介しておきますね。

先生!!!!!これからもついて行きます!!!!!


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