インターンは社会人0年目 -「入社3年目の落とし穴」を回避するコツとは-若手社員の本音をインターンOBに聞いてみた!
若手社員の離職が止まらない…そう悩んでいる方も多いのではないでしょうか。若手社員が離職を考える背景には、学生と社会人の間に存在する「見えない大きな落とし穴」があるように思います。
その落とし穴とは、「学生と社会人の求められるものの違い」。このギャップに気づき、落とし穴を回避するにはどのようにしたらよいのか。
今回、この問いを読みとくべく、シュハリのインターン卒業生である島﨑豊さんにインタビューし、社会人5年目の生の声を聞いてきました。
■若手社員が考える仕事を楽しむ”コツ”とは
石村:現在のお仕事内容を教えてください。
島﨑さん:現在ITコンサル会社に勤めています。主に金融系に強みを持っている会社なので、金融機関向けの取引アプリの開発などを行っています。新卒1年目の終わりごろからマネージメントも任せてもらえるようになり、現在はプロジェクトマネージャーとして仕事をしています。
石村:現在のお仕事は楽しいですか?
島﨑さん:楽しいです。特に、「新しいことをやる」「できなかったことができるようになる」瞬間は最高に楽しいですね。
石村:私自身、仕事は「楽しい < 大変」というイメージを持ってしまっているのですが、仕事を楽しむ“コツ”のようなものはありますか?
島﨑さん:もちろん、全ての仕事が楽しいわけではありません。繰り返しやらなければならないような作業もあります。しかしどんな仕事でも、ゲーム感覚で業務に取り組むことで、楽しみを見出しています。例えば単純作業の場合、どのような工夫をしたら早く終えることができるのか、などテーマを持たせ、それを達成するゲームに置き換えると楽しみながら取り組むことができます。
■若手社員が考えるマネージメントの”コツ”とは
石村:確かに、それはモチベーションが向上しそうですね。ただ、マネージャーという立場は、上司と部下の板挟みになる立ち位置だと思われるのですが、その点の悩みなどはありますか?
島﨑さん:私の会社はflat組織なので、板挟み問題に悩むことはあまりないです。けれどやはり、マネージメントは難しいですね。自分自身のコントロールだけでなく、他者もコントロールしなくてはいけない。最初は、全ての業務に自分がプレイヤーとして入ってしまい、それがボトルネックとなってなかなかプロジェクトが前に進まない、ということがありました。今はなるべく、メンバーを育成して彼らに任せる、ということを意識しています。
石村:部下の育成というのは、年代によって価値観が違ったり、ハラスメントがとても敏感になっている現代、さらに難易度が上がっていると思います。そのような中で、島﨑さんが考える“マネージメントのコツ”はありますか?
島﨑さん:そうですね…
・自分の中での期待値を下げる
・伝え続ける
という2つが重要なように思います。特に2つ目は重要ですね。伝わらないかもしれないが、伝え続ける。伝え続けていると、少しずつ相手にも変化が現れる。アウトプットの質が変わってきたり、自分から手を挙げるようになったり…そういった瞬間はとても嬉しいですね。「あぁ、伝わったんだ!」と。
■若手社員が考える順調にキャリアを積む”コツ”とは
石村:これまでの島﨑さんのお話をお聞きしていると、新卒1年目からマネージメントを任せてもらえ、現在もやりがいを感じながらお仕事をされており、とても順調にキャリアを積んでいらっしゃるように見受けられます。順調に業務を進めたり、キャリアを積む“コツ”などはあるのでしょうか?
島﨑さん:“コツ”というよりか、意識していることは2つあります。
まず1つ目は、「言われたことを素直にやる」ということです。
言われたことは、とにかくまずやってみることが大切です。当たり前のことを当たり前にやる、それだけでもだいぶ成長します。
2つ目は、「相手のことを考える」ということです。
言われたことをやるのは当然ですが、その際に「相手が何を求めているのか」、相手が言ったことの背景を理解するためには、相手のことを理解している必要があります。ですので、常に相手のことを考えて業務に取り組むことを意識するようにしています。
■学生と社会人の間に存在する「落とし穴」を回避するには
石村:なるほど。社会人3~5年目くらいの時期には、離職を考える方も多いと聞いていましたが、島﨑さんは今のところキャリアチェンジなどは考えてなさそうですね。
島﨑さん:そうですね。今の会社でやれることはまだまだあると思うので、今のところキャリアチェンジなどは考えていないですね。ただ、順調なだけに、コンフォートゾーンに入らないようには気を付けています。[NM1]
石村:島﨑さんから見て、若手社員が離職してしまう原因は何だと思いますか?
島﨑さん:学生と社会人の間には、「見えない大きな落とし穴」があると思うんです。
学生は、インプットのためのインプットをしているが、社会人はアウトレットのためのインプットをしている。また、学生は自分のためにインプットしているが、社会人は相手の求めているものに合わせたものをアウトプットしなければいけない。 つまり、学生はアウトプットを学校に提出するだけでいいが、社会人はアウトプットを提出するだけでなく、顧客が対価(報酬)を支払うのに見合ったものかどうかも求められる。これに気づき、自分自身をアジャストできるかどうか…私は幸いこれ気づくことができましたが、世の中にはこれに気づくことができず、落とし穴にはまってしまっている方が多いように思います。この落とし穴が「今の会社では自分は活躍できない」と離職に繋がっているのではないでしょうか。
石村:島﨑さんが学生と社会人の違いに気づき、落とし穴を回避できたのはどのような出来事が影響していると思われますか?
島﨑さん:まずは、インターンでの経験が大きいと思います。インターンでの業務や研修陪席を通して、社会人になると何が求められるのか/どういう人が評価されるのかということを知ることができました。なので、シュハリでのインターンが社会人1年目を経験することができ、入社した時点ではすでに社会人2年目の気分で業務に取り組むことができていたように思います。
石村:では、シュハリのインターン時代を一言で表すと…
島﨑さん:“社会人0年目”ですかね(笑)
もう一つ、学生と社会人のギャップを埋めることができた理由として、入社1年目~2年目での経験も大きかったと思います。入社1年目の終わり頃から、とにかく先輩の仕事の様子を毎日細かく観察し、「この部分は自分にやらせてください!」といったように積極的に業務に関与していったことにより、少しずつ仕事を任せてもらえるようになりました。そのため、多くの経験を積むことができました。この時期に学んだことが今の自分を形成する土台になっていると思います。
石村:なるほど、島﨑さんが考える「落とし穴」を回避する方法は、インターン時代の経験と、社会人1~2年目の経験で気づきを得ること、ということですね。
では、最後に一つ教えてください。
島﨑さんにとって「働く」とは?漢字一文字で表してください。
島﨑さん:「楽」しい、ですね。
石村:新しいことに挑戦したり、できなかったことができるようになる、といった自分の成長を楽しい!と感じる島﨑さんにとって、今の会社は最適な環境なのですね!今回のインタビューから、「成長したい」という意欲が島﨑さんの原動力になっていることを感じました!
■今回のインタビューを振り返って:「社会人20年目」と「大学生」2つの視点から
河合(社会人20年目)
「若手社員の生の声が聞きたい!」という気持ちで臨んだインタビューでしたが、マネージメントのコツや順調にキャリアを積むコツなど、多くの学びがありました。特に「伝え続けること」「素直であること」「相手のことを考えること」…どれもグサッと心に刺さりました。そして、社会人と学生の間にある落とし穴。思い返せば私自身は、社会人1~2年目で大きな仕事を任せてもらう機会があり、そこで貴重な経験を積むことができたからこそ、落とし穴にはまらずにこれまでやってこられたのか、ハッとしました。
私たち大人世代は自分の子供たちに、若い世代に、この「落とし穴」の存在をもう少し大きく発信していった方が良いのではないか。そして、重要なカギになる社会人1~2年目の時期に彼らに何を提供できるだろうか。若い世代に活躍してもらうために、大人世代の自分が今できることは何か、改めて考えさせられる貴重な時間となりました。
石村(大学2年生)
今回のインタビューにてポイントであった「学生と社会人の違い」。これにより多くの人が気づけるにはどうしたらよいのか。私自身も、シュハリでのインターン通して、幸いその違いに気づくことができました。しかし、シュハリでの経験がなければ、違いに気づくことができず、大きな落とし穴には落ちてしまっていたと思います。このような学生を救うためにはどうしたらよいのか。学生時代に教育機関にて講義をしたらよいのではという考え方もあります。けれど、社会人の実感がわかない学生に「違い」を理解してもらうのは難易度が高いうえに、実践する機会がないため自分事に置き換えるのは難しいのではないかとも思います。「学生と社会人の違い」を多くの人に気づいてもらう方法を模索していく重要性を感じました。