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【LEGO®SERIOUS PLAY®】脱・机上の空論!-2030年の社会を言語化する方法-

こんにちは、シュハリの河合です。
「なんだか話がかみ合わない」
「いつまでたっても机上の空論から前に進まない…」
仕事を進める上で、特に戦略策定など不確実な未来を描くような場面において、こういったことは良く起きるように思います。
シュハリでは、未来のシナリオを描く「シナリオプランニング※」という手法を用いた研修を行っていますが、今回はLEGO®を使ったシナリオプランニングのワークショップをシュハリ社内で実施しました。

※シナリオプランニングについてはこちらをご覧ください↓
(リンク先の画像は後ほど張り替えておきます)
実践 シナリオ・プランニング 〜不確実性を「機会」に変える未来創造の技術〜 - シュハリ株式会社(企業研修) (shuhaly.co.jp)

①   スキルビルディング
娘が小さかった頃はよくLEGO®で一緒に遊びましたが、そんな娘ももう中学生。すっかりLEGO®は卒業してしまったので、LEGO®を触るなんて5年以上ぶり!
「手元のブロックすべてを使って、タワーを作ってください」
というシンプルなお題にも試行錯誤。必死でLEGO®と格闘しながら、ふと顔を上げると、驚くほど高い塔を建てている人がいたり、地道に土台を固めている人もいたりして、一気に場の空気が温まりました。

①   ウォーミングアップ
次のお題は「あなたの最高の息子/娘を作ってください」
頭に「?」がたくさん浮かびつつも、とりあえずブロックを選び始めました。実際に娘の姿を思い描きながら、ブロックを積み重ねていきます。5分たったところでいったん終了。チーム内で自分の最高の息子/娘をシェアします。
チーム内でシェアする際のポイントは3つ
・LEGO®を指さしながら説明をすること
・聞いている人は、話し手ではなく、指さしているLEGO®を見ながら話をきくこと
・一人ひとつ、必ず質問をすること
ドキドキしながら、自分で作った娘について説明を始めました。

【私の最高の娘】
・五体満足であればそれで十分かな、と思ったんですが、ちょっと欲を出して(笑)聡明であってほしいという想いから、頭に黄色いブロックを乗せました。
・人に多くを与えられる人(Giver)であってほしいという想いから、両手にブロックを持たせています。

質問:「とてもシンプルですが、シンプルにした理由って何かあるんですか?」
たしかに、他のメンバーは息子/娘の周りにカラフルなブロックを並べるなど、とても華やか…「なぜこうしたんだっけ」自問自答してみて気づいたのは、うちの娘は必要以上に完璧主義。多くのものを抱えて、全て完璧にこなさなければと自分を追い込む癖があり…親としては、もっと自由に、シンプルに、余計なものから解放されて生きてほしいな、という想いがありました。そんな気持ちを無意識にブロックに込めていたんだ、と自分でもハッとしました。
ウォーミングアップといえど、大きな気づきがあると同時に、
・LEGO®を使って自分の考えを可視化/言語化する
・それをチームメンバーと共有する(同じものを見ながら話をする)
・同じものを見ているから、議論が深まる(机上の空論にならない)
という体験をした私。さぁ、いよいよ本題のワークショップです。

①   STEEP分析
まず、今回テーマとしている業界の外部環境分析をSTEEP※というフレームワークを使って行います。これまではゼロからSTEEP分析を行っていた私たちも、今はAIを使ってたたき台を作成し、そのたたき台をベースに議論を深めていくため、非常に効率よく短時間で深い議論ができます。
・2030年はどのような社会になっているのか
・この業界はどのように変わっていくか
・自社はどのような戦略を立てるべきか
など、外部環境分析の結果をもとに話し合います。

※STEEP分析についてはこちらをご覧ください↓
https://www.youtube.com/watch?v=Ty9m-mvHT2c

①    未来シナリオ:2030年の日本社会
STEEP分析のディスカッションから浮かび上がった2つの軸をベースに描き出された4つの社会がこちらです。

このレベルだと汎用性が高く、抽象度が高いため、これだけ見ても4象限それぞれの社会がどんなものなのか、ピンときません。そこで使うのが、LEGO®です。

①    LEGO®を使ったシナリオプランニング
LEGO®を使って、それぞれの社会を形作っていきます。例えば、私たちのチームは左下「攻撃・守備のバランスの取れた全員野球型社会」。日本のモノづくり企業が得意とするようなインテグラルで、製造時点に重点を置いたような社会。それってどんな社会なんだろう…

【 LEGO®で作った2030年の日本社会】

・高く積み上げられたブロック 
⇒勝ち組の企業と、そうでない企業が二極化するのではないか 
・緑のブロックを多用⇒勝ち組企業の特徴としては、強いブランドイメージを持っていること。特に環境に配慮しているといった企業姿勢が重視されるようになるのではないか
・ブロックの前に立つ人
⇒消費者も強い意思をもって、自分の好きなブランドの商品のみを選ぶようになるのではないか
・数が絞られたブロックの塊
⇒企業競争の激化と意思のある消費者の増加の結果、企業数/商品ブランド数は絞り込まれていくのではないか。その中で自社が勝ち抜いていくには…

といったように、LEGO®を使うことで、漠然としていた未来社会の解像度がぐっと上がり、それらを“自分の言葉”で説明できた、という実感がありました。
まさに、「解像度を高めること」「言語化すること」こそが、未来のシナリオを描く上で重要であり、それをLEGO®という“おもちゃ”を使って実現できるなんて!と、目から鱗の体験でした。

また、LEGO®を使うことで、
・机上の空論になりがちなシナリオプランニングを、目に見えるものとして認識できたこと
・ “戦略は他人事ではなく、自分の手で作り出すものだ”という実感を持てたこと
・“同じテーマでも、人それぞれ考えることが違う”、という当然の事実に改めて気づくことができたこと
は、大きな収穫だったと思います。

「決して正解はない」という前提に立ち、「一緒に同じものを見ながら話をする」
LEGO®というシンプルなツールを使うことで、 “脱・机上の空論”ができたことはもちろん、未来は自分の手で作り出すものだ、という大切なことに気づかされたような時間でした。
今回のLEGO®を使ったシナリオプランニングは、実際の研修でも行っていますので、ご興味をお持ちいただけましたら、是非お気軽にご連絡ください!

【シュハリの取り組み:研修講師も学びを欠かさない】
シュハリでは皆さまの学びのお手伝いをするからには、まずは「自らが学ぶ」を大切にしています。月1回以上のペースで講師向けのワークショップを実施しており、その度に講師自身も新しい気づきを得ることはもちろん、シュハリのモットーである「教える側と教わる側の壁を取っ払う」を実践しております。今後も私たち自身の学びのレポートを投稿させていただこうと思いますので、ご覧いただけたら嬉しいです!

~LEGO®SERIOUS PLAY®メソッドと教材を活用したワークショップ~