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芸術の秋に行った美術展。アートな学びと楽しみポイントのまとめ

「アート思考」が流行っていることもあり、今年はアートを語れるようになろう!という気持ちがずっとありました。

もともと美術館には年に1〜2回行くくらいでしたが、最近は時間ができたら美術館に行く習慣になり、楽しみ方がわかってきた気がします。
そこで今回は、いま開催されているおすすめの美術展と、そのおもしろポイントを紹介します。


ピカソとその時代-国立西洋美術館

ピカソは、あの「意味のわからない絵」の意味をちょっと勉強してから行くと、鑑賞のしかたが変わります。
ざっくりとした僕の理解はこう。

「この人の右の横顔を描きたいなあ」

「でも、左耳も素敵なんだよなあ。右から描くと左耳が見えない」

「あ!右の横顔に左耳もつけちゃおう!」

つまりピカソの絵は、見えたものをそのまま描いているのではなくて、彼の感じた「美しさ」をキャンバスに再構成しているということ。だから、顔のパーツが変なとこにあったり、縮尺が変だったりするのですね。なるほど。


と、いうことを理解してからピカソを鑑賞すると…
まあ、わかりませんw

なんでここに目つけたの!?とか、鼻はこっちの方が良くない!?とか、いろいろ突っ込みたくなります。
それでも勉強する前とは鑑賞のしかたが変わっているので、これもアートかな、と思いました。


ところで、この展覧会ではピカソはじめ何人かの画家をクローズアップしています。そのうちの1人「パウル・クレー」にじつは(ピカソより)ときめきました。中でも「子どもの遊び」という作品が、すごーく考えられた子どもの絵って感じで好きだったので、そちらもおすすめします。


ピカソ 青の時代を超えて-ポーラ美術館

週末は箱根へ!
同じ画家の作品を繰り返しみると、だんだんと特徴がわかってきます。

モネの睡蓮は初期の方が鮮やかだなとか、
ルノワールは表情の描き方がすごいなとか、
マネは黒いなとか。

ピカソも初期は「意味のわかる絵」を描いていた、という話は有名ですが、いろいろと作品を見ると、意外とそう単純でもないことがわかります。時代的にまとめると、

①意味のわかる絵

②意味のわからない絵「アビニヨンの娘たち」はここ

③再び意味のわかる絵

④再び意味のわからない絵「ゲルニカ」はここ

という感じ?個人的には③のあたりが好きでした。作風の変化を知るのも楽しみ。

あと、この展覧会の音声ガイドをチョコレートプラネットがやっているのですが、ピカソの絵を見て自由に感想を言うテイストですごくおもしろい。ふつうに解説=答えを聞くのではなくて、自分で考えた意見を言う、これが本来のアートの楽しみ方なのかもしれません。
③の時代で意味の分かる絵に回帰したのは、「自分の子どもに見せたかったんじゃないか」とチョコプラが話していて、それはありそう、と思いました。


パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂-アーティゾン美術館

オペラ座をテーマにした美術作品を集めた展覧会。
クラシック音楽ファンを自称しているくせに、実はオペラについて全然知らないな、ということを再認識しました。

カルメン、アイーダ、トゥーランドット…聴けば知ってる曲はたくさんあるけれど、ちゃんと観に行かないとね。次はオペラに行こう。


この展示会では、舞台セットや衣装のデザイン画がたくさん展示されていて、17世紀~18世紀ごろのものは設計図でありながら絵画として鑑賞できるようなクオリティで作られていることに驚きます。そして、時代が進むにつれて、だんだんとアート感が増していきます。
20世紀に入ると、ピカソと同様「意味のわからない絵」で有名なアンリ・マティスが衣装デザインを担当していたりして、こちらは落書き?(失礼)みたいなデザイン画でウケます。


あと、常設展のほうにあるマティスの「縞ジャケット」が強烈に印象に残りました。漫画みたいなタッチのイラストで、ジャケットの青色がすごく綺麗!衣装デザインは落書きとか言ったけど、マティスをちょっと好きになりました。また見に行きたい。


おすすめの美術展を紹介しました。
PCの画面、本の印刷がどんなにきれいになっても、実物の絵画はパワーが違うことに驚かされます。先日、AIの描いた絵が賞を取ったと話題になりましたが、デジタル画はともかく、手書きの絵の魅力はこれからも変わらないのだろうな、と思います。

時間ができたらアート鑑賞、おすすめですよ。


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