サイエンスナビゲーター® 桜井進の 「世界は数学でできている!
第2回「2の累乗の秘密」
皆さん、こんにちは。サイエンスナビゲーター®の桜井進です。
突然ですが、「2の累乗」22(2の2乗)、23(2の3乗)、24(2の4乗)…をあなたはどこまで暗記してますか?
実はこの「2の累乗」はとても便利な数なのです。「2の累乗」なんて関係ない!と思う人もいるかもしれません。ところがこの数字は私たちの生活のありとあらゆるところに存在しているのです。
例えば、デジタルカメラやゲーム機などに入っているメモリーカードですが、64Mや128Mと書かれています。これを「2の累乗」で表すと、64は26(2の6乗)、128は27(2の7乗)になります。
またパソコンの色設定画面を見ると、「フルカラー約1670万色」という設定があります。なんで“約”が付いているのか気になりますね。実はこの数字を正確に言うと16,777,216で224(2の24乗)を意味するのです。
では、なぜすべて2の累乗なのか? コンピュータは数を2進数として処理します。10進数が十の数字を用いるのに対して、2進数は二つの数字0と1を用います。コンピュータでは、0と1に対応するのが、それぞれ回路に電気が流れていない、流れているという状態です。
つまりコンピュータの内部ではすべての数を二進数に置き換えて処理しているのです。パソコンやデジタル機器が普及したことによって、私たちの生活の中でも2の累乗はますます身近になってきています。
ぜひ、2⁰=1、2²=4、2³=8、2⁴=16、2⁵=32、2⁶=64、2⁷=128、2⁹=512、2の10乗=1024
を覚えてみましょう。すると、次のような計算ができるようになります。
16×16=2⁴×2⁴=2の4乗+4乗=2⁸=256
16×32=2⁴×2⁵=2の4乗+5乗=2⁹=512
8×128=2³×2⁷=2の3乗+7乗=2の10乗=1024
32×32=2⁵×2⁵=2の5乗+5乗=2の10乗=1024
2の累乗どうしのかけ算は指数部分のたし算でできる計算方法です。このような、かけ算をたし算に変換して行う計算が「対数」の考え方です。2の累乗から見えてくる数学の世界があります。それでは次回をお楽しみに。
桜井進 “X”(旧ツイッター)
https://twitter.com/sakurai_susumu