22歳の僕がイベントのチケットを売った時の頭の中
今は29歳です。宜しくお願いします。
2013年11月頃、アイドルやコスプレイヤーを招いてトークイベントを開催したことがあります(ネット配信ではなくリアルのやつ)。
この経緯についてもいつか詳しく触れたいとは思いますが、
今回は、その時のイベントのチケットの売れ行きがあまり良くなかったのを打開した方法 についてです。
細かい数字については曖昧な部分はありますのでご了承くださいませ🙏
イベント概要
イベント自体は、僕が立ち上げたとある美少女コンテンツ系のサイトオープン記念という名目でした。
時系列
チケット販売開始からイベント当日までの時間の短さがウケますね。
販売開始後に出演者を発表しているのも、その後段階的に発表しているのも、戦略でもなんでもありません。単にオファーしてスケジュール押さえてもらうことが出来た順に急いで発表していただけです😌
無理なお願いにもかかわらず引き受けてくれた3名には本当に感謝しております...🙏
チケットが売れない
イベントハウスのキャパは100人ぐらいなわけです。
多少テーブルの配置等でごまかせるとしても、少なくとも70枚ぐらいは売っておきたいところですよね...
ところが、
イベント開催1週間前の時点で売れていたチケットは
でした😨
全く売れてないわけではないのですが、1週間前でこれはちょっと焦ります。(未入金多いし)
↑実際のイベント担当者とのやりとりです。
「優待が10」というのは、数量限定10枚のプレミアムチケットみたいなものがあって、ブロマイドが貰えるとかチェキ撮れるとかの特典付きチケットだったと思います。
値段は正確に覚えていませんが、4~5000円ぐらいだったような記憶があります。
売れない理由を考える
スケジュールがきつい
本当はイベントに参加したいけど予定があって行けない、という人も居たと思います。
なんせ開催前2週間を切ってからチケット販売しているわけですし、
出演者の発表が完了したのは更にその4日後です。
これはメチャクチャな日程を組んだ僕とイベントハウス側の責任です。
出演者が本来のパフォーマンスを出来ない
アイドルやコスプレイヤーが「トークイベント」をするわけなので、やはり本来の彼女たちのパフォーマンスを求めるファンからすると敬遠されがちですよね。まして、MCが僕(ド素人)なわけです。
これは彼女たちに「集客力が無い」というのは完全に間違っていて、
むしろ逆に地合いが悪い中でこれだけ集客出来るのは本当に凄いと思いました。
人を呼ぶというのは想像以上に難しくて、例えばフォロワーが1万人居てもリアルな場に10人呼べるかというと、多分出来ない人もたくさん居ると思います。
僕も一応Twitterのフォロワーの数だけで言えば2,000人ちょっとは居ますが、正直1人も呼べる自信はありません。オカンに土下座して来てもらうぐらいですね...
ということで、土俵が違うところでも出来る限りの集客をしてくれた出演者の3名は本当に凄いと思うし頭が上がりません。今でもそれぞれバリバリ活躍されているので、やっぱり昔も今もファンに愛されているんだなあと感じます。
繰り返しになりますが本当に感謝です🙏
サイトがオープンしてないのに集客できないよね
まずこのイベントは「サイトのオープン記念」という建前なわけです。
しかし、時系列のところに戻って見てもらうとわかるのですが、
チケットを販売している期間はまだサイトがオープンしていません。
つまり、サイト自体のブランディングやファン獲得が一切出来ていない状態なのでした。よって、その部分での集客力はゼロです。
値下げを迫られる
残りのチケットを売る方法を考えなくてはいけません。
しかし、今回は売れない原因の解決は難しいと考えました。
スケジュールはもう仕方ないですし、イベント内容の変更は出演者への負担にもなります。
そこで、イベントハウスからも仲間内からも
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> チケットを値下げしましょう <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
と言われるわけです。皆さんはどう思いますか?
具体的には、1500円のチケットを1000円にしませんか?という提案でした。
これが今回のnoteの主題なのですが、
僕は値下げだけは断固として「無い」と思っていました。
値下げをするぐらいなら集客しなくていいとさえ思っていた気がします😌
1500円のチケットは高いのか?
1500円のチケットは高いのか?ということについて考えます。
今回のイベントのメインのターゲット層は、「おじさん」です。
小学生じゃありません。おじさん。
働いて収入を得ている一般的なおじさんにとって、1500円が1000円になったからといって「よし行こう!!」となるでしょうか。
勿論そうなる人も多少は居るのだとは思いますが、それだけで残りのチケットを全部売り切れる程の集客要因になるとは考えられませんでした。
それに対して、値下げをするデメリットのほうが大きいとさえ感じました。
値下げをした場合のデメリット
逆に値下げをすることでのデメリットは何でしょうか。
収益が減る
元々利益を出す目的はなかったので、収益の減少はどうでもよかったです。つまり大したデメリットだとは思いませんでした。
既に元の値段で買ってる人への補填が発生する
既に1500円で買っている人がたくさん居るのに、後から買った人が1000円だったらおかしいですよね?
なので、1500円で買った人に500円返金する必要があります。
このオペレーションは面倒ですし、何よりもその情報をネットで正確に周知するのは大変です。
集客が厳しい感が滲み出る
チケットを値下げするというのは、「売れてません」というアピールをすることです。
まず、出演者に申し訳無いです。
無茶を言って出演のお願いをしたのに、
「やっぱあなた達に1500円の価値なかったです!」と言うようで、心苦しさがあります。
次に、元の値段(1500円)でチケットを買ってくれた方々に申し訳ないです。
差額を返金するとしても、「自分は人気無いイベントにお金払っちゃったのかな...」なんて思ってほしくなかったんですよね。
単に「500円戻ってきてラッキーw」ぐらいに思ってくれるだけならこちらもラクなんですが、お客さんも大人ですから、「集客厳しいのかな...」と勘ぐられることでしょう。
せっかくお金と時間を使って楽しみに来てくれるのに、こちらの事情でその感情に水を指すようなことはしたくなかったです。
そして最後に、これからチケットを買う人にとってもマイナスの情報を与えてしまいます。
繰り返し言いますが、「値下げ=売れてないアピール」です。
人気が無さそうなイベントに行きたいと思わないですよね😌
じゃあどうすんのって話
ここまでで、
という結論に至りました。
さて、ここで改めて注目したのは、
という事実です。
これがゼロだったら流石に心折れていましたが、
幸い43枚も売れていたんですね。
そこで今回のお客さん候補を以下のように分類してみました。
さて、この中でターゲットにすべきはどこでしょうか。
④と⑤に関しては仕方ないので一切考えないことにします。
③については、予定が空き次第自分から買ってくれることでしょう。
また、予定が空いたあとで②になる可能性もあります。
ということで 考えるべきは ② 買おうかどうか漠然と悩んでいる人 一択になるわけです。
さらに②の中でも状態にグラデーションがあるはずで、
「買う」に傾いている人もいれば「買わない」に寄っている人もいるはずです。
今回は時間も限られていることから、
という都合の良いペルソナを設定し、これについて考えることにしました。
実際購入済の人が43人居るという事実から、その前段でギリギリ踏みとどまってる人もそこそこの数居るのではないかという仮説に基づいています。
さて、それではターゲットが決まったところで、次は施策ですが...
まさかの○○○
何でしょうか。
それはね、
値 上 げ 。
👶
値下げの打診をしてきたイベントハウスの担当者に、
「逆に2000円に値上げしたいんですけど〜」って言ったらびっくりされましたね...
「いやこういう状況で値上げっていうのは今までやったことないですし...チョットソレハ...」みたいな感じでしたが、無理を言ってお願いしました。
勿論、即座に値上げというわけではなく、
ということです。
結果としてはこれでチケットがそこそこ売れ、当日券も合わせて無事イベントは成功でした!
商品の価値を上げる
ポイントは2つです。
チケットの価値を上げた
値下げをしたくない理由は散々述べました。
逆に、価値(値段)を上げることで、先に買った人に不快感を与えることもないですし、次の期限の話と絡めて購入を促すことができました。
期限を設けた
本当は2000円の価値があるものが "今だけ" 1500円という見せ方になるわけですね。
明確に "今" 買う理由を作ってあげることで、漠然と悩んでいる人の背中を押すことが出来ました。
値下げの話のとき、
「ターゲットがおじさんだから500円の差はどうでもいい」と言いました。
しかしそれとは別で、人は「損をしたくない」という感情があります。
から
という意思決定にすり替えることで、1500円で買うというアクションにつなげることが出来ました。
おわり
相変わらず長いnoteになってしまいましたスミマセン。
実際最終的に何枚売れたかというのは記録に残っていなくて定かではないのですが、100には届かなかった模様です。
僕の施策で完全にソールドアウトしました!とか言えたら格好良かったのですが、そこは力及ばずでした(笑)
しかし、この時の小さな成功体験は7年ぐらい経った今も未だに僕がビジネスをする上での礎になっています。
イベントでもアプリ開発でも飲食店経営でも何でも同じように言えることだと思いますが、シンプルに
「お客さんがどう思うか?」
ということを徹底的に考えます。
その結果、今回の件においては値下げという選択肢は絶対にあり得なかったし、結果として値下げをせずに目標をある程度達成出来たのは本当に良かったと思います。
僕は人格者でもなんでもないし、どちらかといえばむしろクズの部類だと思うんですが、
「自分が作ったものでお客さんに喜んでほしい」と思っています。
これは綺麗事でもなんでもなくて、単にそうじゃないとビジネスとして続かないからです。
クオリティに対して不当に料金が高いとか、なんかイマイチ気持ちよくお金を払えないとか、そういった商売は最初は良くても絶対に長続きしません。
ぼったくり居酒屋に一回騙されて入ることはあっても、二回目行くことは絶対に無いのと同じです。
かといって過剰なサービスをすることも推奨しません。
気持ちよくお金を払ってもらうために過不足のないようにするのがお互いにとって一番です。
ということで今回はこの辺で!
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ちなみに値段と顧客心理を使ったテクニックについては行動経済学から学ぶことが出来ますが、その中でも漫画で取っつきやすいのでゆるふわ入門であればこちらの本がオススメです。
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