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日進月歩 ~Road to MBA~#126

2021/6/11:デザイン経営②
 金曜日は、公益財団法人日本デザイン振興会の寄付講座であり、新しい経営といわれている「デザイン経営」を職員でもあります秋元氏から学ばせていただいており、2回目の講義です(前講義#121)。
 本講義は、冒頭の秋元先生の講義とゲストスピーカーとして株式会社セイタロウデザインの山﨑清太郎氏をお招きいただき、講演をいただきました。

■デザイン経営に期待されていること

 デザイン経営は「デザインを基軸に経営を実践する」と定義されていたが、さらに深堀りして考えてみようと思う。デザインには構想・考案・計画という要素に加えて、意匠・造形・創造という要素も取り入れて考えることができる。ではなぜ経営の基軸に”デザイン”が必要なのか?

◉経営は相手が存在する(事業の対象者・従業員・ステークホルダーなど)
◉想定される相手との間で良質なコミュニケーションが成立されることが、経営には不可欠である

 相手との良質なコミュニケーション成立のためには、「界面(インターフェイス=接点)」の質が問われるため、そこを印象づける”デザイン”を経営の枢軸に位置付けることが必要となる。経営を相手とのコミュニケーションのプロセスと捉える中で、その質を高めるために”デザイン”を経営資源とし、その効果を適切にオペレーションできるように組むことが「デザイン経営」への期待として考えられている。

■株式会社セイタロウデザイン:山崎清太郎さん

 講演を聞いて感じたことは、(1)デザイン力とは何か、(2)ブランディングとは、(3)デザイン経営とは何かといった部分であり、講義内容に含めて事例についてまとめたいと思います。


(1)デザイン力とは何か
 様々な事例から”デザイン”を経営に組み込んでいる事例(デザイン広告、空間設計、プロダクト開発、イベント、官公庁など)をお聞きしたうえで、デザイン力を「2つの力」に分けてご説明をいただきました。また、デザイン力と経営の類似点を確認し、デザインをどう経営に取り込んでいくかなどを議論させていただいた。

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 デザインと経営の類似点は、概念化されていない、曖昧さの中から未来を描くといったことがあげられ、その曖昧さを可視化するために”デザイン”が有効となる。また、デザインを点ではなく「線」を意識して中期経営計画を考え、そこにデザインを並走させる構成が重要となっている。


(2)ブランディングとは何か
 ブランディングの目的としては、①経営者の思いやサービスなどのかたちが無いものを「言語化・可視化」、②顧客にメッセージとビジュアルを「行為として発信」、③他の企業と差別化されていることを「顧客に認識」させることである。効果については様々あるが別の講義で考えることとし、ブランドを構成している要素である3つについて考察し(企業ブランドを創り出す要素)、事例のスターバックスを基に紐解いていこうと思う。

❶MIND IDENTITY(価値観のアイデンティティ)
 経営理念やビジョン、行動指針やタグラインなどに包括され、伝達される内容です。企業が目指すべき理想的な在り方や、社会における存在価値などを体現するコミュニケーションの骨子となる価値観である。
❷BEHAVIOR IDENTITY(行動・行為のアイデンティティ)
 ブランドの価値を支える「らしさ」を指し示している。多様なステークホルダーに対し、統一された気配を与えることが出来るように設計される。
❸VISUAL IDENTITY(視覚的アイデンティティ)
 企業が伝えたいブランドイメージを効果的に表現することが求められ、ブランド構築における中心的役割を担っている。人の外部から受ける近くの80%は視覚から受けるものであり、潜在意識の中に企業やブランドのイメージを創りあげることになる。

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(3)デザイン経営とは何か
 人々がもつ潜在性に対して”デザイン”をどう活用していくか、デザイン思考をするにあたっての武器として3つの観点から学ぶことができた。

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➀本質思考:物事の本質は何か(概念の頂点は何かという問いから)
②人間思考:市場や技術ではなく人間から思考する(人間の本質は何か)
➂概念の山数:たくさんの概念や生き方、世界に触れるよう前向きに

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 まとめると、概念と概念の狭間に曖昧な中間領域を持っており、その中間領域の中にある潜在的概念のかけらを磨けば、新しい概念が顕在化される。その新たな概念にたどり着くための手法が「デザイン」となる。

平岩 宗(ひらいわ しゅう)
1986年12月14日生まれ(34歳)/愛知県出身
【サッカー】春日井JFC/FC.FERVOR/中京大中京高校/駒澤大学/横河武蔵野FC(JFL)/エリースFC東京(関東)/ラスタサッカーファミリー(埼玉)
※U-12日本代表候補/愛知県国体選抜(高校)/JFL108試合・天皇杯7試合(通算115試合1得点)
※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%B2%A9%E5%AE%97
【ビジネス】株式会社ビーコンインフォメーションテクノロジー/コムテック株式会社/株式会社ミスミグループ本社/独立行政法人日本スポーツ振興センター(西東京市スポーツ推進委員)
【学校】中京大学附属中京高等学校/駒澤大学経済学部/立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

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