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日進月歩 ~Road to MBA~#32

2020/10/24:企業財務基礎⑤
 前回に引き続き土曜日の1コマ目は、ファイナンスといえばこの人と呼ばれる下川先生による企業財務基礎の5回目です。本日は前週に引き続き、現代ポートフォリオ理論の「相関関係」における復習とCPAM理論について講義をいただきました。

 前半は、第4回(#27)の『現代ポートフォリオ理論』では「ローリスクハイリターンは夢ではない」ということを、リスクとリターンを可視化するということで最適な投資をする際の選択肢というお話をしましたが、その中でも「相互に反対の動きをする凹凸関係によって、リスクだけを減らすことができる」という相関関係について講義をいただきました。
 前提としては、投資をなるべく分散させることで「リスクだけを減らす」ことができるということではあるが、分散させるにも以下ルールがある。

 それが、「相関関係があるかないか」である。

例として、①マツダ社とブリヂストン社に分散投資をする、②NTT社とイオン社に分散投資をする、どちらも分散投資であるが・・・

 ①⇒分散投資をしているが、相関効果が無い(同じ動きをする)
 ②⇒分散投資をしており、相関効果もある(相反した動きをする)

という結果となり、②のみリスクが”0”となる最強のポートフォリオが存在する。重要なのは、相互に反対の動きをする(逆相関)株式に投資し、凹凸関係によってリスクが減らされるということである(お互いに同じ動きをしない株式に投資することが重要)。結論としては、

リターン:加重平均値にしかならない
リスク:リスクは軽減させることが可能(現代ポートフォリオ理論)

となり、相関効果を考えた分散投資をすることでリスクを最大限に軽減させるローリスクハイリターンを考えた投資が可能となる。


 後半は、「個別株式のリスクとリターンは決してマーケット・ポートフォリオには敵わない。」という前提がありつつも、個別株式はマーケット・ポートフォリオの一員でもあるという考え方もある。そこで個別銘柄の選択に着目して考えられたものが『CAPM理論』であり、個別株式のリスクを考えるために、株式市場全体の日経平均やTOPIXとの数値と比較することで可視化できるというものである。
例として、「500円の株式を買って550円で売った場合」に儲かったの?損したの?という確認を個別と市場全体を見比べることで確認してみましょう。

 個別の収益率=(550-500)÷500=10%  ⇒これは高い?低い?

では、市場全体平均が20%であった場合、5%であった場合にどうなるかをβ(ベータ)という係数で表すことで比較が可能となる。

β(ベータ)とは・・・
⇒株式市場全体の株価が1.0%変化した場合に、個別の株価が何%変化するかを表す係数(傾き) 【個別株式の収益率=TOPIX・β+α】

よって、β値の大きさによってリスクの大きさを測ることが可能となる。
β値が表す意味として・・・

β値=1.0の場合
  ⇒市場全体が1.0上がる(下がる)と、個別銘柄も1.0上がる(下がる)
β値=1.5の場合
  ⇒市場全体が1.0上がる(下がる)と、個別銘柄は1.5上がる(下がる)

となるため、市場全体に対する個別銘柄の感応度(Sensitivity)を表すことができる。
※計算はExcelの関数を利用して算出可能とのこと(どの数値を埋めたらいいのか・・・まずはやってみようと思う)


         立教大学大学院ビジネスデザイン研究科   平岩 宗

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