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日進月歩 ~Road to MBA~#52

2020/11/25:スタートアップ・ストラテジー2②
 水曜日はスタートアップ・ストラテジー2となり、引き続き数ある企業の経営者だけでなく、スポーツ(スキー)においても共通点が多い高柳先生の講義の2回目となります。本日は、株式会社BONXのCEO宮坂貴大氏をお招きし、ご講演をいただきました。
※株式会社BONX(https://bonx.co.jp/

 前半は、株式会社BONXとは?というお話を伺いながらも、設立された背景やこれまでの生い立ちのストーリーを聞いている中で、宮坂氏の実体験を基にしたきっかけや課題認識が大きいようにも感じました。きっかけは「スノーボードを雪山でやっていた時に、一緒に滑っている仲間とはぐれることがよくある、携帯が通じない」といった課題から、どうやったらコミュニケーションを円滑にし、スポーツを楽しめるかといった夢からであった。
 この「コミュニケーション」の課題をどうするか・・・世の中では新しいテクノロジーが数多く存在し、コミュニケーション技術も進化してきたにも関わらず、現場やチームではいまだに課題となっており、ビジョンを達成した後の世界は、「声でいつもつながる世界」というのを目標としている。事業開始当初は、OUTDOORスポーツにおけるコミュニケーションで楽しさを増やすことから始まり、次にFIELD WORKなどの仕事現場やチームで活用することで働き方をアップデートし、更に新型コロナウイルスの影響によるREMOTE WORKで新しいワークスタイルを作り出すことまで手掛けようと、どんどんスケールを大きくしている企業である。
 また、ビジネスモデルの特徴として、「HeSaaS(Hardware-enabled SaaS」という世界観をお聞きし、独自のハードウェアを基にサービスを提供し、サブスクリプション型で収益を得ていくモデルとなる。その他にもたくさん特徴がありましたが、抜粋して記載したいと思います。

✔ テクノロジーを生み出すのではなく、活用することで共存する
✔ スマートフォンを介さず「声」をベースに様々なサービスと連携させる
✔ 自分と関係のない外部会話が聞こえるように隙間を創り出す
✔ 声でチームをつなげ、声でチームを進化させる(市場も大きい)
✔ VOIPをフルスクラッチで開発することで、接続の安定性と高音質を実現
✔ 知財(特許)を活用したビジネスをうまく展開
✔ 各業界のリーダーがユーザーになっている(影響力と優位性)

 その中でも私が事前に色々と調べている中で、心打たれていたものがこの企業の「信念」となります。何事にも本気で取り組み、結果にこだわる上で、楽しむ遊び心!!ビジネスとスポーツは、改めて共感される部分が多いと感じており、自分自身の学びとなっております。

信念:好きなこと、夢中になれるものが人生を豊かにする。
※そこには仕事と遊びの区別は存在しない。両方とも本気でやる。結果にこだわる。そして、遊び心と感謝の気持ちを常に忘れない。それがBONXのスタイル。プロフェッショナリズムと遊び心を併せ持ったチームだからこそ、テクノロジーとカルチャーが融合したBONXという存在が生まれた。

 後半は、スタートアップに必要なことは?という観点で、①アイデア、②金、③仲間といった順で、起業する上で必要な要素をお話いただいた。

①アイデア
 そこには、「実体験」と「偶発的な出会い」があった。ある雪山で滑っていたらGoProの社員と出会い、一緒に滑っていたらはぐれてしまったという偶発的な出会いと実体験があった。それまでも何度かはぐれたり不便に思ってはいたが、起業を実行するまでには至っていなかった。この偶発的な出来事をきっかけとし、昔から考えていた”起業”を決意したとのことであった。この決意の背景には最も重要な、「なぜこれをするのか?」「なぜ今やるのか?」「なぜ自分がやるのか?」などのストーリーをしっかりと持ちあわせており、課題解決に向けた熱い想いが必要となることを改めて教えていただきました(What's your story?)。
※事例企業:株式会社FOVE(「視線追跡技術」の研究開発)
※事例企業:WHILL株式会社(「自由を手に入れる」新しい移動手段)

②金
 他の講義同様に、お金を調達する種類について以下の方法を教えていただいた。この企業は、起業するにあたって「国の助成金」を活用して、成功した事例となる。また、その後もシリーズA・B・C、クラウドファンディングにおける資金調達も数多くの実績を残している。

【調達方法】
  Friends and family、Angel、VC/Strategic Investor、Bank、Othersなど
  ※総額約3.1億円 シリーズCの資金調達完了のお知らせ
  ※『BONX mini』のクラウドファンディング:約8,000万円の支援

 また、受講生の中に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の方もいらっしゃり、株式会社BONXが界隈で有名であるという話や、Endeavorという世界最大の起業家支援コミュニティなども含めて、色々な組織があり、活用方法などについて教えていただきました(様々な認定を受けることで資金調達の面でも優位になってくる事例)。

③仲間
 曰く、最強のチーム像は「ワンピース」だと考えていると講話いただいた。ルフィには明確なビジョン「海賊王に俺はなる」というものがあったり、なるために信じて貫いて努力している、明るいなどのアントレプレナーの要素が多く含まれている。また、経営者はやり続けることと同時に、「自分より優秀な人材を連れてくること」がミッションであり、仲間を集めてチームとしていく過程で必要な部分を教えていただきました。ネットワークの重要さ、ニッチに特化していることで、一芸をもった変わり者が集まって、それが信念を基に、チームとなっている。「仕事を楽しむ」、人の原点を大切にしているからこそ、人が寄ってくるのではないだろうか。

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 まとめとして、宮坂氏は経営者の役割は「ストーリーを語ること」と「自分より優秀な人材を連れてきて引き継いでいく」ことだと語っている。更にネットワークを重んじ、自分の信念をどう表現していくか、また、将来をどう信じていくかといった部分について多くを教えていただいたと受け止めている。講義後に私も色々な可能性を考えるようになり、スポーツとの親和性や自分自身におけるライフスタイルなどにおいて思考を発散させている。個人的にも宮坂氏にコンタクトをとらせていただければと考えています。RBSの講義がきっかけとなりますが、何か新しいビジネスへの1歩を自分の中で見つけられたらと考えております。


        立教大学大学院ビジネスデザイン研究科   平岩 宗

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