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日進月歩 ~Road to MBA~#125

2021/6/9:ヒューマン・リソース・マネジメント2②
 水曜日は、山﨑先生という新しく着任された先生(キャリアデザインやヒューマンリソースの講義をご担当)の基で学ばせていただいており、9回目の講義となります(前講義#120)。本日は組織行動論の中でも「個人と組織の関係性」をテーマとし、論文を読んで発表してその内容に基づいてディスカッションをするという流れになっております。

■講義:EORの代表的なコンセプト

 組織における人間行動に関する理論として『組織行動論』があるが、その中でも「EOR(Employee-Organization Relationship)」の個人と組織の関わり合いに焦点を当てている。

➀組織コミットメント(Allen & Meyer,1990)
②心理的契約(Rousseau,1989)
➂組織同一化(Ashforth & Mael,1989)
➃個人-組織適合(O’Reily & Chatman,1991)
⑤I-deals(Rousseau,2005)

➀組織コミットメント
特定の組織に対して個々が感じる一体感の強さ、あるいは組織への関与の強さと定義される。3つの次元で、継続的コミットメント(組織を失うと認知されるコスト)、情緒的コミットメント(組織への感情的愛着)、規範的コミットメント(自己の義務や責任として居続ける「べき」)で考えられる。

②心理的契約
個人と他者との間の互恵的な交換について合意された項目や条件に関する個人の信念と定義される。従業員の知覚であり、その期待をお互いが守っている限りにおいては、両社の関係は良いものであり続ける。

➂組織同一化
組織との一体性や所属していることに対する認知と定義される。社会的アイデンティティ理論(複雑な社会環境を秩序化して理解)と自己カテゴリ化理論(ある集団の一員)を理論的な背景とし、組織的な先行要因と個人的な先行要因に分かれて組織に支持される。

➃個人-組織適合 (P-O fit)
組織の規範や価値観と個人が持つ価値観との調和と定義される。個人と組織の適合を考えるために様々な要因が考えられる。隣接領域には、組織社会化・採用・人的資源管理・資格過剰などがあるが、適合と成果への調整要因が絡み合っているように感じる。

⑤I-deals
個人が雇用者との間で交渉した、非標準的な誠実を持つ、自発的かつ個別的な合意と定義される。特定の個人が特別な働き方を許容されたことで利益を得る会社と、その利益の恩恵に預かる他のメンバーという3者にとって理想的な状態を意味する(「えこひいき」とは異なる)。
例:優秀な営業マンがいることで、営業部組織の評価が上がる


 組織行動論の研究に用いられる被説明変数は、外から見て確認できる「行動的成果」と本人の内面にある「態度的成果」に分けられる。隣接領域にもあった組織社会化においても講義をいただきながら、自社において発生している事例をグループディスカッションによって意見交換した。

・自部署の中で仕事が完結(組織同一化)
・組織文化で与えられた任務を遂行する(個人-組織適合 (P-O fit))
・帰属意識がない(組織同一化)
・責任を自組織に持ちたくない、上司を信用しない(心理的契約)
・結果を残さないと組織に居づらい(規範的コミットメント)


■研究論文:若年就業者の組織適応エージェントに関する実証研究(尾形真実哉,2012)

 本回は我々のグループが発表だったこともあり、ppt資料にて内容を31ページにまとめて学んだ。テーマとしては「社会問題として絶えない若年就業者の早期離職を抑制すること」であり、目的としては「若年就業者の組織への適応を促進するサポートにはどのようなものがあるのかを理解する」こととなる。私は、『概念を測定する操作方法と尺度を見つける』部分を担当させていただき、統制変数をホワイトカラーと若年看護師、独立変数を予期的社会化・人的サポート・職場要因、従属変数を組織コミットメント・組織社会化・離職意思として、以下のような関係性を明らかにした。

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 測定結果から分かったことは、予期的社会化は「組織参入前の予期的社会化が重要」ということ、人的サポートは「人的サポートは組織社会化に影響を与えない」ということ、職場要因は「高度な職種に携わる職場の方が、職場コミュニケーション風土が重要」ということであった。
 導かれた実務への貢献は、『若年就業者の組織適応を促進させるためには、コンテンツとタイミングの双方を意識しながらサポートを提供することが必要』ということであり、課題はサンプルの質に差異があることであるとチームでは考察した。実務とは多少違っているように感じる部分もありながら、リアリティショックに対する対応、新しい仕事紹介の在り方(YouTubeなど)を考えながら、これからの時代に合った変革を求められているのかもしれないとグループでは意見交換をして、学ばせていただきました。

平岩 宗(ひらいわ しゅう)
1986年12月14日生まれ(34歳)/愛知県出身
⚽チーム歴⚽
春日井JFC/FC.FERVOR/中京大中京高校/駒澤大学/横河武蔵野FC(JFL)/エリースFC東京(関東)/ラスタサッカーファミリー(埼玉)
⚽選抜歴・過去出場歴⚽
U-12日本代表候補/愛知県国体選抜(高校)/JFL108試合・天皇杯7試合(通算115試合1得点)
👜ビジネス👜
株式会社ビーコンインフォメーションテクノロジー/コムテック株式会社/株式会社ミスミグループ本社/独立行政法人日本スポーツ振興センター(西東京市スポーツ推進委員)
🏫学校🏫
春日井市立知多中学校/中京大学附属中京高等学校/駒澤大学経済学部/立教大学大学院ビジネスデザイン研究科



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