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日進月歩 ~Road to MBA~#54

2020/11/28:企業財務基礎⑧
 前回に引き続き土曜日は、ファイナンスといえばこの人と呼ばれる下川先生による企業財務基礎の8回目です。本日からは今まで投資家の視点ではなく、企業側の視点に立って資金調達について学んでいく。

 最近では、世の中がイノベーションという渦に巻き込まれて企業が「新規事業」を立ち上げようとしている傾向が見受けられる。良いアイデアもある、実行力もある・・・でも事業を行うためには”資金”が必要となる。本日は、事業を推進するために必要な資金をどう調達していくのか、種類および特性を中心に講義をいただきました。

 まずは、資金調達方法は”内部調達”と”外部調達”に分けることができる。更に、外部調達する方法を大きく2種類に分けると「負債調達(他人資本)」と「株式調達(株主資本)」に分けることもできる。

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 この2種類はどう違うのか。まずお金を出してくれるプレイヤーが、”債権者”と”株主”といった性格の違った2種類の投資家が存在している。また、それぞれを「返済の必要性」と「コストの多寡」、「特徴」という観点でまとめてみると次のようになる。

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 また、利害が一致する部分は「企業価値や将来のキャッシュフローを増やしてほしいという点」であり、キャッシュフローが重要な要素となる。しかしながら、企業の業績が悪化し債務超過になってしまう場合などがあると、たちまち利害は対立し、各々における企業への対応も変わってくる。このような2種類の投資家で債権者と株主がいる場合に、経営者としてどちらからお金を借りるのか。企業のファイナンスを考えていく上で、資本構成を考えた資金調達が必要となるため、きちんと理解する必要がある。

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 上記2種類の投資家は性格が全く違うため、深く理解をしていく必要がある。本日は、「株式調達(株主)」の理解から深めていった。以下は、株式調達の特徴と気を付けなければならない内容をまとめたものである。

 ✔ 資本市場のプレーヤーを理解
  -信託勘定名義、外国人名義など(実態の株主と表記が違う可能性)
 ✔ 持ち株比率に伴う「株主比率の権限」を把握する
  -2/3以上は支配権、1/2超は経営権、1/3超は拒否権を持つ
   ※1/2超を外部に握られると選任・解任・報酬が決められてしまう
 ✔ 新株発行の種類を理解
  -無償か有償か、払込金額はいくらか、誰が引き受けるのか増資

 最後に、本日は資金調達の種類とそれぞれの性格の違いを知ることを目的としている。経営者としてどういった方法で資金調達をしたらよいのか、資金調達をする上でのリスクも含めて今後も学んでいきたいと思う。


       立教大学大学院ビジネスデザイン研究科   平岩 宗

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