日進月歩 ~Road to MBA~#48
2020/11/20:ネゴシエーション①
秋学期2の金曜日はネゴシエーションという科目となり、引き続き企業の経営や起業の経験、組織論に携わっている安部先生の講義の1回目です。秋学期1のアントレプレナーシップとは内容が変わり、「交渉とは何か?」をメインに学びをしていく講義となります。
本日は、「交渉と何か?」という定義をすり合わせした上で、「交渉」を論理的に体系的に考え、組み立てていけるという気づきがありました。
交渉とは:
=「利害関係のあるものが、合意形成する為に行うコミュニケーション」
※参照「ハーバード流交渉術」(Getting To Yes)ロジャー・フィッシャー著
その中でケースを3つ(①ハイパーオレンジ争奪戦、②図書館の言い争い、③ホテルとベッド製造社の駆け引き)実践し、本番さながらの緊張感の基に理論を体感させていただきました。重要であると感じた要素を、「交渉の種類」と「交渉の戦略」の観点でまとめてみました。また、共通として最も重要だと考えた部分は、”相手の話を聞き、本当の目的や意図を把握すること”であると感じています。
A)交渉の種類:ソフト型、ハード型、原則立脚型交渉(WIN-WIN)型
交渉は、”相手との関係性の重要度合い”と、”この問題における解決すべき重要性”という視点によって考え、整理することができる。
(例)関係性を重要とし、問題解決としての重要性が低い場合
⇒関係性を考慮し、相手の主張を最大限聞き入れようとする
※種類は「ソフト型交渉」となり、交渉目的は「合意」を目指す
(例)関係性を重要とせず、問題解決としての重要性が高い場合
⇒関係性を考慮せず、自分自身の意見を通しきる
※種類は「ハード型交渉」となり、交渉目的は「勝利」を目指す
また、この2種類の交渉以外にも、「WIN-WIN」を目指すための種類も存在する。以下にその際の交渉におけるポイントとともにまとめてみた。WIN-WINにするための重要なポイントとして、”Ⅰ:人と問題を切り離す”、”Ⅱ:立場ではなく利害に焦点をあてる”、”Ⅲ:付加価値を創造する”、”Ⅳ:客観的基準を活用する”といったことがあげられる。
(例)今回のケースにおける「③ホテルとベッド製造社の駆け引き」の場合
⇒自分の主張を強くしつつも、相手の主張を受け入れる(相互関係)
※「原則立脚型交渉」となり、交渉目的は「合理的な結論」を目指す
B)交渉の戦略
交渉の戦略には様々な必要要素があると考えているが、本日はその中でも3つの要素であるBATNA、ZOPA、アンカリングという手法について教えていただいた。また、この要素をうまく活用することで、戦略的に優位に進めることが可能であることも認識でき、改めて意識して活用してみようと思う。
▶BATNAとZOPAの関係性
BATNA(Best Alternative To a Negotiated Agreement)とZOPA(Zone of Possible Agreement)の関係性を考えてみると、自分自身と相手にとっての「最高のゴール」と「最低限のゴール」を考え、この範囲であれば交渉が妥結する可能性がある範囲を考えていくことで、交渉をうまくいくように進めることが出来ると理解しています。
(例)ある企業から商品の購入交渉をする際、他の企業から購入できるか
⇒選択肢を多く持つことで、BATNAが広がり優位に進めることが可能
※BATNAをコントロールすることで、自分の選択肢を増やして優位にすること、質問によって相手の選択肢を減らしていくことによって、ZOPAの範囲を自社に優位なように変化させることが可能。(”BATNA”が交渉のパワーを生み出している:「BATNA」=「POWER」)
※GLOBIS知見録「交渉上手は頭の中にBATNAやZOPAなどの構造を描く(2017.07.15)」参照
また、アンカリングという手法も教えていただき、これは昔にIT営業をしていた時に無意識ではあるがやっていたなぁと感じた。市場価格や業界特性、その他他社事例ではあるが少なからず実践していた内容であった。
▶アンカリング
交渉をする際に、「最初の提示条件」によって相手の認識をコントロールできることを指す。活用方法としては、最初に相手をアンカリングして交渉を優位に進めることや、相手からの提案がアンカリングではないかと検討をする際に活用される。
(例)価格の交渉に際にも利用されるが・・・
⇒この製品は1,000円です、という最初の提示条件から”交渉”が始まる
上記のように、交渉の種類には3種類(ソフト型、ハード型、原則立脚型交渉WIN WIN)あり、それぞれ”相手との関係性の重要さ”や”交渉する目的”によって変わってくることを把握できた。更に”問題における解決すべき重要性”に合わせて、自身で「事前準備にかける時間量」と「質問事項などのチェックリスト(ヒアリング内容)」を調整し、優先順位に基づいた交渉を実践していく。講義内は限られた時間なので難しい部分はあるが、”交渉”といったものを理論的に学んで、実践に生かしていきたいと考えている。
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科 平岩 宗
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?