見出し画像

J1第29節 徳島ヴォルティス対川崎フロンターレ データプレビュー

ルヴァンカップ浦和戦の2試合とACLの蔚山戦を挟んで4試合ぶりとなるリーグ戦。ルヴァンカップもACLもスコアとしては同点だが、それぞれアウェーゴールとPK戦という形で負けてしまいかなりショッキングだった。個人的にこの3試合は福岡戦の敗戦よりもショックだった。試合後には正直この怪我人多数の中でどうやったら勝ち続けられるかわからなかった。しかし17日に投稿された練習動画を見ると旗手がボールを使ったメニューに参加しており、谷口と車屋も別メニューっぽいが復帰している。鬼木監督もおっしゃっていたが、ここ5試合がターニングポイント。その初戦徳島戦をデータで見ていく。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

画像1

今節の相手は昇格組の徳島ヴォルティス。6勝5分17敗と同じ昇格組の福岡とは対照的な成績になってしまっている。ポヤトス監督になってからなかなか勝ち点を伸ばせずにいる印象だ。1試合平均得点が0.7と得点力不足が明確な課題。チームで最もゴールを決めているのは宮代。ただ今節はフロンターレが相手なので出場できない。ホームでも得点力不足は変わらず得点は0.8。ただ失点は1.1とトータルの1.4よりは減少。その分ロースコアになるのかトータルで5分の内ホームでは4分している。そして直近5試合は絶不調の5連敗。得点も奪えておらず、失点も2.2とかなり多い。フロンターレとしては喜びたいが、徳島としては好調とは言えないフロンターレ相手にホームで勝ち点を得られれば雰囲気を変えられる。油断はできない。
フロンターレは変わらず好調とは言えず直近5試合で2勝2分1敗の得点が1.0で失点が0.4という成績。最近のプレビューでは毎回取り上げているが得点が取れていないものの守備がかなり安定している。ホーム浦和戦の後半の2失点は事故みたいなところもある。失点しなければ負けない理論でいくと、このまま続けていれば勝ち点を重ねて怪我人の復帰を待つことができる。
この両チームは計3試合しか戦っておらず全てフロンターレが勝利している。

2.チームスタイル分析

チームスタイル (28)

画像3

徳島はリカルドロドリゲス前監督からポヤトス現監督まで一貫して低い位置からボールを繋いでいくスタイルを徹底しており、ボール支配率はリーグ2位の57%。チームスタイル指標を見ると自陣ポゼッションが68という数字でリ-グ1位。これは徳島の低い位置から繋いでいくスタイルを表していることでもあるが、それ以上に自陣から敵陣へ効率良くボールを運んでいくことができていないことでもある。同じポゼッションスタイルのフロンターレは敵陣ポゼッションの指数が高い。しかし徳島はそれが57とそこまで高くないことからも敵陣でボールを握ることがあまりできていないことがわかる。また敵陣ポゼッションからのシュート率は1.4%とリーグワースト3位。敵陣でのポゼッションに課題があることがわかる。では何故敵陣ポゼッションが安定しないのか。これはあくまでも予想だが敵陣ポゼッションでのコンビネーション使用率が16.8%でリーグワーストの数字でポゼッションするには必要なコンビネーションができていないことが原因かもしれない。ちなみにフロンターレは33.8%で1位、マリノスは29.0%で5位の数字。
徳島は自らがボールを握る時間が長いためロングカウンターの指数は33とリーグ17位でシュート率は1.0%でこれも17位。ショートカウンターに関しても同じような数字。これはスタイルなので悪いことではないが、フロンターレとしてはカウンターを警戒する必要はないかもしれない。

3.攻守のスタッツ

画像4

徳島は得点力不足ということもあり攻撃のスタッツは低い順位が並んでいる。自分達がボールを持ち続けるので攻撃回数は少なくなり110.7回のリーグ17位。また、先述した通りボールを前進するのに問題があるので、チャンス構築率も低く8.6%の17位でシュートも9.5本で19位の数字。ボールをなかなか前進できないのでPA進入回数も8.1回で18位。シュート数が少なくても決定率が高ければ得点は増やすことができるが、徳島のシュート成功率は6.8%と低い数字のためゴールも0.6でリーグワーストとなっている。徳島としてはまずボールをもっと効率良く前進させたい。

画像5

徳島は被攻撃回数が111.9回とリーグ3位の少なさ。これは攻撃回数と同じ理由で常にボールを持っているので攻撃される回数が少ない。ただその少ない被攻撃回数だが被シュート数は11.5本で10位のため被チャンス構築率も10.3%という数字に。ただ被PA進入回数は9.4回のリーグ6位という好成績。被攻撃回数が少ないためそれにともなって被PA進入回数も少なくなっているのかもしれない。ただ被PA進入回数が少なくてもシュート数が多いため被ゴールも増え1.3という数字に。とは言え守備面のスタッツはほとんどがリーグ中位の数字で守備面に関しては問題があるように見えない。

ゴール&被ゴール期待値 (44)

ゴール&被ゴール期待値 (45)

徳島のゴール期待値0.888はリーグワースト2位の数字。シュート自体が少ないのでゴール期待値も低くなり、またゴール期待値を超える得点を決めれていないので得点が少なくなっている。被ゴール期待値はリーグ12位の1.252で実失点も1.3なので期待値通りのかんじ。

4.得失点のプレー割合

徳島ヴォルティス 得点割合

川崎フロンターレ 失点割合 (24)

徳島の得点とフロンターレの失点どちらも多くないので参考程度だが、徳島の得点プレーはセットプレー、クロス、ショートパス、こぼれ球がそれぞれ4点で最も多い。その中でフロンターレの失点で多いのはクロスから。今節のCBは誰が出るのか予想できず、連携面で問題がある組み合わせかもしれないので警戒したい。

川崎フロンターレ 得点割合 (23)

徳島ヴォルティス 失点割合

フロンターレの得意なプレーは明確にクロスとショートパスでそれぞれ15点と18点決めている。それに対して徳島はセットプレーから10点で全体の4分の1、ショートパスから9点を決められている。フロンターレとしてはスタイルでもあるショートパスで崩していきたいが、ルヴァンカップで2点決めたように今シーズンはあまり決れていないセットプレーでも得点できると楽に試合を進めることができる。

5.シュートエリア

シュートエリア (10)

徳島はPA内でのシュート数が5.2本でリーグ18位の数字。やはりPA進入回数が少ないためPA内でのシュート数も少なくなる。また、PA左でのシュートが右に比べて多い。チームスタイルでは右サイドの指数が33でリーグで最も低かった。左サイドは50と平均的だったためおそらく徳島は左サイドを中心に攻撃しフィニッシュまで持ってこようとする。これに対してフロンターレはどう守るのか注目だ。

6.まとめ

フロンターレは柏戦から数試合で内容も悪く結果も伴わないことが続いた。しかしルヴァンカップとACLは勝てなかったものの内容は徐々に良くなってきてるし、怪我人もあと数試合で戻ってくるだろう。これからはホーム等々力での試合も多くなる。あと数試合我慢していればまた元のフロンターレが見れるかもしれない。2つの大会を落としてしまったが日程的にも余裕ができる。残りの天皇杯とリーグ戦のタイトルを獲るためにも今節は重要な1戦だ。

7.データ引用元


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?