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イ・ドゥナ!(ネタバレ)

公開 2023年10月20日

監督 イ・ジョンヒ

出演 ヤン・セジョン
   ぺ・スジ
   ハヨン
   パク・セワン
   イ・ジヌク
   キム・ドワン
   コ・アソン


忙しい人のためのあらすじ(ネタバレ)

主人公ウォンジュンがシェアハウスに引っ越してきたら元アイドルのドゥナが住んでいた。お互いに過去の恋愛を引きずっていた二人だったが、次第に惹かれ合うようになり付き合うことに。しかし芸能界に未練のあるドゥナは復帰のためウォンジュンと距離をとらざるをえなくなる。時が経ちドゥナが日本で偶然ウォンジュンを見かける描写でエンド。視聴者に委ねるタイプの終わり方。ウザい。


忙しい人のための感想

・それなりに良かった
・全9話は短い
・ペ・スジが可愛い


登場人物

イ・ウォンジュン(ヤン・セジョン)
高校時代の恋愛を引きずり気味な激烈ピュアな一般大学生。シェアハウスに引っ越してきたら元アイドルが住んでた。Dream Sweetよりも普通にTWICEが好き。

イ・ドゥナ(ぺ・スジ)
人気アイドルグループDream Sweetの元センター。今は引退してシェアハウスに住む。アイドル時代のプロデューサーからの連絡を待ち続けている。

キム・ジンジュ(ハヨン)
ウォンジュンの高校時代の想い人。一浪してウォンジュンと同じ大学に入ってきた。

チェ・イラ(パク・セワン)
ウォンジュンの幼馴染。乙骨憂太でいうところの祈本里香。アクが強いそのキャラクターは特級呪霊といっても過言ではない(過言)。素行の悪さから寮を追い出され、ウォンジュンの住むシェアハウスにやってくる。

ク・ジョンフン(キム・ドワン)
ウォンジュンが越してきたシェアハウスに住む先輩。気難しい筋肉オタク。

ソ・ユンテク(キム・ミノ)
ウォンジュンが越してきたシェアハウスに住む先輩2。マスコット的キャラ。恋愛下手で交際が長く続かない。

パク・イヌク(イ・ジヌク)
「Pちゃん」こと、Dream Sweetのプロデューサー。Dream Sweetイ・ドゥナの育ての親。彼女をシェアハウスに入れた人。

役名なし(コ・アソン)
Dream Sweetのメンバー。ドゥナと確執のようなものがあったが、終盤で和解。元・漢江でキモい怪物に食べられそうになった人。


概要

シェアハウスに引っ越してきたピュアな大学生ウォンジュンは、玄関先でタバコを吸うハチャメチャに可愛い子と出会う。それは人気アイドルグループのイ・ドゥナだった。
たまたま友達にもらったファングッズのパーカーを着ていたせいでストーカーだと思われて警戒されていたウォンジュンだったが、玄関で倒れた彼女を介抱したり本物のストーカーを撃退したりして何だか仲良くなった。てかむしろドゥナの方がウォンジュンにつきまといだした。「おなかすいた。何か食べに行こう」がほとんどムン・ガンテとコ・ムニョン。最初は友達としての付き合いだった二人は、いつしか惹かれ合うようになっていく。
その一方で、二人にはそれぞれ想い人がいた。ウォンジュンには高校時代いい感じだったソウルメイトのキム・ジンジュ、ドゥナにはプロデューサーのパク・イヌク。

ジンジュとは高校時代に告白したら距離を置かれてフラれてから会っていなかったが、同じ大学に一浪して入ってきて再会。
実はジンジュもウォンジュンに想いを寄せていたものの、過剰なまでに異性交遊を律する毒親によって距離を置かざるをえなかったのだ。
偶然にも同じカフェで働くことになって急接近した二人は、またもやいい感じになる。


フォーチュン・クッキー

ウォンジュンとドゥナが中華料理屋でひいたおみくじ的なやつの内容は…
ウォンジュンが「敵に出くわす」、ドゥナは「去りゆく愛を新しい愛で忘れる時」。
「敵に出くわす」の敵とは、少年時代のウォンジュンを苦しめた猟奇的な彼女ことチェ・イラ。なんか中盤で突然出てきてまたウォンジュンを振り回すことになる。てか主人公とそういう仲のキャラクターは普通一人なのに。いちご100%方式。
「去りゆく愛」はPちゃんことパク・イヌクで、「新しい愛」は言わずもがなウォンジュンのこと。


ウォンジュンとジンジュ

キム・ジンジュ/ハヨン

相思相愛だったにも関わらず、ジンジュの父親の偏愛によってすれ違ってしまった高校時代の二人。再会し、あの時の本当の気持ちを伝えようとしていたジンジュと、傷つくのを恐れて二の足を踏むウォンジュンはまた違う形ですれ違っていく。さらにハチャメチャに可愛いアイドルとお近づきになりすっかりご執心となったウォンジュンは結局ジンジュを振ることになる。

ちなみに、ジンジュが供養してあげるといってウォンジュンから受け取った例のおみくじには、「去りゆく愛を新しい愛で忘れる時」と書いてあった。ドゥナがこっそりウォンジュンのズボンのポケットに忍ばせたものだ。

ジンジュからすれば、去りゆく愛は自分で、新しい愛がドゥナということになるし、さらにはこれをウォンジュンがひいたと思っているので、なんというか、うーん、複雑である。人生は運ゲーでありタイミングゲー。


ウォンジュンとチェ・イラ

チェ・イラ/パク・セワン

少年時代のウォンジュンにとって猟奇的な彼女だったチェ・イラ。彼女が転校して離別した二人だが、ウォンジュンが先輩たちに呼ばれて行った合コンで再会。まあでも特に関係が盛り上がるわけでもなかった。そもそも一方的で暴力的で悲劇的超えて残酷なだけの間柄である。案外いい子でもあるので外国人の彼氏に浮気されたことにわりとガチで落ち込んでいた。
最後はウォンジュンのルームメイトの筋肉オタクことジョンフンとくっついて同棲している。


イ・ドゥナとPちゃん

パク・イヌク/イ・ジヌク

序盤のドゥナはひたすらPちゃんという人物からの連絡を待ち続けている。誕生日に部屋に帰ったドゥナが、Pちゃんからのプレゼントがあることに気づいて血相変えて彼の姿を探したりもしている。中盤あたりでPがDream Sweetのマネージャー的な人で、少女時代のイ・ドゥナをスカウトした人物だということがわかり、案の定胸糞ながらドゥナの想い人でもあるということが明かされる。
しかし、当の本人はマジでただの芸能のプロ。実際にどうかは知らんが自分はドゥナに恋愛感情を持ち込むことはない一方、ドゥナの自分への恋愛感情は利用できることを知っている芸能サイコパス。


ウォンジュンとイ・ドゥナ

付き合うことになった二人に立ちはだかるアイドル復帰問題。芸能人と一般人の恋愛において切っても切れない「彼女の芸能界での成功を願うなら彼氏君は身を引いてくれ」という問題である。
やはり歌を諦め切れないドゥナは復帰を決意するが、それにはウォンジュンという存在がどうしても枷になる。パク・イヌクはドゥナから一切の連絡手段を断ち、ウォンジュンを諭し二人を別れさせようとする。
優しすぎる男だったウォンジュンは彼女のために別れ話を切り出すも、ドゥナは激怒。ドゥナは「恋も夢も諦めない」女だったのだ。

2つとも欲しかった
だから死ぬほど悩んだ
でもあんたはあっさり
私は耐えようとしたのに
あんたは逃げるだけ


愛は観測可能な力

時が流れ、久しぶりに一堂に会すことになったシェアハウスの面々。社会人になり一緒に住み始めたチェ・イラとジョンフン、何故か恋愛セミナーの講師になったソ・ユンテク、留学から帰ったジンジュ、そしてウォンジュン。場所はもちろんあのシェアハウス。イ・ドゥナの姿はない。
チェ・イラたちを送った後、コートを忘れたことに気づいたウォンジュンがシェアハウスに戻ると、そこにはドゥナが。あの頃のように煙草を吸って、まっピンクの服で。
見渡す限り金ピカの怪しいバーで「元気?」とか「髪切った?」とか「昨日何食べた?」とか当たり障りのない会話をして別れ、アホみたいに家賃の高そうな家に帰ったドゥナ。そして号泣。いやいや他に言うことあんだろ。のブチギレ。あまりの怒りにウォンジュンの部屋に乗り込んじゃって、今の私は歌手としてアホみたいに成功して周りにも恵まれて体調も最高、あんたなんて全然必要ない、謝れ!後悔してるって言え!愛してるわと言え!

あの時
あんたがいなかったら
私は今この世にいない
あの時の私は
死んでもいいと思ってた
自分が嫌いで
“明日”なんてどうでもよかった

「悪かった。後悔してる。ずっと後悔してた」と答えるウォンジュンの目には涙が。
「会いたかった」とドゥナ。
「僕も会いたかった」


ラストシーン

さらに時が流れ、一足遅れて社会人になったウォンジュン。
ドゥナは一躍スターになっていた。
日本。すれ違う人々を騒つかせながら歩くドゥナの後ろに、上司に同行する
ウォンジュンの姿が。
気配を感じたドゥナが振り向く。
気づかないウォンジュンは、「よし、今日も頑張るぞ!」みたいな雰囲気。

完。


感想

まず終わり方がウザい。
恋愛ドラマで観た側に解釈任せるエンド、マジで求めてない。
シャッターアイランドとかインセプションとかそういう不思議系のミステリならまだしも、恋愛系で「まだ続いてるのかな?」「もしかして別れちゃったのかな?」じゃないのよ。「盛り上がった恋でもいつか終わる時が来るという切なさを表現」じゃないのよ。
ただのハッピーエンドでいいんだよ!もー!




ただ、それをさっ引いても断然良い!!!!!!!





ぺ・スジが可愛すぎる。最初の方はそうでもなかったけど、デレの面があらわになるにつれて800倍可愛い。
喧嘩別れして数年後に再会して、たいした話もせず帰ってきて号泣するシーン超良い。そのあと日が暮れるまで同じ姿勢で放心状態なのも良いし、謝れって啖呵切ったあとの「会いたかった」っていう最上級のデレは最高。
この手のドラマで女側が諦めない姿勢なの新鮮だったので、それだけでかなり好き。

村上春樹が「スプートニクの恋人」という小説の中で、人生の大切な物事を炎に例えて「注意深く幸運な人はそれを大事に保ち、大きく育て、松明としてかざして生きていくことができる。でもひとたび失われてしまえば、その炎はもう永遠に取り戻せない」と表現したように、結ばれるはずだったウォンジュンとジンジュは、それぞれの炎を(ジンジュの家庭の事情があるにせよ)失ってしまった。
再会したとて、一度失った炎は永遠に取り戻せない。だってアイドルと偶然会って偶然仲良くなってるかもしれないんだもん。炎は大事に保ち、肌身離さずかざしてないとダメなんすよね…。切ないね…。
このジンジュ役の人も、主役張れるくらいに綺麗な人(っていうか「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」でウェディングドレスが脱げた人)なのに、どう見ても完璧に主人公に振られちゃう子しててマジですごい。

あと、一度ジンジュの件で後悔してんのに、ドゥナの時も同じ轍踏むウォンジュンの学ばなさというか、人間臭さというか、愛すべき愚かさがまたいいい。
いや、まあそれにしては、序盤のドゥナに対する所作がモテ男のそれでしかなかったけど。あと恋仲になるまでスピード感あり過ぎ。4話くらいまでダイジェストかと思った。


タイトルクレジット

なんか毎話のタイトルクレジットで、本編に出てこなかったりする意味深なカットみたいなのが入るんですけども。

1話 ドゥナ
2話 ウォンジュン(踏み切り)
3話 泣き顔のジンジュ
4話 したり顔のチェ・イラ
5話 ドゥナの手(煙草)
6話 ウォンジュンとドゥナ(踏み切り)
7話 ウォンジュンとドゥナ(踏み切り)(俯瞰)
7話 歩き出すウォンジュン
8話 ウォンジュンとドゥナ(コキアの草原)

こんな感じで。
で、調べたらこの踏切日本らしいです。三ノ輪橋駅。
あー。そういうことね。
最終話のコキアの草原も、山梨県の河口湖らしいです。あーもう。ニクイねえ。


仕事で日本に行くようになった二人→合間を縫って日本で待ち合わせ=二人の関係はまだ続いている

そういうことでいいかねェ、幻海……!!


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