京大ロー3年次前期ふりかえり

・京大ロー3年次の課程&司法試験在学中受験がいちおう終了しました。2年次とは比較にならないくらいハードな日々で、喫煙量と体重が増えました。

・先輩方の授業振り返りブログにすごく助けられたので、バトンを回すという意味で備忘録を残します。あくまでも一個人の私見ですので、話半分で読んでいただけると幸いです。

・2年次ふりかえりはこちらから、3年次後期ふりかえりはこちらからご覧ください。


3年次前期

・民事訴訟法総合2(YMD先生)

・民事訴訟法総合1と同様に、ロースクール民訴とケースブック民訴を用いて判決の効力、複雑訴訟等を進めていく授業でした。頑張ってついていけば、受験生みんなが苦手にしている分野にとても強くなれます。

・民事訴訟法総合(というよりケースブック民訴)は「判例・通説に至る先人たちの思考過程を追体験して理解を深めよう!」というコンセプトだったのではないかと思います。「この設問は判例・学説を基礎づけたいのか?シバきたいのか?」を意識すると、予習が少し楽になりました(二年次後期のうちに気づきたかったです)

・予習の際には最新重要判例250が大活躍してくれます(解説部分にケースブックの設問の答えが凝縮してあることが多い)。意味のわからない設問も重点講義に頼れば8割くらいはなんとかなりました。

・試験は幅広い分野から出題され、理解重視の問題でした。Mullerさんの民訴まとめノートと判例250を読み込んで特攻したらいい感じの点が来ました。授業の活かし方が分かった(はず)なのが点数にも現れたのかなといった印象です。

・公法総合(SGB先生・HRD先生)

・憲法と行政法をそれぞれ週一回ずつ、先生お手製のレジュメ・事例問題を用いて進める授業でした。憲法・行政法共に実践を強く意識した内容で非常に驚きました。

・憲法は、事例問題を起点として、メジャーな判例の理解を前提に近時の問題意識を多く扱う感じでした。憲法ガール〜SGB Edtion〜ともいえる内容で、かなり司法試験に直結していた印象です。
予習シートについて席順でソクる→事例問題の答案を作成したグループにツッコミを入れつつ講評を加えるという流れで授業は進みました。答案へのツッコミがめちゃくちゃ役に立ったので、答案構成にとどめず完全解答を作成しておくと幸せになれるかもです。

・行政法は国賠や損失補償といったマイナー分野+総合演習を扱いました。授業の進め方は行政法総合と同様です。説明のわかりやすさに加えて、司法試験で出てもおかしくない分野については特に手厚く解説してくださるので心強かったです。
予習は基本行政法では少し足りないかな…といった印象で、復習重視で進めていけばよいのではないかと思いました。

・試験は一つの事例の中で憲法・行政法の双方を扱う形式でした。まさかの行政不服審査法からの出題で大問一つ吹っ飛ばしたのですが、なんとか真ん中くらいの点を確保できました。出題は鬼でしたが、採点はやや甘めで助かりました。

・民法総合3(HSMT先生)

・民法総合事例演習の改訂版を解いていく授業でした(主に債権保全・担保分野)。「難易度エグすぎ問題に取り組むことによって、民法の考え方を身につけよう!あと要件事実にあまりこだわるな!」というコンセプトなのだと個人的には理解しました。

・ソクは授業ごとに島が指定され(クラスの半分が対象)、その中からランダムに指名されます。週に1回は当たるのでキツいですが、ソクの内容は基本事項や必読・参考判例の確認がほとんどなのでそこまで重くはないです。

・これまでの民法総合とは異なり、みんなが大嫌いで大好きな要件事実表は配布されず、講義の補足・学生の良い質問等をまとめたものが配布されます。「言われてみれば確かに」「私もそこが分からなかった!」「?????」という点が盛りだくさんなので、復習起案前後に読むととても勉強になりました。

・試験は授業で扱った問題の類題+αといった感じで、小問が多く処理能力が求められる形式でした。授業の初めに「設問の答えの丸暗記だけで解けるものは出さない(意訳)」と警告されましたが、そこまで授業内容からの大外しはなかったです。多くの論点で判例とは真逆の独自説を展開してしまい、ギリギリBを確保するのが精一杯でした。

・民事法文書作成(いろいろな先生)

・民事系科目の激ムズテスト演習でした。詳細な解説付きのペースメーカー兼ミニ模試といった感じです。

・2回不合格で口述試験・3回不合格で落単(=留年確定)という仕様がこわいですが、採点はかなり甘めなので論点全外しとかしない限り不合格起案にはならない印象です(論点半分吹っ飛ばしてもふつう評価がつきました)。

・内容はオーソドックスな問題なので、一週間くらい前から授業ノートを読み返せば対策としては十分ではないでしょうか。土曜日の朝早くに行われるので、出席要件でヘグらないように注意しましょう。

・経済刑法(MRKM先生・選択科目)

・主に刑法の財産犯・汚職の罪を中心に、特別法も適宜扱う授業でした。かなりゆったりめのペースなので負担もそこまで重くなく、在学中受験との関係でもかなりおすすめです。

・ソクはなく、事前配布された事例を下敷きに講義形式で進められます。要件の確認や判例・実務の解釈に重点が置かれているので、刑法の良い復習になりました。特別法の分野もMRKM先生の体験を織り交ぜて解説してくださりとても興味深かったです。

・試験は範囲・出題形式を指定してくださり、正誤問題・語句説明・事例問題x2が出題されました。私は「よし、良く書けたな」って思っていたのですがかなしい点数が来ました。なんででしょうね…。

・民事弁護実務演習(MRKM先生・選択科目)

・訴状や答弁書のような実務書類の作成を通じて、要件事実や手続について学ぶ授業でした。ミニエクスターンシップといった印象です。契約法・不法行為の良い復習になること、報告担当回含めて課題を5回提出すれば試験なしに単位が来るありがたさもあって、多くの人が取っていました。

・先生によって授業の進め方がかなり異なるらしいです。MRKM先生の場合、担当者に要件事実、法律構成等のソクを入れつつ、実務文書の形式面や手続の解説を行うという感じで進められました。先生お手製の参考起案も配布されます。先生の体験もたくさん話してくださるので、実務のイメージも湧きとても興味深かったです。

・書面の作成には、法律事務所のホームページや裁判所が公開している書面雛形がすごく役立ちました。担当回によって負担が大きく変わってくるので、この点にのみ気をつけたほうが良いと思います。

・経済法事例演習(SK先生・選択科目)

・大阪四大の弁護士の先生によるゼミ形式の授業でした。あてはめ部分にかなり解釈の余地のある事例問題を用いて、経済法の全分野をさらっていく感じで進められました。司法試験の翌週、司法試験と同一の分野が扱われたのはトラウマです。

・ローが用意してくれた自主ゼミといった感じで、優秀な同級生の答案を見て自分の答案の書き方を見直す機会にもなります。経済法選択者には特におすすめです。

おわりに

・3年次前期の内容としては以上となります。在学中受験との関係でかなりタイトなスケジュールでした。無茶しすぎ。

・5月までは基幹科目が週2回実施されることもあり、司法試験対策に割くことができる時間はそこまで多くなかったです。遅くとも2年次後期スタート時点くらいから全科目の過去問グルグルを進めておけばよかったと後悔しています。

・その他、聞きたいこと等あれば、コメント欄やTwitterのDM等で送っていただければ、対応できる範囲でお答えいたします。お互いに生き延びましょう!!


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