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【連載小説】マザーレスチルドレン 最終話 エピローグ【創作大賞2024漫画原作部門応募作】
◇ライトバン車内(ハルトの運転)
───マスターが目覚める
「マスター、気が付いた?」
「ああ、ハル。子供たちは大丈夫か?」
「大丈夫、レイコさんも子供たちもいるよ、子供たちは眠ってる」
「ハルが守ってくれたのか?」
「そうよ、ハルちゃん強いのよ、覚えてないの?」
レイコがいった。
「ああ、恥ずかしい事に最初の一撃で意識不明だ」
「ん、ハル、車運転できるのか? どこに向かってるんだ?」
「僕の職場だよ、施設でしばらくかくまって貰おうとおもう。店にはもう戻れないよ」
「そだな、この車ももう廃車だな、フロントガラスも割れちゃってるし」
「しかしよくあいつらに勝てたな」
「僕にもよくわからない」
「でもおかけで助かったよ。すべてハルのおかげだありがとう」
「最後は黒服隊がきたからみんな逃げっちゃったんだよ」
「そうか、もっと早くに来てほしかったな」
「これからどうするかな、店はおそらく長くは続かなかったらあきらめもつくけど」
「まあ、なんとかなるんじゃない?」
「そうだなこうして生きてるだけで十分だ」
「マスターもケガしてるし少し休んだ方がいいよ」
「うん、これからの事はゆっくり考えよう」
「しかし、やつら子供の臓器まだ狙ってるんだろうな」
「ゆるせないね。なんとかしたいけど」
「この事件にはいろいろ裏がありそうだしな」
「もう着くよ、センター長のモリタ先生にはさっき電話で事情話してるけど、協力してくれるって」
◇ハルトの職場に到着
「みなさん、大変な目にあわれましたね、ハルト君から大体の事情は聞いてます、おちつくまでここでゆっくりされるといいですよ、今後のことは明日ソーシャルワーカーに相談されるといい」
「なにからなにまですみません、モリタ先生。お世話になります」
「ご主人はかなりケガしてますね、治療が必要だ。このあと医務室で見てもらいましょう」
「ああ、ハルのほうがひどいケガしてるんじゃないか?」
「おい、ハル……」
「ハルちゃんソファーで眠っちゃってるよ」
「そうか疲れてるんだろうな。オレたちを安全な場所まで連れてきてくれて」
「それで安心して疲れがでたんでしょうね、あとで子供たちと一緒にベッドに運びましょう」
「それではいったん私は失礼します、今夜はひとまずゆっくりしててください」
「先生、すみませんありがとうございます」
「ハルちゃん、気絶してる時おかあさんの夢みたんだって。おかあさんがあなたは強い子だから子供たちを守りなさいって、そしたらすごく元気がでたんだって」
「そうか、はやくおふくろさんに会えるといいな」
「きっと会えるわよ……」
───ハルトの寝顔
(終わり)
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