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#技術書典 の売り上げ報告記事をまとめてみる

結構多くの技術書典参加サークルさんが売り上げを公表していて大変参考になるのでまとめてみる。


色々な技術のチュートリアル本

売上は122,000円。持ち込んだ新刊(80冊)は完売
当日販売した書籍は新刊である「Three.jsとTensorFlow.jsで作るモーションキャプチャ3Dゲーム」と既刊本2冊で、販売冊数は122冊。内訳は新刊88冊、既刊34冊というところでした。

このサークルの方々は個人的に知っているのだけど、本のラインナップが興味深くて、

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・毎回全然分野が違う
・普段の業務とは関係なく、おそらく「いずれこのへんを仕事にしよう」という意図すらない。
・「仕事とは関係なく興味のある技術」をかじりつつ本にしていると思われる
・題材と難易度設定的には幅広い層に売れそう・・・ちゃんと売れている
・「コピペするだけで楽しめる」というコンセプトは、一見さん(ふらっとブースに立ち寄った人)にも買いやすそう
・しっかり完売

というわけで「仕事と関係ないけど興味のある技術を勉強しつつ、そこで得た知見をマネタイズしたい」と思っている自分は大いに参考にしたいビジネスモデルだ。他の人もコピペだけで再現できるように仕立てるのは結構手間暇かかりそうに感じるのだけど、そのへんどうやってるのだろう。あと興味のある技術をかじって本にするってトータルで結構な時間投資しそうだけどそうなるとやっぱり仕事に今後関係しそうな技術に寄ってしまわないのかなとか。このへん本を読んだり中の人に聞いたりしてみよう。

実績ある著者によるマニアックな掘り下げ本=売れる

『AWSの薄い本 IAMのマニアックな話』という本を、1部1,500円で500部用意しました。また、既刊の商業誌を各5冊づつ用意して、1割引で販売していました。また最終的なサークルチェックの被チェック数は、395でした。

当日頒布数は451冊で、売上にして67万6千5百円です。またBOOTHでの電子書籍の販売も22日の正午過ぎに開始して、24日の朝6時の段階で114冊、17万1千円売れています。これに対して経費の方は、印刷代他で20万円弱なので大幅に黒字です。

初参加で500部刷ってしっかり450部売り上げててめっちゃスゲェと思ったサークルさん。AWSについて技術書を何冊も書かれている方で、その方が商業では出せないマニアックな話を徹底的に書く、というのは個人出版の企画として理想的な形ではないかと思う。

・執筆者として実績ある著者が、
・ターゲット層の広い分野で、
・商業出版社では出せないマニアックなテーマの本を書く。

→ 欲しい

書籍は1500円だが120ページもある。これが40ページとかじゃないところも圧倒的執筆力を感じる...

圧倒的な世界

紙の書籍は上下巻それぞれ1,000円。ダウンロード版は上下合本で1,500円。技術書典当日は、紙の上下巻にダウンロードカードをつけて2,000円のセットで販売

■ 売上原価
・冊子印刷代(400部×2) …… 228,000円
(中略)
・合計 …… 271,807円
■ 売上
・現金 …… 434,600円
・かんたん後払い …… 150,500円
・pixiv PAY …… 9,000円
・BOOTH(開催日翌日より8日間) …… 137,162円
・合計 …… 731,262円
■ 粗利益
459,455円

売り上げ73万円。すげぇ...

と思っていたがさらに同記事では圧倒的な数字の話が並ぶ。

↑の記事によると、もちこさんは技術書典5当日だけで2,000冊を軽く超える部数を頒布しており、それだけで概算で二百数十万円になるはず。

湊川あいさんも今回、新刊2タイトルを1,300部ずつ搬入したとの噂なので、おそらく同程度の売り上げと思われます。

今回、私と同じく初のサークル参加でかなりバズっていたのが gami さんの『完全 SIer 脱出マニュアル』。
↑の記事によると、当日は紙の書籍とダウンロード版を合わせて500部、さらにそれから BOOTH でも1週間で300部と合計800部を売り上げているそうです。

数字が違いすぎて一瞬どう参考にすればいいかわからないと思ったが、いずれのケースも(上のIAM本も同様だが)共通点は、「圧倒的良書」である点。いや実際に自分で中身を読んだわけじゃないのだが、「そのテーマについて勉強したいなら買って損はなさそう」的オーラを感じる。

自分の本はどれも値段に見合った価値はあると思うが、どれも圧倒的良書かというと正直その自信はない。(今のところMetal入門と実践ARKitだけはそう思える)

電子版が500冊売れてる既刊が100冊売れる

新刊が「エンジニアのためのプログラミング以外入門」で、既刊が「フリーランスを完全に理解できる本 エンジニアがフリーランスで働くための情報と知見」。どっちも売れそう。そしてiOSとか特定プラットフォームの技術書と違って、更新しなくても(しばらくは)価値が変わらない、という。

こういうエンジニア向けビジネス本/自己啓発本的な切り口の本もいつか書いてみたいものだ...

kaggleのチュートリアル本

4/22に開催された技術書典4において、紙の本300冊とその本のpdf版をnoteで400部売った
紙の本は1,000円から1,500円で販売、pdfは500円で販売していますのでだいたいの数字はわかると思います

売り上げ自体は今は有料のみの公開となっているが、部数的には↑らしい。

今回頒布したのは、Kaggleのチュートリアル第2版と、代表1人の小さな合同会社の作り方という本の2冊。
Kaggle本は、紙とpdfで合計280冊くらい売れて、合同会社本はpdfのみで90冊ほど売ることができました。
kaggle本はこれで、第1版と合わせて約1,200冊の累計販売実績

「機械学習」という圧倒的需要のある分野において、「機械学習をkaggleではじめるチュートリアル」というテーマ選定からして既に大成功感がある。

有料noteでも販売していて、いいねの数からいっても相当売り上げてそう。

第4版とのことで、継続的に更新している点は僕のARKit本やMetal本と同じなので、売り方の面で参考にするところは多そう。

また上に挙げた技術書典5の記事で、PDF版のみの販売についての記述もあり、紙版を出さないという選択肢は確かにあるなぁと。

合同会社本は、pdfのみだったので、どれくらい販売することができるか不安だったのですが、購入いただける方が多く、書くかどうか最後まで迷ったものの書いてよかったです。
おそらくエンジニアの方は、合同会社にするか個人事業主にするかという悩みを持っている方が多く、ちょうど「刺さる」内容だったのでしょう。

商業誌も売れる

『ねこでまなぶアドビ』(700円)...74冊
『ショートカットキー設定から始めるXDプラグイン作成入門』(300円)...40冊
『はじめるデザイン』(商業誌)...10冊<完売>

個人的にグッときたのが『(商業誌)』『完売』のところ。こういう感じ↓だったらしい。

意外だったのは『はじめるデザイン』が早々に完売したことです。見本を手にとってくださった方も多かったです。正直ディスプレイ的に持っていったので驚きました。非デザイナー職の方でデザインの作り方に興味を持っていた方が多く見てくださっていたようでした。

そういうこともあるのか...家に2冊ぐらいある「達人レシピ」本を今度持っていってみよう。(そういえばBLE本はあげてしまって自分で持ってないかも...)

『ねこでまなぶアドビ』は250部印刷しました。販売部数よりも売上部数のほうが少なくて、ヒエ〜と思っていますが、

デザイン本(ターゲット層が広い)で700円(安い)だとめっちゃ売れそうと思ったので意外。

アレクサの本

支出
技術書典参加費:¥7,000
印刷費:¥91,690
収入
技術書典:¥154,000
技術書典(後払い):¥52,000
BOOTH:¥7,712(手数料:3.6%)
利益
合計:¥115,022
1人あたり:¥28,755(著者3人、デザイナー1人)

100部完売。もっと刷っていればもっと売れたのではと思う。アレクサというテーマはキャッチーだし、この本は厚みもあっていかにも書いたくなる感じがあった。


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