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安心して失敗できる居場所づくり

レモンソルトに行くと、かなりの確率で痴呆症のおばあちゃんがいる。

特等席は入口側のはしっこ。湯婆婆みたいな小さくて可愛いおばあちゃん。だいたい机につっぷして寝ているか、ぼーっとしているかのどちらか。

「十分払うから〜」と過剰に払おうとする時もあったり、「およばれしてばかりですまんな〜」とお支払いをせずに帰ってしまうことも。

いつも差し入れを持ってきてくれて、時々ぬいぐるみの差し入れもある。しかし、ぬいぐるみの趣味は、当然お店の雰囲気にそぐわない(笑)しかも存在感がすごい(笑)

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おばあちゃん、いつもはご機嫌でかわいらしいのだけど、機嫌が悪いと椅子を蹴ったり、地団駄を踏んだり、看板犬のレモンにごはんを蹴り飛ばしたりと、まあまあ大変。お客さんの中には、お店のことを思って「追い返したら?」と言う人もいる。

それでも、店主のえーこさんはいつも笑顔でおばあちゃんを受け入れている。おばあちゃんだけじゃない。えーこさんは、誰でも同じように受け入れる。そんなえーこさんを慕って、お店は常連さんがたくさん。


一癖二癖ありそうな面白い人が、このお店にはたくさん集まっている。


“ここに居ていいんだ”と思える場所

そんなえーこさんが、立ち上げたコミュニティ「れもんの村」。

私も、ここの村長代理補佐として関わっているのだけれど、裏テーマは「安心して失敗できる居場所」だと思っている。

誰でも無料でECサイトが立ち上げれるこの時代…。
サイトを立ち上げたからと言って、商品がバカ売れする…なんてことは残念ながらまず、ない。

では、何をメリットとするのか。

村人同士でつながり、応援し合える強さ。意見を出し合い、商品をブラッシュアップしたり、情報発信の戦略を立てること。

失敗しても誰の責任でもない。なぜなら、ここには上下関係がないから。(なんせ、村長は犬のレモンくん笑)みんなで協力して乗り越えていける気楽さ・頼もしさがある。

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村人ミーティングは毎回カオス(笑)
村人には、ECサイトどころかスマホも持ってない人だっている。

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この世に、ネット使える人しかECサイト持ってはいけないなんて決まりはない。

想いに賛同してくれた人は、誰だって「れもんの村」に入ることができる。


ゆるし、ゆるされること。

今、オンラインに強い人とそうではない人の溝がめちゃくちゃ深くなっていて、まるで世界が分断されているように感じることがある。

私の仕事の大半が、その溝を埋めるためのものだったりするのだけれど。

オンラインの方の世界をのぞくと、
自分の時間を奪われることを理由に電話をかけてくる人を心の底から憎んでいる人もいるし、
ネットで調べずに聞いてくる人に対して「ググれカス!」みたいな言葉もある。

自分のルールに当てはまらない人はゆるさない。

そんな空気があると思う。
世界はもっと広いのに。

実際のところ、ググり方どころか、「Google」という言葉すら知らない人もこの世にはいる。
その分違う豊かさを知っていたりする。

実際問題、メールやDMという手段をつかわずに電話で話した方がシンプルなこともある。

障害をもち、コミュニケーションがとりづらい人だっている。

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レモンソルトにやってくる湯婆婆みたいなおばあちゃんのこと、えーこさんはなんで受け入れているんですか?

そう聞いてみたら

「私自身が、ゆるされてきたからじゃないかなー」

という答えが返ってきた。

ゆるされた経験があるから、人をゆるせる。れもんの村に集まってきている人の共通点はこれだと思う。私もその一人だ。

居ちゃいけない人なんて一人もいない。でも、居場所がない世の中だったりする。

れもんの村は安全地帯。
失敗する権利を堂々と使える場所。

そんなやさしい居場所をつくれたらいいな。

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