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恋!そのすてきな好奇心がBL小説を執筆させたッ!

表題の元ネタが分からない方はジョジョ一部を読んでください。

昔、同じ職場に好きな女の子がいた。
社会人になりたての頃だった。
私は頭のおかしい人(超絶褒め言葉。貶す意図など毛頭ない。)が男女問わず好きで、人目を気にせず例え周りに理解されずとも自分自身を盛大に表現できる人をとても尊敬している。

その女の子も私の尊敬する類の人で、職場であれ憚る事なく自分の思っている事、感じている事をそのまま表現出来る方だった。

私がその人を気になり始めた頃、なぜか同僚経由でその子からLINEを教えて欲しいという連絡が来た。

は?  好きになっちゃうだろ? ウブな男子に期待持たせんなよ。

理由を聞けばそんなに親しくもないのに周りの同僚に混じって私をイジった事を気にしていたという事らしい。

そこから色々と関わることが増えた。

聞けばその人も私と同族である所謂オタクというもので、アニメの話やら二次創作の話やらで色々と盛り上がっていた。
そして、彼女がBL好きということもその時に知った。

因みに、私はBLというか同性愛というものに全く抵抗がない。同性が恋愛対象という方もそりゃ当然いるだろうし、そもそも世界人口が70億人もいるのだ。一人一人色んな考え・趣味嗜好を持っているだろうし、それを否定する考え自体を持てるわけがない。

しかし、私自身がBLを嗜んでいる訳ではない。
そこは私個人として趣味の範囲外だし、能動的にそれに関連するコンテンツを漁るという行為は今までしてこなかった。

ある時その人と通話している時、
会話の流れの中でBL小説を執筆する事になった。

(本当に何で?)
当時の私はBLは愚か碌に書き物すら創作した事がない。
ただ自分が好意を寄せる人が書いて欲しいというのだ。
これは本当に、本当に邪な動機ではあるが、ここでオモロイもんを書いたらこの子と更にお近づきになれるんでは? という気持ちが先行してしまい、私はPCの前に鎮座しおもむろにテキストエディタを起動したのだ。

とりあえずビストロスマップの中居正広よろしく、彼女にオーダーを伺った。題材は何がいいのかと。

なんかさ、今までの文脈でいうと互いに知っている作品の〇〇と〇〇の絡みが欲しい! みたいなオーダーを想像するじゃん。
でも、違ったんだよね。



「同じ職場の上司である〇〇さんと××さんの絡みが欲しい!」

は????


耳を疑うよね。
何で記念すべきBL小説の処女作が生モノなんだよ。

でももう引き返せない所まで来ている。
一旦執筆すると宣言した以上、退路は既に断たれていたのだ。
意を決して私は彼女に喜んでもらうため、文節の一つ一つを丁寧に記す。

生々しい表現を濃厚に描き、且つ二人の関係性のエモさを損なわれないように。

そうして一人の人間の為のただ一つの作品がこの世に生まれた。
こうして書くと格好いいが、中身は身近な人を題材にした生モノBL小説だ。
テキストデータを送信し、息を呑んで相手からの感想を待つ。

そうして彼女の口から発せられた第一声は

「え? ランキング上位だった?」

クリエイターとしてこの上ない褒め言葉を頂いた。
BL作家冥利に尽きる。
もうこれが遺作でもいい。
そう思った瞬間だった。

こうして私は作家デビューを遂げた。
固定ファン一人を獲得して。

ただ、結果的にこの女の子には後に失恋する事になる。
この話については、明日更新予定の記事で話そうと思う。

私が思わせぶりな人間を信じなくなってしまった経緯を含めて。
(大変身勝手な話ではあるんだが)



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