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『インド夜想曲』を読んで

⚫︎どんな話?

本当にざっと説明すると、
主人公が失踪した友人を探しにインドへ旅に行く話です。主人公は、各章ごとに様々な人物と出会います。

全体的に、一つ一つの章が独立しているように感じ、主人公の記憶の断片を追体験(?)しているような感覚になりました。また、インドの観光地の方じゃない場所(?)の雰囲気を垣間見たような気持ちになりました。

⚫︎印象に残ったフレーズと真の旅の目的

「肉体のことです」僕がこたえた。
「鞄みたいなものではないでしょうか。われわれは自分で自分を運んでいるといった」

『インド夜想曲』(1993)アントニオ・ダブッキ 須賀敦子訳p.48 白水社

『人間のからだは、もしかすると、ただの見せかけかも知れない。それは、われわれの実質を隠し、われわれの光、あるいは影を厚く覆っている』

ヴィクトル・ユーゴ
『インド夜想曲』(1993)アントニオ・ダブッキ 須賀敦子訳p.110白水社(孫引き)

他の場面でも「身体=見せかけ」という部分があったり、第7章の占い師が主人公に話す場面では、「魂」の大切さについて話されています。
 なんとなくですが、彼の旅の目的は「自分探し」で、今まさに彼はアイデンティティを確立しようとしていると感じました。友人探しよりも、自分について考える部分が多かったような気がします。

今までの主人公は、所謂「見せかけの自分」であって、

関わる相手によって都合の良い性格 (仮面的なもの) を変えて、何となくやり過ごす

みたいな状態で、自分らしさがない状態だったのかな?と考えました。
でも、少しずつ話が進んでいくごとに、自分の中にある思い、つまり魂の部分を見つめることができてきたのではないかと感じました。

そう考えてみると、今の私自身も、自分らしさがある状態なのかというと、自信を持って「うん!」とは言えないなと感じました。
私も自分探しの旅に出てみるべきでしょうか…

⚫︎最後に

自分の中でなんとか解釈できそうな部分だけを取り上げてみましたが、他にも色々解釈できそう部分が沢山あります。
宗教に詳しい方だと、もっと深掘りできそうな気がします!(私はあまり知識がなくて…)

ここまで読んでいただきありがとうございました!
また何か感想などを投稿していけたらなと思っています☺️


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