暗闇に灯す小さな光
みなさんはこれまで心配や不安に駆られたり、自信を失ったりあるいは人生に希望が持てなくなった時に、どのようにして乗り越えてきましたか?
先日5月31日、女子テニスプレーヤーの大坂なおみさんが全仏オープンを棄権する意向を表明しました。試合後の記者会見を含む大会規則についてのコメントとともに明らかにしたのは、2018年の全米オープン以降うつの症状に悩まされていたということです。そして、しばらくコートを離れいくらかお休みをとるとのこと。
大坂なおみさん全仏棄権について、元陸上選手・為末大さんの日経電子版Think!に掲載されたコメントが印象的でした。
彼らのプレーしている姿からは想像しがたいのですが、アスリートもまた私たちと同じ心をもった一人の人間ですから、彼らにとっても精神的な静養と周囲のサポートがどれほど大切かということを考えさせられました。
ところで生きていくうえで誰にとっても必要な精神的サポートについては、元プロ・テニスプレーヤーの杉山愛さんのエピソードが、わたしたちに大切なこと教えてくれます。現役時代苦境に陥った時に、お母さんの言葉が支えになったというのです。
人間生きていれば一度や二度は精神的に参ってしまうことがあるものです。
そんな時に助けや支えになるのは、やはり信頼できる人とのつながりです。杉山愛さんがスランプに陥った時にお母さんが彼女にしたことは、彼女のことを本人以上に信頼するということでした。
人はなぜ自信を失ってしまうのでしょう?
それは些細なミスの積み重ねかもしれないし大きな失敗なのかもしれませんが、いずれにしても自分自身を信頼すること=将来に希望を見出すことができなくなってしまうからです。だとしたらその時に本当に必要なのは本人以上にその人のことを信頼してくれる人でしょう、しかも無条件に。
人は、自分のことを無条件に信頼してくれる人には、良いことばかりでなく悩みや弱みを打ち明けることができるものです。
強い自分も大切ですが弱い自分をもまた同じくらい大切にし、受け止めてくれる人がいることで、わたしたちは辛く苦しい時をなんとか乗り越えていくことができるのではないかと思います。
このように変化が激しく不安定な時代だからこそ、自分を信頼してくれる人を大切にしたいものです。そしてまた逆にこちらから信頼を寄せることは…たとえどんなに小さくても…暗闇の中にいる人の心に光を灯すことになるのでしょう。
能生の弁天岩
新潟県糸魚川市の能生海岸には大きな岩礁である弁天岩があります。この弁天岩は、フォッサマグナの海底火山の噴火によってできたものが、後に隆起し海上に出現したものだそうです。そのため弁天岩周辺の陸地や海底も約百万年前に溶岩などが海中で冷えて固まった岩石でできているとのこと。
朱色の欄干の曙橋を渡って島に至り、鳥居をくぐって石段を上ると、島の中ほどには航海の安全を祈る弁財天(市杵島姫命・いちきしまひめのみこと)を祀った厳島神社(いつくしまじんじゃ)があります。
そこからさらに石段を上ると再び鳥居が現れさらに岩場を登りきると頂上の祠にいたります。
頂上ではなぜか祠の隣に灯台が(2016年には恋する灯台に認定)…それにしてもこの弁天岩全体が海底から出現したというのですから、驚きです。
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