もっと多くの人にゲームの楽しみを
2年以上前にこんなことを書いて以来、すっかりご無沙汰してしまいました。
発信はサボっていましたが、一般的な形状のコントローラー(以降、「フツーのコントローラー」といいます。)が使いづらい人たちへの代替手段の提供を続けています。
その取り組みの一つのカタチとして、2020年11月4日にFlex Controller(フレックスコントローラー)というゲームコントローラーを発売しました。正確に言うと、開発元・発売元はホリコマンダーやホリパッドで有名な株式会社ホリさん。僕たちテクノツールは監修として協力させてもらい、販売とサポート窓口も引き受けています。
Flex Controllerを使うと、さまざまな外部補助スイッチやジョイスティック、視線入力センサーを用いてNintendo SwitchとPCゲームをプレイできるようになります。「フツーのコントローラー」が使えないから諦めるのではなく、自分なりの方法でゲームに参加できるのです。
発売から1年弱が経過し、日本だけでなくアメリカやカナダ、ヨーロッパ、オーストラリアでも使われています。例えばこれはオランダの子供がマリオカートを楽しんでいる様子。
Xbox Adaptive ControllerやFlex Controllerが生まれ、家庭や病院などでプレイするハードルが下がったことで、ゲームを楽しむ人たちがさらに増えていきます。多様なプレイヤーが参入して声を上げていくことで、ゲーム機やゲームコンテンツのアクセシビリティを高めたり、eスポーツへの参加を妨げる障害が解消されていくと期待しています。
テクノツールが取り組んでいること
僕たちテクノツールとしても、いくつかアクションを起こしていきます。
まずはFlex Controllerのアップデート。
ホリさんのご協力を得ながら本体の改善を行っていきます。また、テクノツール自身が開発、提供しているい視線入力でプレイするためのソフト、FCEA(Flex Controller拡張アプリ)は、既に数回のアップデートを行っています。
次に導入サポート。
どんなに機材が充実してきても、適切に使用できなければ意味がありません。日本ではもともと、コンピュータアクセスデバイスやAACデバイスの導入における役割分担が不透明でした。ゲームになるともっと不透明です。そんな状況を憂いても仕方がないので、手の届く範囲だけでもと、東京都内と神奈川県川崎市内を対象に導入サポート「BOOST」を始めています。
直接訪問できない地域の方や、どんなゲームができるのか、どんな遊びかたができるのか知りたい方々に向けて、「Flex Controllerを使ってゲームを楽しんでいる人たちから直接話を聞かせてもらおう」というオンラインイベントもはじめました。次回は10/15(金)にYouTubeで配信します。
最後に、ゲームそのもののアクセシビリティ向上。
日本が世界に誇るゲーム産業に携わる人たちに、アクセシビリティの強化に取り組んでほしい。多様なニーズを持つ人たちが、もっと手軽にゲームを楽しめるようになってほしい。そのために僕たちにもできることがあるのではないかと、プロジェクトやワークショップを提案しているところです。関心を持ってくださる方がいらっしゃいましたら、ご連絡をいただけると嬉しいです。
こんな感じで「フツーのコントローラー」が使えなくてもゲームが楽しめるように、引き続き活動していきます。