SPORTident機材をドイツから輸入した話

写真 2019-08-07 9 12 10

SIやフラッグやらの機材一式を今年の夏に色々調べて買いました(自費ではないのですが・・・)。各種イベントへの機材貸出だけでなく、主催イベントで使用、オペレーターつきでの出張計算センターなどをしています。流れとしてはSI社(ドイツ)のHPのフォームから英語で問い合わせたらメールが来て、たくさんやりとりして、なんだかんだで請求書をもらって振り込んだら、でかいダンボールで送られてきました。

SIシステムの実際の運用や使い方の詳しいことは大場さんのマニュアルが原点にして頂点です。本稿はこのマニュアルに書いていない、購入について紹介する記事です。個人や団体から、いくらするのか、どう買ったのか聞かれることが多々あったので、この記事読んでください。

昨今では計時にSIシステムを採用したオリエンテーリング大会が多くなり、その他にもロゲイニングやOMM系イベントでも使用されています。海外でもO-Ringenなどで使用できるので個人用MySIチップ購入や、クラブ・協会で機材をまるごと新規導入するなどの相談も受けています。導入するにもEMITと比較する情報が少ないので、参考になればと。

まずはSI社の定価(らしきもの)いまはおよそ1ユーロ120円ですね。
・普通のステーション=BSF8, SPORTident control station 84 EUR≒10,000円
・マスタ=BSF8-DT SI-Master, SPORTident control station 130 EUR
・読み取り=BSM8-USB "mini Reader", SPORTident main station 85 EUR
SIカード=SIAC, SPORTident Active Card 55 EUR≒6,600円
・連結棒=Coupling stick for BSF7/8 2 EUR
・サービスオフ=Service/OFF Card 7 EUR (Clear Backup Cardも同額)
・SI管理用ウレタンスポンジ=Transport Case Insert for 60 SI-Cards
for Transport Case S 9 EUR
・SIAC電池交換=SIAC: Battery exchange 10 EUR
・O-stand=Mounting Holder plate for BSF8 fixed on a fiberglass
stick 80 cm 15 EUR
・指バンド=elastic finger band 14 cm 0.5 EUR
・フラッグ=Control Flag "SPORTident" 30 x 30 cm 5.7 EUR
・走り抜けフィニッシュのやつ=BS11-Loop 6m (Antenna/Station/Transport Case) 500 EUR

たぶんEMIT機材と価格的には大差ないです。運用には連結棒やサービスオフが必須になるところは注意です。上記の定価には後述の割引や諸手数料がかかります。なんだかんだで上記金額の12~15%増しを日本円で払うことになると思います。2回目の輸入では、計算したところSIACが1個7450円となりました。
課税価格が1万円以下の場合(≒購入代金が10万円未満)の輸入品(酒や革製品を除く)が免税されるのを利用し、少量の機材だったらall4o.comで買う方が安い場合があります。送料無料だしクレカ使えるし圧倒的に楽です。

製品について、BSF8-DB blueは類似品にDB redとDT blueがあります。機能と値段は一緒で、DB redはスタートやフィニッシュに、DT blueはBattery Testに使用される傾向がありますが全部機能は一緒です。DT,DBはdisplay top/bottomの意味です。マスタやUSBは機能が違うのでそれぞれ1個はほしいところです。連結棒はただのフェライト棒なので国内で類似品が調達できるかもしれません。連結棒は早速1個が割れました。割れても貼ってつなげたら使えますが。連結棒やサービスオフはよく使うし小さくて無くしそうなので複数あったほうがいいかも。
SIAC本体色はyellow orange green blue black red があるようです、知らないだけで他にもあるのかもしれない。フラッグはSIのロゴ付きで、安かったもののいまどきはナイトOにも使えるSILVAの反射材付きフラッグのがよかったかも。指バンドはSIACを買えば同数は付属しているものの、なくしたりこわれたりしそうなので予備を多めに買っておいた。
商品は全てバルクでまとめてごちゃごちゃっと届くので、SIACの指ベルトは自分で付ける必要があったり、ステーションの設定やラベルシール作成が必要だったりします。
SI社も在庫をたくさん持っているわけではないらしいので注文受付完了から受け取りまで1-2ヶ月かかります。SI社による故障対応や初期不良保障はしてくれますが、返送料や送金手数料がたくさんかかり面倒です。SIACは1年の無償電池交換があり、普通に使っていても約4年で電池が切れる模様。従来のSIは電池搭載していないので半永久的に使用できます。ステーションも電池を積んでいますが、こちらは日本でも手に入る汎用の電池で修理ができるようです。ハンダ付けやコーキング等の技術と工具が必要ですがまあ自分でできそうな感じです。ステーションの液晶(0.9EUR)やスピーカーも故障しやすいもののようで、交換部品を安く取り寄せて自分で修理することができるみたいです。

写真 2019-08-16 2 04 57

物品の数量や色や配送先などをメールで伝えると請求書がもらえるので、間違いなければ記載の振込先に送金します。請求書は日本向け割引があって総額から5%割引されます。嬉しいですね。国際送金は手数料が避けられませんがTransferwiseが安いっぽいです。ググって出てきた最新の為替レート+1%くらいですみます。銀行の国際送金なんかだと手数料だけ見て安いなと思いきやレートがありえん悪いみたいなことがあります。招待コードを貼っておくのでよかったら使ってください。https://wise.com/invite/u/shoyab

送料もけっこーかかります。請求書に書いてあります。梱包次第なのか、初回サービスなのか、1回目は0だったのに2回目は250EURかかりました。よくわからん。2回目なんか高え。決済したら翌日には領収書的なPDF添付したメールが来て、2週間後くらいに発送連絡があり、その1週間後くらいで受け取れます。受取直前に日本の税関で税金が取られます。いまなら消費税10%!やべえ、高え。これが謎レートで思ったより若干高かった。ある日突然、成田のFedEXから電話がかかってきて、これは何に使うなんなんだとか聞かれてオリエンテーリングで使う計時機材云々と説明し、クレジットカード番号を伝えました。決済がその電話中に終わってその日のうちに届きました。受け取りからさらに1ヶ月くらい経った頃に輸入許可通知書という明細が郵便で届きます。

SIACのバッテリー交換は使えないやつをこちらから送って、メールで予めそれらのSI番号を伝えると無償修理対応できるか調べてくれます。バンドを取って封筒にギチギチに並べて詰めて郵便局に持っていくと2000円くらいで送れます。バッテリー搭載品は航空輸送できない規則がありますが、機械に組み込みのボタン電池は適用外なので大丈夫っぽいです。ドイツは小包に対応してなくて、割安な運賃が適用できませんでした。梱包には内容物を説明する文章を書式に書いて貼り付けます、もちろん英語。中古品だろうが故障だろうが内容物の価値総額を書く必要があって適当に1万円と書いたので向こうで税金の負担があったかもしれません。それで送料が高かったとか?わからんけど。

1回目の輸入では色々考えて買ったものの、ちょっと買い足したいものが出てきたので2回目の輸入を検討していたところ、国内のSI管理者さんたちにもそれぞれ欲しい物、修理したいものがあったため、私が希望を取りまとめて2回目は共同購入をしました。送料や送金手数料、そしてなにより各自で手続きする手間が省けるので年に1度くらいで取りまとめ購入ができればいいなと思っています。
あとここまで書いといてアレですが日本の輸入代理店ノルディックスポーツさんがSI機材も取り扱っていまして、輸入代行やっているようです。自分で英語でやりとりするのがめんどくさければ任せてしまうのはアリです。
宣伝になりますが、当方で取り扱っているSI機材の一覧はこちらで、貸し出し希望ありましたらこちらまで、よろしくお願いいたします。

以上、お読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?