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オリエンテーリング大会運営の仕事

2020年7月23日から26日に開催しました「しおやオリエンテーリング4days大会」の運営を通して、私のオリエンテーリング大会運営事業の簡単な紹介をします。普段の私の事業は、依頼されてオリエンテーリングやロゲイニング用に地図を作ったり、そうしたイベントの事前準備を手伝っています。100人程度が集まる単日の練習会主催や、全日本大会やインカレ等の日本最大規模イベントでも雇われて運営者をしていますが、4日間という大規模なイベントの企画立案から主催をしたのは初めてでした。


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以前からこのような複数日大会を主催したいとは考えていました。今回はコロナ禍で急遽できてしまった何もイベントのない4日間にオリエンテーリングを詰め込んで、みんなでめいっぱい楽しむことをコンセプトとしました。


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目指すはスウェーデンで毎年開かれる世界最大規模のオリエンテーリング大会のO-Ringenです。上の写真が私も参加した2019年O-Ringenの会場です。その本場に倣ってと、感染症にも強いキャンプでの宿泊を推奨しました。


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感染症対策をした上で人の少ない森でのキャンプやオリエンテーリングならばこのご時世でも楽しめるということの実践も目的の一つでした。


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フォレスト競技だけでなくスプリント種目も、さらにナイトOやトレイルOやMTBOなどあまり開催されない珍しいオリエンテーリング種目も取り入れました。私はあまり詳しくないので、それらの競技が得意な人をそれぞれ誘って運営しました。


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コンセプト実現のために、事前に申請すれば比較的簡単にオリエンテーリングに使用できるエリアであり、宿泊や会場も用意しやすい塩谷町休養村の周辺を選びました。大会に必須な地図作成や現地渉外は、本来なら1年以上も時間と大変な労力のかかる準備ですが、今回はありませんでした。日時や宿泊についても多くの参加者が集まりやすく楽しめるよう選定し、いくつかの施設と調整や相談を重ねます。
同時に各種の大会運営技能を持った運営者集めを行います。過去に一緒にイベントを運営した仲間を呼び集めて、今回限りの実行委員会を組織します。学生もいますが会社員がほとんどなので、負担にならないよう役割分担します。


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何度か現地へ行って下見を行い、地図とコースは幾度もの修正を経てから競技用の地図として印刷されます。自宅(兼事務所)ではオリエンテーリングに必須であるそれらの準備以外にも、参加者への広報や申込の案内、グッズ作成、エントリーや宿泊の取りまとめ、必要資材の手配、ゼッケンなど競技に使う配布物の作成を行います。約2ヶ月の準備と約10日間の集中的作業を行いました。ここまでの準備が大会運営の労力の9割で、イベントの質や楽しさを左右します。開催2日前には自宅から現地へ移動し、掲示物の作成や森の中へのコントロールの設置を行いました。


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開催日には参加者が来るより1時間ほど早く会場に移動して、配布物や掲示物、椅子や机やPCなどを準備します。競技に使用する設置物のうち、道路や人家の近くのものについてはこのとき準備に行きました。


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1-2日目の拠点となる公民館です。事前申込済の参加者は会場に来てから各自で競技に必要な配布物をピックアップしてもらうようにしました。運営者は参加者が来場し始めると当日申込参加者の対応、駐車場整理、物品販売で忙しくなります。競技を終えた参加者が拠点へ戻ってきてからは、成績を集計するために競技記録の読み取りを行います。


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スタート地区の様子です。今回は簡略化のためにフリースタートと呼ばれる、参加者の出走時刻を指定しない方式を採用しました。スタートユニットや地図などを用意し、役員が簡単な案内を行います。1-2日目は拠点とスタートの他にも競技途中の給水所に役員が待機し、水と紙コップの用意や要救護者が出たときの備えをしていました。


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運営者は私の他に少数精鋭の14人を集め、開催期間中は休養村のバンガローを借りて3泊4日の宿泊をしていました。この人数はこの規模の大会にしては極めて少人数であり、一人二役以上の活躍を求めました。4日間毎日競技があるので夜も作業が続きます。その日使ったものの撤収や整理、翌日使う資材の準備、成績の集計と公開、翌日以降に必要な各種の事務作業を行いました。


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3-4日目の大会会場です。最終日なので成績速報の発表や賞品の授与で盛り上がっています。1日あたり120人程度、4日間合計で500人を超える参加がありました。毎日20人以上がキャンプし、約40人がバンガローで泊まっていました。9種目のオリエンテーリングを開催し、のべ1000人くらいの出走がありました。
エントリー締切の少し前にはこの参加者数で採算がとれるのかビクビクしていましたが、無事に盛況に終わることができました。普段の雇われ運営者や地図作成委託や事前準備委託などの(比較的)定価がある仕事とは違う、ハイリスク・ハイリターンな業務ではありました。もっと上手に商売として大会主催をこなしていくには運営技能の向上だけでなく、業界を育てていく意識、リスク管理、マーケティング、人材マネジメントや人材育成あたりが重要になってくると認識しました。どんな仕事でも上手にやろうと思うならそうだと思いますが、今回強く感じました。


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グッズとして作成した地図ポスターが大好評でした。いまも販売していますのでどこかでお声掛けください。1枚3000円です。

こんな大会を企画したのは初めてで慣れないことや不手際も多くありましたが、参加者の皆さんも運営者の仲間にも楽しんでいただけたようでした。今後の課題は毎年継続した安定開催と、初心者や学生など幅広い集客、クラスやコースの多様化などです。そんなことよりもまず先にコロナが収束してほしいですけど。

運営者で動画作製班が組織されており、かっこいい大会ハイライト動画を制作してもらっています。運営者目線の記事だったので競技中の様子はぜひYouTubeでご覧ください。運営者にとっても楽しい運営でした。またやりたいです。運営&ご参加&ご協力いただいた皆様ありがとうございました。


記事中の写真は斎藤早生さんと、一部は運営者撮影。
大会HP:https://shoyabanno.com/events/2020shioya/

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