米国市場:12/25週の振返りと24年1/2週の予定
市場概況
先週のS&P500指数は、4,769.83と前週比+0.32%で終了しました。NASDAQは15,011.35と前週比+0.12%で終了しました。
2023年を締めくくった週でした。営業日は1日短縮され大きな動きはなく、静かに終わりましたが、週間では株式市場はプラスで終了しました。年内最終取引日は若干の下落にはなりましたが、年間では、S&P500指数は24.73%、NASDAQ指数は44.52%と大きく上昇して終了しました。一昨年の2022年は株式市場にとって厳しい年でしたが、23年は絶好調な年になりました。絶好調の翌年は同じような好調な年が続くことが統計的に多いです。24年の年末に振り返った時に、結果よければすべてよしという年になると思います。そのうえで、今年は大統領選挙の年でもあるためアノマリー的に上がることが多いです。特に今年は現職大統領が再選を目指していますので過去の経験則上は12.8%ぐらいの上昇は見込めるということになります。この数字を当てはめると昨年のS&P500の終値が4769.83でしたから24年の終値のターゲットとして5380を目指すことになると思います。
年末の長期休暇中に劇的なニュースはありませんでしたので、勢いは継続するかもしれませんが、考えていると10月の下旬の底値から9週連続で株式相場は延びてきています。過熱感はまだ感じませんが、このあたりで少し休憩があったほうがこのブル相場が長続きすると思います。
本日2日から年の最初の週が始まりますが、株価動向は重要です。1月の雰囲気を支配するだけでなく、1月~3月の動向や年間の雰囲気に影響を与えます。特に最初の3日が重要で、2、3、4日が今年は該当します。この3日をいい感じで乗り切れれば、1年を通じて相場の雰囲気もよくなると思います。昨年が好調だったから今年も好調とは限りませんので3日間は雰囲気をしっかりと観察していきたいです。
1月の初旬にISMや失業率のデータが出てきますので、このデータに大きな違和感がないと昨年よりソフトランディングのシナリオが現実味を帯びて来ていますがこのシナリオが継続することになると思います。米国の経済指標はこれまでのところよく、金利も今年は3回の利下げが見込まれており、市場環境はすごくいい状態です。CNN Fear&Greed IndexもExtra Greedに降れており、市場のムードとしては高揚している状態ですが、過熱感は感じません。見ている状況を整理すると、特に注意すべきところはないのですが1月もしっかり市場の状況を観察していきたいと思います。
S&P500の2024年コンセンサスEPSに対する株価収益倍率は、10月27日に市場が底を打った時点の16.8倍から、先週末には19.4倍に達していました。今週から25年の予想も加わってきますので、割高感は解消されてくるものと見ています。ただ、先々週にアクセンチュア(ACN)、ゼネラル・ミルズ(GIS)、ナイキ(NKE)が予想を下回るガイダンスを発表していました。S&P500の2024年のコンセンサス業績予想は、+11%以上の水準から引き下がる可能性も出てきています。先週末ではFactSetのレポートが出てませんので、詳細は今後確認していくことになります。
いる。
AI銘柄がちょっとずつ相場になってきています。ただ、まだAIの導入による効果、ビジネスモデルというものがはっきりとしておらず、今年はこの効果の輪郭が見えてくる年になるかもしれません。仮に、AIが労働生産性に高く寄与することがわかってくると関連銘柄が大きく動く年なのかもしれません。まだ、結果は出てませんので、ニュースフローには気をつけておきたいです。
株式
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来週の主な決算発表(予定)
1/1(月):
<寄付き前>-
<引け後>-
1/2(火):
<寄付き前>-
<引け後>-
1/3(水):
<寄付き前>-
<引け後>-
1/4(木):
<寄付き前>Conagra (CAG), Lamb Weston (LW), RPM Inc. (RPM), Walgreens Boots Alliance (WBA)
<引け後>-
1/5(金):
<寄付き前>Constellation Brands (STZ), Greenbrier (GBX)
米国の主な経済指標
1/1(月):
1/2(火):製造業PMI
1/3(水):ISM製造業景気指数,JOLTS求人件数,FOMC議事録
1/4(木):ADP雇用者数,新規失業保険申請件数
1/5(金):失業率,ISM非製造業景気指数,耐久財受注
今週の着目点
2024年の幕開けとなる今週は、取引日としては短いです。ただ、先週とことなり、企業の決算発表も少しずつ始まり、2023年第4四半期のGDP予想を形成するいくつかの重要な経済データも発表されます。また、市場が24年のFRBに期待することが少し変わる可能性もあります。CMEのFedWatchツールでは、2023年の利下げは6回から7回と予想されていますが、今後、いろいろな経済指標が発表されてくることでこの予想も変わってくるものと思います。一つのツールとして、水曜日の12月FRB議事録で、2024年の利下げがどの程度積極的に議論されたのか、あるいはされなかったのかが分かるとおもいます。
上述しましたように、1月最初の3日間は1年の相場の雰囲気を形成するためにも特に重要な基幹です。この3日間がいい感じで進んでくれることを祈りながら観察したいです。
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