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米国市場:12/18週の振返りと12/25週の予定

市場概況

 先週のS&P500指数は、4,754.63と前週比+0.75%で終了しました。NASDAQは14,992.97と前週比+1.21%で終了しました。
 先週の株価は、続伸しました。これで、10月23日週から数えると8週連続で続伸しています。先週は週半ばに大きく下落する場面がありましたが、やや過熱した状況を背景にしたものであり、終盤に値を取り戻しているため大きな影響はないと思います。先週の終値はS&P500指数の終値は4754.63と2021年12月27日週につけた終値4766.18にせまる状況になっています。このまま1月も勢いを継続してほしいのですが、月が変わると雰囲気も変わりますので、2024年1月の最初の3日は特に動きに注目していきたいです。
 先週、個人所得とPCE価格指数が発表されています。11月個人消費支出物価指数は、インフレ圧力が弱まりつつあることを示すもので従来のシナリオを確認できました。11月の個人所得とPCE価格指数を比較すると、実質賃金の上昇が続いていることが確認できます。このデータは、ソフトランディングとFRBの利下げという、市場を牽引してきたシナリオを裏付けるものでした。来週は特に指数の発表がないことから、例年通りサンタクロースラリーの出現が有力視されており、1年最後の5営業日と翌年の最初の2営業日にまたがる期間が株式市場に取って有利な期間となり上昇するとは思います。過去7年間もこの期間に上昇しており、22日からその期間になります。ただ、これまで8週連続で続伸してくるなどお祭りモードはすでに始まっており、どこまで上昇されるかは疑問が残ります。ただ、株式を細かく見てくると、上昇銘柄のすそ野が広がっているようにも確認されており、少しは期待してみてたいです。
 また、先週は住宅に関連する指標が多く出ています。20日に米抵当銀行境界(MBA)が発表した30年物固定住宅金利は6.83%と、ピーク時の7.9%から下落してきています。まだ高い水準ではありますが、金利低下によって、潜在的な客足は上向いているようです。それを示すかのように住宅着工件数も1,56万件と予想を大きく上回る結果となっていました。また、中古住宅は380万件と低水準の結果が続いています。住宅所有者が、家を売ることに消極的で、低い住宅ローン金利を手放したくないというロックイン効果が続いていることを示唆しています。このため、住宅建設株は大きく値を上げてきましたが、効果が確認されたことで、これ以上の上昇は厳しいかもしれません。
 先週は、アクセンチュア(ACN)、フェデックス(FDX)、ゼネラル・ミルズ(GIS)、ナイキ(NKE)などが決算発表をしていました。その中で弱気なガイダンスを発表したことが気がかりです。今週はFactSetがレポートを出していませんので、詳細はわかりませんが、この状況を加味すると、23年4Qの決算シーズンの結果として、これまで予想されてきた2024年のEPS成長率が11%という予想が下方修正される可能性があります。
 一つ気になる点として、紅海での輸送をめぐる懸念が高まっていることがあります。これまで、原油価格は順調に下げてきていますが紅海地域の不安定化によって、原油価格の上昇、輸送コストの急騰につながり短期的なインフレを引き起こす可能性もあります。この地域の情勢がどのように変化してくるかは引続きウォッチしていきたいです。

来週の主な決算発表(予定)

なし

米国の主な経済指標

12/25(月):
12/26(火):S&Pケースシラー住宅価格(20都市)
12/27(水):
12/28(木):新規失業保険申請件数
12/29(金):

今週の着目点

 今週は経済指標の発表もなく、決算の発表も予定されていません。この1週間が低調なものになるかを示していると思います。市場は開いていますが、トレードする人は減るため大きな動きは少ないです。ただ、年末にはネガティブな情報がよく出されるのでその発表や警告はしっかりと確認しておく必要があると思います。
 この時間を利用し、来年のシナリオについて考えてみたいと思います。


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