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著書「私らしい言葉で話す」執筆秘話

本日2023年4月11日、著書第二段の「私らしい言葉で話す」(5/2発売)がAmazonにて予約開始された。


2022年1月に、前著「感性のある人が習慣にしていること」は
瞬く間に、10刷40,000部にいたることになった。
私がコロナ過に奮闘した文字との戦いが、
このような形で、様々な人の自己への探求や発見に繋がることが、
嬉しく有り難い一年だった。
お手に取っていただいた方々、本当にありがとうございます!!
そして、この二作目。今回もドラマチックな一年だった。
すこしnoteにまとめておく。

前著「感性のある人が習慣にしていること」

「私らしい言葉で話す」の執筆秘話

2022年の6月頃から、
私は実は次作である「私らしい言葉で話す」の執筆を進めていた。
最初に、編集者さんとお話ししたのは2022年5月。
今回は、CCCメディアハウスの敏腕編集者、田中さんだ。今回は女性編集者さんで、文芸よりの編集をされている方でもある。

私は「自分の言葉をもつ」ことについて
断続的に考えており、それが今回のテーマになった。
その頃、考えてたことをnoteにも書いていた。

自分のことばを持つ人との対話が心地よいのは、
そのことばの奥に、虚栄心や嫉妬、恐れなどが隠されていないからだ。
そういう対話は、たいした話をしていなくても、
その時に感じたさわやかな風を思い出すだけで、ぐっとこみ上げるものがある。
その人の、心の奥深く、迂闊に進入できない部分に、
そっと触れられただけで、出会った価値はあったのかもしれない、と思う。

note記事より

言葉は人が生まれて最初にもつ表現手段だ。

母乳の要求の為に使われていた言葉が、
そのうち、相互のコミュニケーション、
そして自己理解の為に使うようになってくる。


自分の言葉を持つということは、語彙を覚えるだけのことではない。
自分の言い回し、自分らしいフレーズを持つことだ。
それは、自分の経験に丁寧に向かい合い、味わい、解釈し、会得し、
体の隅々にしみわたった経験を、
言葉にしていくことで、だんだんと解像度が上がっていく。

家族や仲間とは、同じ言い回しや造語ができていくことだと思う。
つまり、言葉のイメージをシェアしていけることは、
「他者と共生していく」ということでもあるのだ。

1作目の感性を養う習慣の本ともつながり、
次に読んでいただきたい本になりそう。
「これなら書ける!」と思い、有り難く編集企画会議にも通り、書かせていただくことになった。

執筆が決まると、急に始まるあの感じ。
あの肩の上に何かが「どしん」と載った重さは、脱稿するまでずっと続く。
一年に何冊も書ける人がうらやましいくらい、私は遅筆である。
(お仕事した人には、書くのが早いとは言われているのだが)

論理的な話の進め方、平易な言葉を使うこと、などを念頭に、既につくっていた目次の、すでに頭で出来上がっている項目から書き進める。
私は、自身のブランド運営や、陶芸家として日々制作や他の事業にも追われており、平日の日中ずっと執筆に使えるわけではない。
そこで、店の休みの日や、土曜などに、書きすすめることとなった。

人によっては、カフェなど騒がしい場所や音楽の流れているところでは、
読書や執筆ができないと言う人もいる。
私は逆で、すこし人の声や気配があるところの方が書きやすい。
私にとって、頭の中のインナートークの方がむしろ邪魔なので、外の方が気楽ということもあるのかもしれない。
前と同じ、場所は最寄りのスターバックス。

毎回空いていれば同じ席を取る。コーヒーのベンティを頼み、居座る。

アイスコーヒーがホットコーヒーになり、
窓の外から見える風景がいつしか秋になった。
落ち葉の積もった並木道に、ところどころ、光が差す。美しい。
つい、見とれてしまう。

カバーデザインのこと


人に届く言葉とは。
人に届く構成とは。
まずは頭の中に浮かんでいるワードを、しぼりだしていく作業。まだまだ自分を心地よくするだけの言葉しか吐いていないんだなあと実感する。

2022年12月、なんとか全項目を書き上げ、編集者さんとエージェントと打ち合わせ。ここまでくると、ずいぶん心に余裕がでてくる。
2023年のお正月は、心身を休めることにし、あえて一週間原稿に目を通さずにすごした。
そのお陰で、すこし新鮮な気持ちで、最後の推敲へ向かい合うことが出来た。

その後2月ごろから、再校ゲラの修正と、カバーデザインの調整に入った。
今回は、TYPEFACEさんというデザイン事務所にお願いすることとなった。
装幀は、渡邊民人さん、本文デザインは、谷関笑子さん。
そして、装画は、中村眞弥子さんの絵画を使わせていただくこととなった。

このカバーデザインのやりとりも非常に楽しかった。
私はグラフィックデザイナーの経験があるので、
グラフィックの良し悪しはわかる方である。
でも、本のデザインについてはどう考えても、編集者の田中さんと、エージェントの渡辺さんがよくご存知だ。
そして依頼しているデザイナーさんには、たくさんの引き出しをお持ちだし
最終のアウトプットは信頼してお任せしたい。

そんな中で、各人の力を最大限に生かす「対話」を重ねる。
これも「言葉の力」。
そんな中で、このカバーデザインに決まった。
中村眞弥子さんの「冬いちご」(個人蔵)という題名の絵画と
装幀テキストがすっきり、でも強く目に飛び込んでくる。
ベッドサイドに飾っておきたいような、ほれぼれするカバーになった。
関わっていただいたみなさまに心から感謝します。

言葉の力とは

目に見えない言葉の力や、本来の用途。
「言葉よりも行動を見なさい」といわれた経験がある人も
いるかもしれない。だけれども、言葉も行動の一つ。

私は、言葉のむこうの風を見なさい。のほうが、正しい気がしている。
言葉とは、考えをただの記号にしたものではない。
「言語の裏には、いつも風が吹いている」

その言葉をはくその人の裏には、
どんな風が吹いているだろう。

その風は、さわやかなのか、湿気を帯びたものなのか。
はたまた火を瞬時に消すような、そんな突風なのか。

思いやりだろうか。恥と恐れだろうか。
それとも、侮蔑だろうか。愛だろうか。

そして、読んでいただいた方の心に、
心地よく、優しく、軽やかな風が吹く。
今回は自己の探求だけではない。
その先の。
自分の口からでた言葉が、あなたを開放し、一歩前に進める力になるような本であるといいなと願っている。

言葉を用いて、感性を生かす仕事をしている方や、
依頼をうまく伝える力を身につけたい方、
さらには、自分に自信のない方や、ネガティブな感情に流されがちな方。
そして、豊かな人生を歩んでいきたい方に、ぜひ手にとって欲しい。


最後まで念入りに伴走し、たくさんの言葉への奥深さを教えてくださ ったCCCメディアハウス書籍編集部の田中里枝さん、言葉についての内省を根気よく伴走いただいた作家エージエントの渡辺智也さん。
本当にありがとうございました。






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