The Citi exhibition Manga

大英博物館。
世界でもっとも有名かつ素晴らしい博物館の1つ。そう言われている。
博物館大好きな私としては、行きたい気持ちはある。きっと素晴らしいんだろうな、とわかっている。
ただ、判官びいきで大英帝国を嫌悪している私は、『でもその素晴らしい展示品たち、他国からかっさらってきたやつでしょ?』そんな意地の悪い考えが頭に響いていた。
そんなわけで、行きたいけど行きたくない大英博物館に、マンガ展をきっかけに行ってみよう!と思ったのです。
私の大好きなマンガは、異国の地でどんな風に展示されているのだろうか。期待と興奮、少しの不安を抱えて、6月25日、私は大英博物館を訪れた。


結果として。
よかった~~~~~~~~!
めちゃくちゃよかった!!!!!
マンガへの愛があふれてた。かつ、知的興奮も満たされる、素晴らしい展示でした!
日本での開催を考えていないようだけど、した方が良いと思う!また見たいし、今度は日本での反応をみたい。
大英博物館はさすがは世界的な博物館だけあって、海外のお客さんも多く、修学旅行生のような団体もたくさん来館していた。常設展は無料だけど、企画展であるマンガ展は有料で、しかも日本円で2600円くらいでお高め。にもかかわらずたくさんの旅行者、現地の人が観に来てくれていた。もちろん、ちらほら日本語も聞こえてきて、日本人の関心の高さもうかがえた。
観覧者は多種多様な人がいたとはいえ、一番感動したのは、おじいちゃんおばあちゃんも少なからずいたということ。
日本で開催しても、果たして60歳以上の方が2500円以上も出して観に行くような展覧会になるだろうか?この点だけでも、大英博物館というビッグネームがマンガを題材にした展覧会をしたことには、大きな意味があったんだと感じた。

もちろん、大英博物館はビッグネームなだけではない。名実ともにレベルの高さを感じる展示空間だった。
鳥獣戯画っていう動物の擬人化や表現方法が日本には昔からあって、それってマンガの技法と一緒じゃんってショックを受けた、って語るマンガの神様・手塚治先生から展示が始まる。もうすでに胸アツ。
展示の最初の方に、こうの史代さんの「ギガタウン」をもとにしたマンガの表現方法などの説明があって、それがまたポップで良い!こうのさんのこの作品がマンガ展のキーとなってると感じた。だから展示の案内人みたいなキャラクターがこうのさんの描くウサギだったんだ。

他にも、マンガってなんなの?という疑問に答えるように、始まりから現代までのマンガを原画など実物展示。しかも大物ばっかり。そしてその原画がまた、その作品をよく表してる1ページなんだ…。さすが、マンガを愛する同志。わかってる。
また、マンガ家が絵を描いているシーンだけでなく、編集室の定点カメラ映像を流して編集者に焦点をあててみたり、マンガで有名な書店を再現したり、マンガができる過程を伝えるような展示だったのが博物館ならではで良かった。
これをみるために、わざわざロンドンまで来たんだよ、私。この空間で体感したかったんだよ。

もっといろいろ思ったことや感じたことはあったけど、まとめるとこんな感じです。
空間の力、というものは必ずあるので、実際に行った人にしか感じれないことはある。言葉でも、それこそマンガでも伝えられないものがある。それこそが実際に行く意味なんだ、という持論。
逆に、実際に行ったり体験するよりも文章やマンガでの方が伝わることもある。素晴らしい創作とはそういったもののことだと思う。

なんにしろ、マンガってやっぱり最高。
そう感じさせてくれる展示を作った学芸員さんと、関わった全ての人に敬意と愛を。
最高でした。ありがとうございました。

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