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全粒粉パンマンの株 72 PBR改善命令が出たよ

東京証券取引所は2023年春にも、株価が1株あたり純資産の何倍に当たるかを示すPBR(株価純資産倍率)が低い企業に対し、改善策などの開示拡充を求める方針だ。株主から集めた資金を有効活用できていない上場企業が多いとして投資家から問題視されている。株主総会でも反対票が増える可能性があり、企業は資本効率の改善が急務となる。

日本経済新聞 2023年1月26日

東証株価指数(TOPIX500)の構成銘柄のうち43%にあたる216社は、PBR1倍未満だという。

米国(S&P500)は15社(3%)、欧州(STOXX600)は107社(18%)だから、日本市場の低迷ぶりは際立っている。

株をちょっとかじった素人は、PBR1倍以下は割安で、1倍を超えたら割高なのだと、にわか仕込みの知識をひけらかす。

私のことです。

そうして買った株がなかなか上がってくれない。実は低PBR株の多くは割安なのではなくて、人気がないから買われないのだ。1倍以下で放置されているのである。

ダイヤモンドの原石は簡単には見つからない。PBRの数字でそれがわかれば苦労はしない。PBR1倍以下の銘柄のほとんどは、低迷するだけの理由があるのだ。

PBR=PER×ROE

この公式を思い出してみよう。PBRの数値を上げようと思ったら、ROE(自己資本利益率)を高めなければならない。つまり経営効率を改善することで、PBRも改善されるのだ。

PBRが1倍割れしているということは、株主が投資した資産を有効活用できないで怠けている、ということである。物言う株主(アクティビスト)の低PBR企業に対する改善要求が相次いでいるらしいが、当然だろう。

投資家が、PBRを改善せよと要求するのは、つまり収益力(ROE)を高めよと迫っているのだ。

ROEを高めるには、自己資産を圧縮するとよい。即効性があるのは自社株買いだ。

私が保有する十六フィナンシャルグループは、PBRが0.27、ROEが4.38%、PERが6.31倍である。よくこれで無事でいられるなあという成績である。

先週発表した第3四半期決算では、通期の経常利益を昨対でマイナス4.3%としていた。「直近に公表されている業績見通しから変更無し」と付け加えて。

変更無しではいけませんよ。上方修正しなくては。みんな期待していたのですよ。結局、昨日の終値は68円安の2952円。前日比-2.25%でしたね。

自社株買い急いでください。と、十六銀行の窓口に申し入れしようと思って調べてみたら、ちゃんとやってました。去年2月と11月の2回もやってた。あわせて92万株、22億円で取得している。

知らんかった。窓口行かんでよかった。あんまり関心がなかったけど、自社株買い、覚えましたよ。

銀行は自己資本比率を上げるのに四苦八苦しているイメージがあるから、自社株買いは難しいのかな、と思って調べてみたらそんなことはなかった。結構みんなやっている。

そもそも銀行は増配や自社株買いなど株主還元に積極的なのだ。知らんかった。

ところで、ROEが改善されたらEPSも改善される。その結果、PERは低下する。PERが低下する反面、PBRは改善されるのだ。たぶん追っかけPERも上昇するのだろう。ややこしい話だ。

ようするに企業業績が好転するから、株が買われて、PERもPBRも上昇するのである。

十六FGさん、今年度3回目の自社株買い、早よ。