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スペシャルウィークの謎を解く

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

今回はラジオで恒例行事として行われているスペシャルウィークについて、解説していきます。

 スペシャルウィーク、パワーウィーク、サンクスウィーク等各局によって呼び方は異なりますが、関東圏は基本的に偶数月に、北海道、中京圏、関西圏、福岡県は6月と12月に開催されています。内容としては、番組プレゼントの増量、普段は出演しないような著名人の出演などがあり、最近では普段の番組編成を止めてまで、特番を組むラジオ局もあります。

 では、なぜここまでサービスをしてくれるのでしょうか?急に今週はスペシャルウィークですと言われても、怪しみますよね? 実は、スペシャルウィークが行われる週というのは、聴取率調査の期間にあたり、どの局を聴いていたかを調べられるという言わばテスト期間にあたる週なのです。聴取率はテレビの視聴率のように機器を取り付けてデータを取ることが困難であり、ネット上でどのラジオ局を聴いたかを調査対象者に聞く方式を採用しています(ちょっと前までは調査用紙が配布され、そこに記入する方式だったようです)。その為、その時のゲストやプレゼントの内容によって、聴取率が左右されることがあるのです。だから、各局とも特別な内容で放送するというわけです(下記の画像はある年のスペシャルウィークにおけるニッポン放送オールナイトニッポンの編成です)。

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 ところが、そのような流れに一石を投じる動きが見られました。東京のTBSラジオは2018年12月より「スペシャルウィーク」の呼称の使用や特別な編成を取りやめると発表しました。その背景として、radikoの使用によってリアルタイムでリスナーの数が分かるようになったことを挙げていますが、番組制作費の削減も影響しているとみられます。TBSラジオは直近の聴取率調査(2021年6月期)において、約20年続いた関東地区での聴取率No.1の座をJ-WAVEに明け渡すことになりましたが、社内での動揺は少なかったと編成担当者は語っています。https://news.yahoo.co.jp/articles/b54dc97ae73013967f7cbf5b48892243ba2c2806

 民放ではこのような動きがありますが、NHKラジオはどのようになっているのでしょうか。NHKでも独自に視聴率(NHKではラジオの聴取率のことも「視聴率」と呼んでいます)の調査を行っており、この結果はNHK放送文化研究所ホームページで公表されています。

 最後に私の見解を。個人的にはスペシャルウィークというのは早く終わってほしいと思っています。というのも、ラジオは習慣と言われていて、この時間にあのコーナーがあってというのが決まっているものなのです。下手をするとその身についている生活リズムを崩しかねないというのがあって、通常通りの放送を望んでいます。
 それ以外にも、下駄をはいた状態で本当にラジオの現状が把握できるのかという思いもあります。少しでもよく見せたいという思いは当然のものなのですが、ありのままの状態でどのようなものなのかを知りたいというのもあります。その点で、TBSラジオの動きは業界を騒然とさせました。今のところ、追随する動きは見られませんが、今後どのような状況になるか分かりません。注視していきたいと思います。

というわけで、今回はこの辺でおしまいとさせていただきます。最後までお読みいただき、ありがとうございます!

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