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【書評】グロービズMBAマーケティング/グロービズ経営大学院 ダイヤモンド社

マーケティングの役割は、市場の変化を敏感に捉え、顧客ニーズや顧客満足を中心に「買ってもらえる仕組み」を組織内に構築すること。
この一冊でマーケティング理論を体系的に学ぶことができる。

私が読んだのは改訂4版。
取り上げられている事例も比較的新しいため、わかりやすい。

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まず根底として、企業が継続的に成長していくには、収益をもたらす顧客の創造と維持が不可欠。
また近年、デジタル環境の進化によってマーケティング戦略の立案方法は顧客中心主義へと変わっている。
よって、顧客視点でマーケティング方法を見直し、長期的な関係を築いていくことが重要。
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さらに、社内的には「目標設定の根拠を明確にしておくこと」「マーケティング戦略と人事戦略を連動させること」が重要。

目標の根拠が曖昧な場合、非現実的な目標となってしまいことが多い。
その場合、がむしゃらに働いても達成されず、徒労感から士気低下を招く。

マーケティングと人事が連動していない場合は現場で混乱が起こる。
例を挙げると、目標を利益重視に置いても、個人や部門の業績を売り上げで評価している現場。
このとき、現場は何を指標にすればよいのか分からなくなってしまう。
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最後に環境の変化に対応することがとても大切で、成功した後も敏感に変化を捉えることが必要。
それは、その製品や市場の状況で適切なマーケティング戦略が異なるからである。
常に内部・外部の環境分析を怠ってはならない。
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私が一番重要だと感じたのは「ブランド戦略」。
強いブランドの構築は企業にとって不可避で、長期的かつ戦略的な活動が求められる。
そのため、ブランドマネジメントがマーケティングの成否を決定付けると言っても過言ではない。
ブランドというとBtoCと思われがちであるが、BtoB商材であっても、企業名がブランド化していればブランド力を利用できる。
むしろ、企業顧客の方がブランド思考が強い場合もある。
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マーケティングについて大切なことが全て書かれているという印象。
マーケティング担当者だけでなく、営業の方にも読んでいただきたい。


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