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自分の人生を後回しにしていた経営者は、共感しないコーチングにより"誰かのため"というフィルターを外すことができた

Shovell - シャベル - のnote運営チームです。

Shovell -シャベル-とは、サービス体験について調査し、インタビュー形式の記事を作成するサービスです。サービスを受けたことで起きた変化をインタビューで深堀りし、忖度のない記事を作成します。

今回インタビューしたクライアントにサービスを提供しているエキスパートは、対話を通じて人の成長を促す「コーチング」を提供しているプロコーチの袴田さんです。袴田さんのコーチングがどのようなものなのか、それにより自身の認知と行動がどのように変化したのかをクライアントの山口さんにインタビューしました。


インタビュー要約

コーチングを依頼したきっかけ

自身の会社のコンサルを任せていたので、事業の解像度もあり個人の相談もスムーズにできると思った

サービスの特徴

傾聴や共感のカウンセリング形式ではなく「自分は何がしたいのか」から始まり「誰かのため」というフィルターを外してくれた

自身に起きた変化

自分が持っていなかった視点を得られたので、自分自身がやることとやらないことの線引きができるようになった


クライアントインタビュー

事業理解度の温度差のないコーチが、まさに今の自分にピッタリだった

──簡単な自己紹介をお願いします。

山口:ワイズ株式会社の経営者をしている山口です。弊社は在宅医療をメインにした、保険調剤薬局を運営しております。業務内容は、主に高齢者や医療的ケア児の方たちを対象に、薬の効果と副作用の有無をチェックしています。また、それに伴って主治医の先生や 訪問看護師の方と連携して、患者さんの療養支援なども行っております。この会社は大学時代の友人と一緒に立ち上げて、現在8年目になります。

──起業から、色々な紆余曲折を乗り越えられての8年目だと思うのですが、そこで今コーチングを受けられている途中なのですね?

山口:はい。現在6ヶ月契約の3ヶ月目になります。

──袴田さんのコーチングを受けるに至った流れを教えていただけますか?

山口:弊社では経営コンサルを入れて、事業運営のアドバイスをしていただいているのですが、その関係で袴田(はかまた)さんにコンサルをお願いしていました。
医療業界ではない他業種の視点を取り入れることによって、より成長するのではないかなと判断した次第です。

──そこからコーチングも受けることに繋がったのですね。袴田さんは、他業界の視点も含めた経営サポートもしてくれるのですか?

山口:ベンチャー企業にいた経験があるそうなので、弊社では人事・総務の視点でのサポートをお願いしています。運営するにあたって、気を付けるポイントや、他の企業での事例などを教えていただいています。

──その中で、袴田さんへコーチングを依頼した理由を、当時の抱えていた目標や課題なども含めて教えてください。

山口:会社経営においては、事業計画を立てどんどん前へ進んでいく必要があります。その反面、自分自身の人生に置き換えた時に、仕事が忙しいことにより将来の事を考えたり計画をする時間がなくなってしまう。事業の成長と自分の人生を天秤にかけると、どうしても事業のほうに比重を置かざるを得ない状況で、悩みを抱えておりました。

そんな時に、自身の会社をお任せしている袴田さんであれば、事業の解像度もあり、個人の相談もスムーズにできると思いコーチングを依頼しました。経営者の視点をお持ちなので、事業の理解度の温度差も少なく、スムーズにコーチングをしていただけたと実感しております。自分の今後を見つめ直すのに本当にいいタイミングでした。

──創業者であり、現在進行形で経営もしているとなると、考える時間が中々取れないですね。

山口:はい。日々のタスクに追われがちになってしまうので、しっかり時間をとって一緒に考えてもらえるというのはよかったです。しかも通常のコーチングを受けるときは、お互いが相手を知らない状況で、相手のことを知ることから始まると思います。しかし袴田さんには実際に事業にも入ってもらっていたので、認知の行き違いが起こることなく、良いスタートダッシュができました。

「共感・傾聴」するコーチングではないところが、自身の成長につながると思った

──元々、誰かにコーチングをお願いしようと思ったことはありますか?

山口:過去に検討していたことはありました。そのときはコーチングに関する本をいろいろ読んでいたのですが「実際コーチングってどうなの?」という疑問があり、受けるには至りませんでした。

──過去に検討していた時は、疑問を払拭できずにいたと。

山口:はい。今回は自分が今後について悩んでいる時期だったので、袴田さんから「いろんなコーチングがあるが、私のコーチングはこういうものですよ」というお話を聞いた時に、その方向性と私のタイミングがピッタリ合ったことが大きいです。

──袴田さんのコーチングのどこに惹かれたのでしょうか?

山口:私は元々、コーチングというものに対して「傾聴や共感をするものだ」という印象を抱いていました。どちらかと言えばカウンセリングのイメージですね。でも袴田さんの説明を聞いて、そうではないことがわかりました。「これから自分は何がしたいのか」という視点から始まるので、そこに興味を惹かれました。その視点を体得すれば、コーチングを受けている最中だけではなく、今後の自分の人生においても活かせるだろうという期待感もありました。

──もし袴田さんが傾聴や共感を中心としたコーチングをしていたとしたら、依頼することはなかったわけですね。

山口:そうですね。カウンセリング形式では、私にとってはメリットが無いかなと考えていました。

──それはどうしてですか?

山口:共感では、自分の成長にはつながらないと考えているからです。立場上、私自身もスタッフたちから相談を受けることがあるのですが、傾聴・共感の回答になることもありました。その経験があるから、なんとなくメリットがないと感じていたのかもしれません。

自分がいかに“現状の枠組み”にとらわれていたかということを知った


──全6回のコーチングのうち現在3回目が終わっているということですが、今の段階での印象を教えてください。

山口:「従来の自分が持っていなかった視点」を得られたのが最も大きな成果です。最初のセッションで自分のやりたいことを挙げていくという課題があったのですが、それらはほとんど「自分の思考の範囲内」でしか考えられていませんでした。会社の事業計画を立てる場合であれば現在の延長線で考えても良いのですが、私個人のやりたいことに関しては、思考の範囲外に飛び出しても構わないわけです。そのことを最初に指摘されて、初めて気が付きました。

──いかに既存の枠組みにとらわれていたかというのを、最初のセッションで気づかされたのですね。

山口:最初に私が考えたゴール設定に対して「どうしてそう思ったのか」「なぜそこに行きつきたいと思ったのか」という風に分析をしてくれるんです。それを進めていくうちに、最初に自分が作ったゴールとはまったく違うところにたどり着きました。(笑)。

──ご自身の脳内には無かった視点を引き出してもらったわけですね。

山口:自分では思いもよらなかった側面からサポートをしてくれるので、まるで別々の頭脳を2つ持っているような感覚でした。ゴールを達成するための動き方が明確になり、どんどんクリアに見えてくるので、より精度の高い目標設定も考えられるようになりました。一番は、自分一人でもゴールを考える時に、「これっていままでの自分だったらできるかな?できないかな?」というところで、これまでの自分の枠の中なのか、外なのかを考える視点が持てるようになったのは大きく違うかもしれません。

──最初のセッションを踏まえた上でたどり着いたゴールというのは、具体的にどういうものだったのでしょうか?

山口:枠外のゴールを考えまくった末に出てきたのは「家族旅行をする」という目標でした。今までの自分であれば、仕事が忙しすぎて、すぐに諦めていたと思います。もちろんスタッフも忙しいので「こんな時期にマジで行くんですか?」と言われてしまうのは目に見えていました。
でも、そこですぐに諦めるのではなく「旅行をするためにはどんな方法があるだろうか」という視点で考えられるようになりました。主任やスタッフたちに当日の業務対応をお願いするなど、事前の調整と根回しを徹底しておくことで、無事に家族旅行を達成できました。

──山口さんには、お子さんが6人いらっしゃると伺っています。

山口:はい。

──家族旅行とはいえ6人を連れて行くのは相当なスタミナが必要なので、今まで山口さんは当然のように諦めていたわけですね。

山口:はい。コーチングを受けたあと、ふと「こうすればできるんじゃないかな?」と思ったのが2泊3日の旅行でした。今までは日曜日も仕事があったので、家族にも旅行は無理だと伝えていました。タイミング的にも6人目が生まれたばかりだったので、当然のように無理だと思い込んでいました。
でも「実現するための方法は何か」という思考にシフトしてみたら、意外といけるんじゃないかと気が付きました。もちろん、現場の調整は絶対にしないといけません。今までは一人で現場を回すこともあったのですが、新しく人を入れるなどをして環境を整えて、実現にこぎつけることができました。

──ひとたびゴールを達成してしまえば、「ゴール達成するための方法を考える」という脳の構造が経営とプライベートの隔てなく新しく生まれるんですね。

山口:はい。経営もプライベートも行き違いをすることなく話を引き出してくれるので、非常に助かっています。

全てを個人の達成したいゴールベースで考えられるようになり、マネジメントや仕事環境も一変

──仕事の面での変化はありましたか?

山口:仕事の目標を立てたときも「周りを巻き込んで、協力してもらう」という発想ができるようになりました。自分自身がやる事と、やらない事の線引きができるようになった事もあり、そのおかげで人が育ってきたり、相談しやすい職場環境になったと感じています。

──職場環境まで良くなってきたのですね。ご自身のマインドとしての変化はありますか?

山口:新しいことを始めたり、何かの問題に直面したとき、それらに対する考え方が変わったことが挙げられます。入り口の段階で「それは枠外のことなのか、自分の中でできるものなのか」という視点で考えるようになりました。そのおかげで、スタッフから相談を受けたときにも、コーチングを元にアドバイスをしてあげられるようになりました。

「これを改善したほうがいいんじゃない?」というだけのアドバイスにとどまらず「実際にそれをやることで君は何がしたいのか?」「将来的にどうしたいのか?」という話に繋げられるようになりました。

その人がどうしてそう思ったのか、その人が達成したいゴールは何なのか。そういった視点が生まれたのが大きいです。もちろん、プロのコーチのようにうまくはいかないですけどね。

──コーチと同じような脳の使い方が身につき、ご自身でもコーチングができるようになった感覚ですか?

山口:まだスムーズにゴールを立てられているわけではないので、難しさは感じています。もしゴールを設定したとしても、そこで新たに生まれる課題に直面するので、そこで考えすぎて煮詰まってしまいます。そうなると「このゴールで良かったのかな?」と、また一から考え直して堂々巡りになってしまいます。だから、あまり考え過ぎないようには意識していますね。先ほどの旅行の話のように「これってゴールじゃん!」というような、ふと出てくる感じを大切にしています。

──自分の脳内で思いつくことは、自分の範囲内の景色でしかないんですね。

山口:自分が考えられる範囲のゴールだと、おそらく普通のゴールになってしまいます。本当のゴールはそれとはまったく違うゴールの感覚だというのが、袴田さんとコーチングをやることで体感として身につきました。

「仕事のことは一旦忘れていい」と言われたおかげで、視野が広がった


──袴田さんのコーチングで、特徴的なところはありますか? 例えば、印象に残った言葉やコミュニケーションなどを教えてください。

山口:最も印象的だったのは「仕事の視点を外していいですよ」「自分自身はどうしたいんですか?」と言ってくれたことでした。もし仕事も含めてコーチングをしていたら、考える視点が変わっていたと思うので、本音のゴールが出てこなかったかもしれません。

──どうしても仕事を通して考える癖がついていたのですね。

山口:事業を経営する立場としては、根本的に「どうすれば事業が拡大できるのか」という考えを持っていなければいけません。でもコーチングのときには一旦それを外してくれたので、自分自身のやりたいことに向き合えるようになりました。

──そうなんですね。

山口:私が家族を大事にしているというのもあるかもしれません。家族系のところのゴールは立てやすかったんですね。袴田さんにも「経営者なのに、家族に関する目標が出てきたのは初めてで面白いです」とも言われました。(笑)。

──経営者だと、どうしても家族の優先度を上げにくいですね。でも、経営者としてではなく、山口さんという個人の状況を鑑みてコーチングをしてくれるわけですね。「妻のため」「子どものため」「会社のため」ではなく、山口さん個人としてどうしたいのかをヒアリングしてくれると。

山口:はい。誰かのためというフィルターを外してくれたので、とてもありがたいです。

──コーチングを受けたことで、家族や周りの方から「変わったね」と言われたりはしましたか?

山口:いえ、特にはないですね。まあコーチングを受ける前から「変わってるね」とは言われていましたけども。(笑)。

妻とは「今日コーチングで何を話したの?」という会話が上がるようになりましたね。「旅行に行けてよかったね」とも言っていたので、少なくとも良い影響は出ているのかなとは思っています。今回たまたま家族のゴール設定に比重を置いていたこともあり、好意的に思ってくれていると思いますね。

これまでも妻からはよく「ここ行きたいね。ここすごいね」などとメッセージが送られてくることはよくあったのですが、「行けたらいいね〜」という具合に行けない前提で思考停止してしまっていた部分があった事にも気づけましたね。近所の公園に行くだけでも楽しいから、それで済ませていた節もあります。それもあって、旅行となると一大イベントなので、家族みんな喜んでくれていました。

ズバッと指摘されるのが気持ちいい!

──逆に、コーチングする中で辛かったことや「こんなことも言われてしまうんだ」と思った経験ってありましたか?

山口:経営者という立場をよく理解してくれているので、そういった経験は特にありませんでした。しいて言えば、医療業界という専門的な分野であるが故に、話がうまく伝わらない場面はありました。でも、それ以外に関しては、特に困ったことは無かったですね。袴田さんからも逆に質問してくれるので、とてもやりやすかったです。

もし何かを言われるとしても、「それはダメだ」といった否定ではありません。「今のゴールは現状の中に居ましたよ」という風に、あくまでも適切な指摘をしてくれるというイメージです。

──エラーは指摘して、正しく更新していくという感じなんですね。

山口:最初にやりたいことを10個書き出して提出したのですが「これって全部、自分の範囲内にあることですよね?」とは言われましたね。もしかしたらそれが「自分が頑張って立てた目標が否定された」と感じる人も、中にはいるのかもしれません。でも、私は教えてもらう立場なので「これは間違っていたんだな」と素直に受け止めることができました。

──最初からいきなり「これは違いますね」から入ったんですね。

山口:そのときは確かに「これは間違っていたんだ……」と思ったので、人によっては否定されたと勘違いしてしまう可能性はあるかもしれません。特に立場が上がれば上がるほど、誰かに怒られたり、否定される機会は少なくなります。それに慣れてしまっていると、いざ言われたときに辛いということはあるかと思います。

私のスタンスとしては、意見を聞くことを大事にしています。それに、コーチングというのは会社の組織体系とは別物ですので、特に批判されたとは思わなかったです。

──袴田さん自身も経営をやっているからこそ、ちゃんと向き合った上で指摘してくれるんですね。

山口:はい。あとは袴田さんの性格が結構ズバッと言ってくれるタイプなので、それも功を奏したと思います。嫌味なく真正面から言ってくれるので「気持ちのいい切られ方」かもしれません。(笑)。

普段は使わない脳の領域を、徹底的に使い倒す感覚


──現在コーチングが3回目とのことですが、最後の6回目が終わったときにはどうなっていると思いますか?

山口:より思考回路が強化され、考える癖が定着した状態になれると思います。袴田さんと話す1時間は、ものすごく頭を使います。自分が何をしたいのか、どのように進めていけばいいのか。それは袴田さんが答えを出してくれるわけではなくて、一緒に考えて伴走してくれるイメージです。

自分で答えを出さないとゴール設定できないので、かなり濃密な1時間になります。それを第1回、第2回と進めていくことで、ゴールに対しての取り組み方が次第に紐解かれていきます。今まではそういう時間を取ってこなかったので、自分の中で新しい視点が生まれ、思考力が強くなっている実感があります。

──普段は使わない脳を徹底的に使っていく感じですね。

山口:答えが思いつかなくて悩んでいると、袴田さんから質問が飛んできます。それは自分が考えている範疇ではないような質問なので、新しい視点を見つけられます。
例えば、なにか本を読んで勉強したとしても、それはあくまで自分という思考回路を使って知識を吸収しただけにすぎません。同じ本を他の人が読んだら、まったく違う視点でインプットしていることもよくあります。その「他の人が見ている視点」からの質問をしてくれるので「そういう見方があったんだ」という発見がありました。

──山口さんは経営者という立場上、日常的にも脳を使ってらっしゃるし、知識もお持ちだと思います。「コーチングなんかしなくても、自分で考えられるよ」とは思いませんでしたか?

山口:かつて大手企業の役員さんにコーチングを入れているというのをニュースで見たことがあったので「立場が上の人がコーチングをやるのには意義はあるんだ」と昔から思っていました。さらに言えば、自分で考えたことが正しいことなのかどうかは、長期スパンで見ないとわからないものです。それならば、コーチングを受ける理由としては十分だと思っております。

──山口さんにとって、袴田さんはどんな印象の人ですか?

山口:「どんな相談をしても打ち返してくる」かつ「建設的な意見を提案してくれる」という人です。こちらから相談したことに対して否定的なことは言わず「それをやるためにどうしたらいいか」という視点から、絶対に意見を返してくれます。その点が傾聴・共感タイプのコーチとは一味違って、私が信頼している部分でもあります。

──建設的な意見を出してくれるという安心感があれば、こちらも物怖じせず相談していけるマインドになりますね。

山口:はい。経営者はこの先どうなるかわからない不安の中で闘っています。経営者のマインドがネガティブだと、それは下のスタッフたちにも伝わってしまいます。だから、どんなにつらくてもポジティブに、どう進めていくべきかという思考行動に切り替えなければいけません。ポジティブなマインドが伝われば、店舗の環境が良くなって、人も集まってきます。袴田さんはそれを理解した上で、ポジティブな思考回路を形成してくれます。単純なポジティブではなく、考えた上でのポジティブアクションという印象ですね。

──考えてやってくれているというのがいいですね。6回目のコーチングを終えたあと、山口さんがどうなっているのか楽しみです。それでは、これでインタビューは以上となります。本日はどうも、ありがとうございました。


文責
Shovellインタビュアー:さしみ
Shovell編集担当:加悦美里

袴田さんの連絡先

※お問い合わせの際はShovell - シャベル - の記事を見て連絡したことを伝えるとスムースにやり取りができます。

https://www.facebook.com/kutian.natsumi



 

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