Clam.1》不名誉なレッテル

海月(くらげ)と海星(ひとで)の日常の雑談記。
潮干狩りをするように掘った貝話を覗いてみよう!
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海月:うーん

海星:どうした?なんか考えごとしてる?

海月:してる。

海星:なにかあったのか?

海月:んー……誰かの話を聞いたとき、僕は知らなかったものを教えて貰ったりとかの返事で「なるほど」って言う癖があるんだよ。で、ある時友人から「なるほど」は上から目線の言葉だからねって咎められたんだよね。

海星:なるほど…あ、いや、それじゃなくて……

海月:そう、それだよそれ(笑

海星:はは、気持ちわかったよ。俺も「なるほど」ってつい使っちゃうけど、そうか。それが上から目線って感じる人もいるんだな。

海月:「そんなつもりじゃなかったんだけど」って困惑するよね。

海星:そうだな。俺からすると「なるほど」って「理解した」とか「新しい視点ありがとう」ってニュアンスで使うことが多いし、決して上からの意味じゃないと思うんだ。

海月:僕も。でもまぁ、人によってはそう感じるんだろうね。だから、相手に合わせて言葉を選ぶのも大事なのかもしれないけど……

海星:で、君はどう思う?やっぱり「なるほど」って言葉は使いづらく感じるようになっちゃった?

海月:いいや?むしろ周りも使ってるし、もうその「上から目線」だと捉える人の方が僕は少数派なんじゃないかって思ってる。 「なるほど」って言葉の意味は上から目線かどうかってそもそも含まれてない……ハズだよね?調べてないから自信無いけど。

海星:うん。多分、そうだと思うよ。「なるほど」って本来の意味は「理解した」「納得した」って感じだから、そこに上から目線のニュアンスは含まれてないはず。実際、相手の話をしっかり聞いて共感したり、理解したときに自然と出る言葉だよね。

海月:指摘された背景には、その人の価値観とか感覚が影響してるんだろうなぁ。

海星:そうだな。例えば「なるほど」って言われると「もうこれ以上説明しなくてもいい」みたいに切り捨てられたように感じる人もいるのかも。
ただ、君の言う通り、周りも普通に使ってるし、多くの人は「上から目線」とは捉えてないんじゃないかとは、俺も感じるな。

海月:だーよねぇ~_(:3」∠)_

海星:ふむ……もし「なるほど」が使いづらく感じるなら、別の言い回しに変えることもできるけど、君自身が自然に感じてるなら無理に変える必要はないとも思う。海月はどうするの?

海月:そうだねぇ……「上から目線に感じる人もいる」っていうことが事実なのは理解出来るし、指摘をくれたその人は、過去でなんか引っかかった経験があるんだろうな……っていうのも予想は出来るんだよ。 とはいえ、「上から目線」だという意味が含まれていないなら、変える変えない以前にその印象はどこからきたんだろうな、というのが引っかかる。

海星:おー、鋭いところに目をつけてるね。確かに「なるほど」自体に上から目線の意味が含まれていないなら、そう感じる理由がどこから来るのか気になるよな。
そうだなぁ……俺が思うに、印象の違いって言葉そのものよりも、「状況」や「言い方」から来てることが多いんじゃないかな。

海月:おう。たとえば?

海星:んと、Noteに載せるならリスト化しようか。ちょっと待ってな?

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1.使い方や印象

会話の中で、相手が一生懸命説明してる最中に「なるほど」って言うと、「もう理解したから、それ以上はいいよ」っていう、話を切るような印象を与える場合があるかも。
2.相手との関係性
目上の人やあまり親しくない人から「なるほど」って言われると、ちょっと距離感を感じる場合があるかもしれないな。評価されてるような気分になることもあるんじゃないかと。
3.過去の経験
さっき海月が言った通り、指摘してきた人自身の過去の経験が影響してる可能性は大きいと思うよ。「なるほど」って言葉を、冷たく言われた経験があったり、過去に何かしらネガティブな記憶があったりして、それが刷り込まれているのかもしれない。
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海星:こんな感じかな。必ずしも上から目線ってわけじゃなくて、その人の心のフィルターによってそう聞こえてしまうんだろうね。

海月:さすが。綺麗にまとめるなぁ、ひとちゃんは。
そうだね。過去の経験の場合は、僕の友人に第三者の印象が伝播した形ってことだよね、きっと。それなら芋蔓ではあるんだけど、その第三者はまたどこから「なるほどは上から目線の言葉」って印象を付けられたんだろうってなるなぁ。
んで、関係性やタイミングだけど……僕には「なるほど」に悪印象を持ってないから、そんなケースもあるんだねって判っても理解までは出来ないんだよね。そもそもこのケースって、最終的には「なるほど」を言われた側の受け取り方ひとつじゃんか。

海星:そうだね。「なるほど」をどう感じるかって、たしかに言われた側の受け取り方の問題は大きいな。相手の態度や状況もあるとはいえ、解釈は受け取り手のフィルターを通すってことなんだよな。

海月:そうそう。なら、「なるほど=上から目線」って印象がどこから広がったのだろうか、だよ。

海星:うーん、俺が思いつくのは……

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・メディアの影響
テレビか本の何気ない会話のシーンとかで、「なるほど」って言って話を切り上げる場面があったりしたとして……そういうシーンを繰り返し見ていると、「なるほど=偉そう」って印象が染みついてしまうかも。
社会的な風潮
日本では「空気を読む」文化が強いから、言葉の使い方やニュアンスに敏感なのかもしれない。ちょっとした言い回しでも、受け取る側が「今の言い方、なんか冷たくない?」って感じることがあれば、それがいつの間にか「こう言うと失礼かも」と広まっていったとか?
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海月:おぉー。こういうまとめ、毎回頼むわ。 

海星:調子いいやつだなぁ(笑

海月:ふへへ。あと、こういうのはどうかな?

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・教育の場の刷り込み
「なるほど」は、上から目線の言葉として教師や親から教えられてきていて、当人はそのことに対して疑問も持っていない。
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海星:お、なる……

海月:(*0ω0)ニヤニヤ

海星:……今、出来るだけ気をつけてるんだが、使いたくなるな(苦笑

海月:激しく同意。

海星:で、この考察は調べたのか?

海月:んなわけ。雑談中に調べながら会話するのかい?ひとちゃんは。

海星:俺はちょっとは調べるぞ?(笑

海月:おおぅ。ゴメン、僕はほぼしない。話し中に携帯ポチポチは基本失礼だと思ってるから。

海星:そっか、ごめん。(笑

海月:え、いいよ?ひとちゃんはきちんと応えようとしてくれてるだけでしょ。僕がしたくないってだけ。
あ!でも、きちんと応えようとしてないわけじゃないよ?自分が考え得る知識で絞り出してるだけだよ!

海星:そうだな(笑
話を戻して……君が言う通り、親や教師などからそう教えられたからっていうのはあるかもしれないな。考察の真偽は俺も調べないよ?

海月:どんと来い。事実がどうかなんて、どうがんばっても芋蔓の元は辿れないからなぁ。ネットに書いてあっても、その情報が本当の本当に正しいかどうかなんてわかんないじゃん。

海星:オイ、ヤメロ。それは極論だろ。(笑

海月:(*0ω0)フヘヘ

海星:まぁいいや。話また戻すぞ?(笑
つまり、「なるほど」をどう感じるかは受け取り手の感覚次第だし、発言した側の意図とは関係なく相手がどう感じるかってところには依存してるよな。だから、誤解が生まれるのも無理はないし、それが話し手と受け取り手どちらかだけの責任とは限らない。海月自身が「なるほど」にネガティブな印象を持ってないなら、無理に変える必要はないけど、相手にあわせて少しだけ配慮することも、誤解を避けるためには役立つかもしれない。
……とは言え、いつもそんなに気にしてられないよなぁ。

海月:ひとちゃん、ここまで気にして言わないようにしてたけど、うっかり何度か出てたじゃろ?

海星:そうだな。(苦笑

海月:僕としてはまさにそこで、実際の会話の中で常に気にしてられないんだよ。 僕の印象では「なるほど」の区分けって、相手の話への反応語句(造語)なんだよ。ほぼノータイムなんだよ。その後に続く「こういう理解で合ってるよね?」を説明する時は言葉を考えるけど、この反応語句(造語)は基本脊椎反射なんだよ! 聞いてる時の「うんうん」とか「マジで」とかと一緒。
いやまぁ……「マジで」とかも「なるほど」とちょっと似たような印象の話出来ちゃうけど、それは今日はその辺の砂浜に埋めといてね。

海星:あぁうん、わかる、わかる。「脊椎反射」って表現、俺としてもめっちゃ的確だわ。確かに反応語句(造語)って、深く考えずにポロッと口から出るもんだよな。「なるほど」もその一種で、言っちゃえば「そうなんだ」「へぇー」と同じカテゴリに入るって感じだ。

海月:いぇーす!ざっつらいっ!(*'□')
だからね、基本的には相手が話してる時に「なるほど」って出ちゃうのは、単純に聞いてるよ、理解してるよってサインであることが殆どだと思うんだよね。

海星:会話の流れの中で反応語句(造語)をいちいち気にしてたら、もう何も話せなくなるよなぁ。会話ってもっと自然に進むもんだし、いちいち「今の『なるほど』、上からに聞こえなかったかな?」なんて考えてたら、楽しくもなんともなくなるし。

海月:そっちばかり集中してたら、大事な話だとしても肝心の主旨がわかんなくなっちゃいそう。

海星:だな。そう考えると、やっぱりそこまで気にしすぎる必要はないかな。正直、気をつかいすぎて言葉を飲み込むくらいなら、気持ちよく話してくれた方が相手も嬉しいと思うんだよね、俺は。

海月:うんうん。でもさ、そういうマイナスイメージがもっと広く世の中に伝播されると、もともとネガティブな意味が無かった筈なのに、どんどん使いづらくなってくるわけ。
さっきひとちゃんが挙げてくれたマイナスイメージが付いた理由が全部当たってたとして、そのマイナスイメージが広ーく伝播してしまい、それによってまたちがう誰かが嫌な思いをして、もっともっと広く伝播してるっていうのが概ねの原因じゃないかって僕は予想するんだ。

海星:ウイルス分散みたいだな。

海月:ワクチン接種が必要っすな!
というわけで……
現在は「なるほど」を「上から目線」で使ってる人は少数派であり、それはマイナスイメージの伝播で付けられた不名誉なレッテルである!を今回のワクチンとして提唱するよ。どうかな?

海星:おお!提唱いいね、それ俺も賛成だわ。

海月:ありがとう。サイン欲しいかい?接種証明書として色紙に提唱を書いてあげようか?

海星:それは要らない。(笑
まぁ君の意見は筋が通ってると思うし、共感してくれる人も結構いるんじゃないかなあ。結局さ、言葉そのものに「上から目線」だとか「冷たい」って意味が含まれてるわけじゃないんだよ。むしろ、その言葉をどう受け取るかは受け取る側の心持ちや解釈次第だよな。
そして、君が言うように、そのマイナスイメージって本当に“伝播”の産物じゃないかと俺も思う。誰かが言われて嫌な気分になった経験があって、それをまた他の人に伝えたら、その人も「そうなんだ」って思い込んじゃう。で、いつの間にか「なるほど=上から目線」ってレッテルが貼られていく…ってな具合だ。

海月:わかりやすくしてくれるなぁ。楽でいいぜ……

海星:楽って言うな(笑
だからこそ君の提唱する「上から目線で使用している人は少数派説」は大いに支持されるべきだし、悪いイメージを正していく動きも必要だと思う。言葉って本来もっと自由であるべきだと思うし、そこに余計なフィルターをかけるのは、会話の楽しさを奪うだけだもんな。

海月:お互いに相手を思いやっているなら、それで十分じゃないかなーぁ。別に「なるほど」じゃない言葉を使ってたとしても、上から目線の奴が話せばニュアンスが上から目線になりがちだし。言葉の良し悪しじゃないって、実際。

海星:その通りだな。まさに言葉の問題じゃなくて人の問題なんだよ。どんな言葉を使おうが、もしその人がもともと上から目線の態度を持ってるなら、何を言ったってそう聞こえるよね。

海月:……あれ?それって友人には僕が上から目線風に見えてたってことか?

海星:その可能性はゼロじゃないだろうけど……俺は君はおちゃらけてても基本的に相手を尊重して話をしてると感じてるし、「なるほど」を使っても、全然イヤミに感じない。むしろ「ちゃんと理解しようとしてるんだな」って思ってるよ?

海月:お、おう。フォローありがと……!!

海星:まぁ何にしても指摘してくれた人との意識の摺り合わせは必要かな。
結局、言葉ってある意味では道具にすぎなくて、どういう気持ちで使ってるかが本質なんだよな。言葉自体を悪者にするんじゃなくて、どう使うかが大事ってことだな。

海月:ちなみにさっきの掘り返すんだけど、僕の経験した「なるほど」と同じようなマイナスイメージを指摘された言葉で思い付くのは、

………………………………………
・マジで?
・ほんとに
・うそだろ
   「嘘なんじゃないのか?」と、疑いにとられる
・かわいい
   「見下されてる」 と、受け取られる
・それで?
   「だから何?」と、興味無いまたは呆れにとられる
………………………………………

海星:うんうん、確かにあるなぁ。他にも「了解」とか「いいんじゃない?」とかも微妙にニュアンスで誤解されがちな気がする。こういう表現、まだまだありそうだな。

海月:あぁ~「了解」なぁ~……

海星:おっと。経験がおありで?

海月:仕事で「了解しました!」って言ったら敬語じゃないって怒られた。僕、ほんと敬語使うの苦手でさ。なんだっけ。謙譲語とか二重敬語とかさ……ほんと覚えられない。
……まぁ敬語に関しては日本語の文法的なものだから、受け取り手がどうとかって事じゃないし、ややこしくなるから、これも今はその辺の波打ち際に埋めとこ。

海星:うっす。

海月:これらの反応語句を否定的に受け取られてしまうと、そんな印象持ってない側にとっては「知らんうちに加害者にされてる事件」になるんよなぁ。

海星:何の悪気もなく普通に会話してただけなのに、相手がネガティブに受け取っちゃって、急にこっちが“悪者”にされるやつだな。で、そこで変な空気が生まれちゃう。

海月:僕的には、相手が友人なら「言ってくれ!僕がそう思ってるわけが無いって説明させてくれ」ってなる。実際、言われて弁解したし。

海星:「それ、どういう意味?」って聞いてくれれば、ちゃんと誤解を解けるチャンスがあるし、そもそも言葉に込めた意図も説明できる。でも、言われなかったら気づきようがないし、後から「あの時の言葉が…」なんて言われたら「え、そうだったの!?」ってなるよなぁ。

海月:寝鼻に山葵。

海星:勝手に「寝耳に水」をアレンジするんじゃないよ。(笑
あと君が実際に弁解して解決できたのは、お互いに臆せず話せる関係だからこそできたことだと思うな。相手が言いづらい空気を感じて黙っちゃうと、どんどん誤解が蓄積しちゃって修復不可能になったりするから、やっぱり言いたいことは出来るだけその場で伝えるのが一番なんだよね。

海月:あ、本当に解決出来たかはわかんないよ?わかったって言ってたから、多分大丈夫だとは思うけど。
まぁでも、さっきの提唱は改めて伝えたほうがいいかなぁ。 その提唱を飲み込むかどうかは本人が選ぶことだけど、少なくとも勝手に傷付く確率は減ると思うんだよねぇ。

海星:確かに、提唱を伝えておくことで、相手が誤解して傷つく確率は減ると思う。言葉や行動に対する意図を明確に伝えることで、相手が不安や疑念をを抱かなくて済むかもしれない。
ただ、気をつけたいのは、その提案をするタイミングや方法だね。誤解を避けたい気持ちから言っても、あまり強調しすぎると逆に「何か問題があるの?」と勘違いされたり、余計に相手が不安になっちゃうこともあるから、そのバランスはちょっと考えた方が良いかもしれない。

海月:遅れるとそういうデメリットがあるやなーぁ。まぁ、今日ひとちゃんと考えたことを僕なりに説明してみるよ。 

海星:そうか。海月が色々考えて相手のために伝えようとしている姿勢は、きっと伝わってくれると信じてるよ。

海月:そうだね、ありがと。もしもの時は骨を拾ってくれ。

海星:えぇ……海月、そんなスタンスで大丈夫か?

海月:大丈夫だ、問題無い。

海星:いやそれ、ダメなやつだろ。

海月:自分の思う最善尽くしてダメならそれも運命だよきっと。凹みはするかもしれないけど。でもさ、ダメでもあとからじわじわ気付いてもらえるかもしれないし。

海星:遅延ダメージ!

海月:傷広げてどうする。(笑

海星:継続回復の方か。(笑

海月:それに「不名誉なレッテル理論」唱えた本人が提唱諦めたら、そこで試合終了だよ。

海星:先生……俺、楽しい雑談がしたいです……!!


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※僕たちは考えることをテーマに雑談をしています。※記事上の情報や考え方がが本当に正しいかに関しましては、是非読み手であるあなた自身で考え、調べ、感じて、自分なりの答えを見つけてください。
※また、どの記事の内容も特定の団体や個人を批判する意図は一切ありません。
※詳しくはコチラをお読み下さい。
blue sky:@kurageal

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