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凡人による在り来たりな短歌の書き散らし


掬い上げ 流星になれ歌となれ 天からこぼれた恋の星屑



眠るまで理性が溶けた領海に 君ならいいよ、音を浮かせて

帰り道 精一杯の人差し指 覆い隠してくあなたの左手

「良い日だね」つぶやくあなた正座のまま 口付けの音 隠す五月雨

揃わない歩幅を合わせる裏拍で あぜ道だってダンスフロア

「もったいない、あなたの指は綺麗だから」なでてる君の指が愛しい

薄目開けた六畳一間の深海であなたの手を引きとろみに溺れよう

薄明かり 布団の屍 君の熱 水底の模様 青の深みへ

日傘差しあなたの口に放り込む 恋とおせっかい はちみつ梅干し

差し出した僕のキャラメルマキアート 苦い顔の君 甘すぎたみたい

夕焼けにのびる影に挨拶し 両の手にはあなたとタルト

遠くゆく距離標きょりひょう一万離れれば恋だけでなく愛も持ってく

天の原 まなこも心も奪われた しかし隠れるいたづらな夜半よわ

月見上げ歩幅合わせて歩いても恋人つなぎの隙間で間違う

泣きぼくろ 月とつがいの一番星 上を向けば涙は溢れぬ

道片みちかたの枯葉の山に溶け込んで 踏まれてみたい私の心

散歩だってあなたが頭にいなければキラキラの街もただのキラキラ

真似っ子で寝転んでみたカタオモイ 重なる分の心はもうない

恨み言書き連ねようと万年筆 インクが乾いてぐるぐる空振り

優しさは私とあなたで違うならたまに中間地点で会おう

君はいつも「君は良い人だから」と言う だからおぼろげな僕の「良い人」

ぎこちなくても信じてるから「また遊ぼう」 明日はきっと投函できる

忘れてない 脳裏で響くラ♭ 凍てる雨音に融けるは雨だれ

半月は探して撮らないおまじない 君を追い越してしまわぬよう

意志と時間、感情降り重ねてきたからセルクル取っても君はど真ん中

不器用で愛することしかできない君 好きじゃない、けど嫌いでもない

「寒暖差大きいから体調気をつけて。」LINEじゃ重い、手紙じゃ遅い

僕たちは互いに等しく善人であろうとして等しく罪を犯した

春一番 未だ君に抱かれるのは「癖」の漢字のやまいだれのせい

愛しさと好きと恋のミルフイユ だから君はキュンのイデア

しゃらくせぇ、「これが自分の愛なんだ」と打ち立てられればそれが正解

もう一度同じページで会いましょう 二人で章を進めるために


2024/3/3:何句か追加しました

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