生前整理を後悔なく進めるために

 先に生前整理は「自分のため」「家族のため」「社会のため」と書きましたが、それよりも重要なことは「何のためにするか」です。ただ単に「物の処分」と捉えて進めてしまうと多くのケースで後悔することになると思います。たとえば「ダマされた」「こんなはずじゃなかった」「あれ必要だった」・・・など。

 一言で「整理」といっても何をどうして良いか分からない事も多いと思います。そしてその中では大きなコストがかかるものや財産に関することもあります。そういった際単発で考えると、その単発の案件に対してソレを専門とする様々な業者が多くの提案をしてきます。そもそもベースの知識がない場合どれが良いのか判断が付きにくいため、単純に価格で選んだら結局高くついたということや取り返しのつかない事になった、などはよくある話です。単発の業者は誰も「あなたのこと」は考えてくれていません。詳しく言うと「あなたのことを考えているように見せかけて自身の利益を追求している」のです。「利益相反」といい資本主義の宿命でもあるため、必ずしも業者に悪気がある訳ではない場合もあります。

 これを解決する方法は1つだけあります。それは「あなた自身が何のために整理をして、その案件に何を求めて、最終的にどうしたいのか」を考え決めていくことです。それが最も重要で、自身の価値観や、家族との関係、家族同士の関係、そしてそれをどうしていきたいか、などが大きく関係してきます。それぞれによって全くすべき「整理」の内容が変わります。そして業者に求めるものも明確になり、しっかりとコントロールすることができるようになります。

 また整理といっても、それは廃棄なのか、売却なのか、寄附・贈与なのか、保管なのか、移動なのか、、、様々です。そして単に物だけでなく、思い出品や、不動産、有価証券、各種権利、負債・・・結果的には全て把握しなければならないのですが、忘れているものや漏れているものがあるはずです。それらを一度整理し、現状を正しく理解した上でプランニングしなければ、後になって全てやり直しとなりかねません(実際相続時には必ず発生する作業ですが、全て遺族が雲をつかむような作業を要します)。

 これらを一貫して進めるには、整理の知識、業者の実態知識、商品知識、建築の知識、ITの知識、不動産の知識、金融・保険の知識、法律(紛争回避の知識)・税金(贈与税・相続税など)の知識など幅広い知識を必要とします。全てを深く理解していなくてもそれぞれの観点からのリスクを事前に知っていれば対策が可能ですが、たいていの場合多くの「抜け落ち」が発生します。それが致命的な場合が多々あるのも実情です。たとえば相続税を節税するために高度な合法プランを最強の敏腕税理士が提案してくれたとしても、確かに税額は少ないものの「紛争リスク」が飛躍的に高まる場合もあります。たとえば一括贈与・所有地に借金でアパートを建てる・資産管理会社を設立する・細かい遺言書をつくる、など・・・一見良さそうに見える場合もありますが、状況によっては最悪の結果になります。もちろんこれらが有効に適用できる場合は無くはないものの実は多くないのに、当たり前のように提案されている現実があります。

 生前整理において、一歩一歩理解しながら進められればほとんどの「知らないハンデ」は回避できます。そのためには長い時間も必要としますので、別の記事にも書きましたが50~60代から始めたい理由です。

 これらを進めるにあたり、昭和市場では全てにおいての基礎知識と、実務ノウハウ、専門家や業者との連携を持って専任担当者が対応しています。そして最も重要な「納得いくプランニング」を自身で考えられるようになるためのサポートをさせて頂きながら、ワンストップで具体的な作業も適宜こなしていくことができます。また現状をいかに正しく認識し、このままだとどのようなリスクがあるのかも具体的にお伝えできることも強みです。

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