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【AIR】ジェンダーギャップ解消と地方政治

クローズアップ現代+で、豊岡市におけるジェンダーギャップ政策について取り上げられていました。取材中に選挙があり、そこでまさかの現職であった中貝氏が敗れるということになる展開ということなり、取材陣はかなり驚いたようです。

取材過程において私も意見を求められたところでもあるので、そのときに答えた内容などを含めて、この豊岡市におけるジェンダーや文化政策などについて地方政治における住民とのねじれについて整理したいと思います。

地方から東京都へと移住する女性は年代によっては女性が男性を上回り、さらに定着率でみると現役世代は女性のほうが常に高いのです。同時に15-29歳の流出が全世代の9割を占めます。地方自治体の人口政策としては、実は既存の子育て世代支援ではなく、むしろ「出ていく独身女性」のほうが重要視されるのは当然でもあります。が、いかんせん出ていく独身女性の処遇は地方政治的にはマイノリティでもあり、なかなか争点になりにくい。

豊岡市の選挙結果をみてもわかるの、地方政治的には女性や若者の処遇というのはメインイシューにはなりえないということでもあると思っています。キャリア選択を意識したり、男女関係なく自由に一定の匿名性を求めるならば、地域の変革に尽力するよりも、都市部に出ていくほうが幾分も気楽であるという側面もあります。

○ 残る人と出ていく人との食い違い

NHKの取材の中でも見え隠れするのは、ジェンダーギャップというのは「男性が作った社会」だの「男が中心に決める」ということでの問題だけでなく、むしろその仕組の中でフィットしている、地元に残る女性たちもまたシステムサポートしているという現実です。

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