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算盤勘定を疎かにしていないか〜想いか、お金か、で悩んではいけない理由〜

二宮尊徳の教訓をまとめた言葉の一つに「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」というものがあります。厳密には本人が実際に言ったというよりは、彼の教訓をまとめた名文句とのことですが、非常に地域分野でも重要なポイントです。二宮尊徳による報徳仕法は渋沢栄一の「論語と算盤」にも影響を強く与えているものでもあります。

さて、地域分野ではいつも「想い」か「お金」かみたいな二項対立に持ち込まれる議論の対立があります。そして「お金」なんて答えようならば、金の亡者、とんでもない人格破綻者として扱われてしまいますね。

しかしながら、地域プロジェクトの多くは想いが先行し、お金の話が二の次になってしまい、結果として地域のためになるどころか、地域のとんでもない迷惑となることは少なく有りません。もしくは、せっかく地域にとってはプラスの取り組みなのに、経済的に破綻してしまうことで継続性を失ってしまうこともまた残念な最期だったりします。

いずれにしてもお金の問題というのは特段守銭奴的なお話ではなく、世の中様々な資源制約の中で取り組みを続けてなくてはならないという当たり前な現実と向き合うのが当たり前のはずなのですが、気合と根性、想いと共感があればどうにかなると思ってしまうところがあります。情緒性というものは怖いもので、なんとなくそういう意見の人たちで集まると盛り上がるのですが、当然それでは現実には難しいのです。

かといってお金だけでいいかと言えばそんなこともありません。つまりはどっちも大切なのです。しかし大抵の場合には想いと共感に傾きすぎているものごとが地域には多いので、バランスを考える上で大切なところを整理します。

○ 営利組織からも、非営利組織からも批判された若い頃

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