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【AIR】9割の地域が赤字となっているエネルギー収支の改善が急務〜再エネの前に、エネルギー使わぬ住宅環境整備などが必須な理由〜

再生可能エネルギー普及の議論が本格化して久しいですが、実際問題、私達の社会は大量のエネルギー消費を必要とする社会になっています。日本においてはマクロ的には人口減少、世帯減少の社会でもあるので、慢性的には減少傾向になっていくわけですが、そういう全体量の問題ではなく、そもそもとして一人あたりのエネルギー消費が地域経営に及ぼす問題についてはあまりよく分からなかったりします。

が、家で使うような電気、ガス、そして自動車のガソリン、冬になれば灯油を使うところも多々あると考えていくと、実は地域の人々が働き、稼いだ所得が、それらに使われていくという実態もあるわけです。そして、それはほとんどの人たちがそうしているわけでもあり、結果として積み上げていくと尋常ではない金額へと達していきます。

まちづくり事業としてエネルギー分野はかなり重要なテーマなのですが、再生可能エネルギー普及の前に重要なのは、そもそも「エネルギーをあまり使わずにすむ社会」の実現でもあります。というのも、再生可能になろうとなんだろうと、そのコストを負担するのは我々利用者であり、その蓄積が働けど地域から所得が抜けていく原因になっているのであれば、その構造改革にあるわけです。もしもエネルギーの地産地消したとしても、結局はその発電コストなどを地元企業に支払うのであれば、域内収支としては改善しても、結果として各世帯の負担は変わらず、では、地域単位にとってはよくても、個別世帯にとっては辛いお話でもあります。上納する先が変わるだけ、みたいなもんなんで。

やはり重要なのは快適性能が上がり、必要エネルギーが引き下がり、さらにその必要エネルギーの多くも地元で生産され消費されるという構造でしょう。しかしながらそれだけではインフラとしては脆弱な部分も出てくるから、それらを包括して相互融通して地域インフラとして成立するところまで持っていくにはかなり長期のロードマップは必要になります。既存インフラと新規のローカルグリッドでの仕組みを組み合わせて、災害などにも強い適切な分散型インフラに日本はなっていけるのか。さらにそれは国としては国外資源に依存するエネルギー環境改善に繋がる話になるのか、地域単位での経営としても改善できるのか、さらに個人・世帯の所得収支にもプラスになるのか、3つの視点が組み合わされる必要があります。

よく言われるように電気自動車が本当にエコなのか、とか、フリース生産は続いているのにストローだけプラ禁止にしてマイクロプラスチック対策になるのか、みたいなお話はよくある話です。エネルギーダダ漏れ住宅の上に太陽光パネルを乗っけても非常滑稽な話でもあります。

このように多角的な視点を同時に抑える必要があるのがエネルギー問題の非常に複雑なところです。しかしながら地方経営視点一つとっても、無視はできません。それはほとんどの地域でエネルギー支出がとんでもない金額に昇っているからです。

正直、地域経営循環考える上では最優先されるべきで、お好み焼きのキャベツを地元で生産するとかそんなことはどうでもいいから、もっと規模感のでかいエネルギーとかの問題を自治体的には取り扱うべきだなと改めて思わされます。

○ 地域経営に関わるエネルギーによる所得流出超過9割の実態

域内総生産の5-10%が多くの地域において、地域外からのエネルギー購入代に投入されています。国単位では年間40兆円の国富を外に支払わなくてはならないエネルギー調達環境につながっています。

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