見出し画像

【応援!】13年に渡る蓄積を次に活かす、東京おもちゃ美術館の新たな挑戦

東京おもちゃ美術館の多田館長には、都市経営プロフェッショナルスクールの公民連携事業課程にも登場頂いたりしていますが、このコロナ禍で大変影響を受けられています。

6月から予約制などでの再開をしたものの、昨年比2割程度で推移しており、経営的には非常に厳しい状況が続いています。というのも、東京おもちゃ美術館は名前からすると自治体などがやっていそうな印象になりますが、東京おもちゃ美術館はNPOによる自主経営。新宿区の学校跡地の一部を利用していますが、家賃をしっかり新宿区に支払い経営を13年続けてこられた優良経営のNPO法人です。

しかし、今回の新型コロナウイルスによる社会生活変化の影響はさすがに影響は小さくなく、以下のようにクラウドファンディングを企画され、実行しています。ぜひ皆様ご協力をいただければと存じます。

本日、館長の多田さん、財務担当の山田さんにインタビューさせて頂いたところから私なりにポイントとして気づきがあったことを簡単ですが配信させていただきます。

○ 緩やかな増加を続けてきた13年の蓄積

13年着実に入館者数も、おもちゃ学芸員などのボランティア組織も毎年成長し、3000人規模になってきていたと言います。今回の閉館のインパクトは、もちろん財務的にも影響は大きいが、それ以上に「ボランティア組織」など東京おもちゃ美術館を皆で支えてきてくれた運営側の体制や求心力そのものが失われてしまうという危機感が強かったそうです。

とはいえ、やはり13年の蓄積もあり、本クラウドファンディングを開始して告知をFBにあげたところ、猛烈なシェアがなされて一気にサポートも集まっているようです。実は東京おもちゃに美術館が自分たちのために資金集めをするのは、実は開業以来。これまでは他地域の姉妹館の開業支援などでのクラウドファンディングはしていたものの、自分たちにはしてこなかった。

今回がそういう意味では開業以来初ということで、色々と組織内でも議論しながら、新たな時代に対応していく考えで望まれているということです。単なる穴埋めみたいな考え方ではなく、新たな時代に対応する東京おもちゃ美術館の次なる時代に向けた変化を意識したクラウドファンディングということでもあります。

○ 6月から予約制開館に踏み切った理由、それによる進んだ新時代対応

6月から予約制開館に踏み切ったのは、冒頭のボランティア組織など含めたメンバーシップのモチベーションなどを維持し、次なる時代に適合させるという意図をもってされたそうです。

やはり明瞭なる場というものの力はあり、それが失われてしまうと、なかなか皆のモチベーションが続かないということはあるでしょう。特におもちゃ学芸員さんとかは、もともと様々な企業で活躍されていた方が晩年その技能を活かしながら子どもたちに新たな遊び方を提供されていたりすることもあり、新型コロナウイルスにおいて最もナーバスな世代にも当たります。

これらを加味しながら、安全対策をしっかりととりながら、開館することになったわけです。

しかしそのため、完全予約制にし、オンラインで予約し、さらに現金で入館料をいただくのではないキャッシュレス方式にするなど、従来とは異なるモデルにシフト。しかし、これがこれまでの右肩上がりで伸びすぎて混雑しすぎる日もあった状況と比較すると「適切なやり方」ではないか、という話を多田館長はされていました。つまり事前に混雑状況がわかれば、利用者は日をずらしたりしてくれることで、満足度の改善にもになる。現金管理って現場では地味に大変なので、これがキャッシュレスになるとスタッフへの付加も減り、おつりなどの配慮もいらなくなる。色々と良い点がでてきているという話です。

単に従来型でやりのではない、革新が行われています。

○ これから求められる、経営危機を乗り越える非営利組織の力

単なる活動ではない、事業型組織などが非営利組織でも増えてきたのはこの10年〜15年ほどのことでもあります。施設を運営したり、多くの人にサービスを届ける非営利組織にとって、新型コロナウイルス対応は民間企業同様に経営危機となっています。

今回のみならずこれから50年、100年と日本でもNPOをはじめとする非営利組織が経営力を高め、困難を乗り越えていくことは非常に重要なことになります。東京おもちゃ美術館がこの困難を乗り越え、次の時代に対応していくこともまた、一つの大きな知見となるでしょう。そのようなことを振り返るひの日に向けて皆でできる限り支援をしていくことは大切ですね。何事も「支え合う」というのは必要な社会サービスを世の中で維持するためには必要なのです。いいときだけ使う、ではもたない。そのあたりも意識して我々は生活しなくてはならないと思わされます。

今回の既にあつまっている寄付者のメッセージには「長男がお世話になり、これから次男がお世話になるという最中、なくなってもらっては困る」といったような熱いメッセージもあるそうです。13年間の間で多くの人の思い出の場になったからこそ、クラウドファンディングは見えないこれらの蓄積を明らかにする次の一手に向けた機会になるのではないでしょうか。

尊敬する東京おもちゃ美術館の今後に向けた私もできる限りのことができればと思います。

以下は、今回行ったインタビュー動画になります。興味がある方はどうぞ。

ここから先は

122字

サポートいただければ、さらに地域での取り組みを加速させ、各地の情報をアップできるようになります! よろしくお願いいたします。