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どう南三陸の牡蠣養殖再生は行われたのか〜困難な合意形成を可能にした構造を考察する〜

何につけても稼ぐ産業と言い続けていますが、その道は多様なものがあります。今朝、ちょうど南三陸町のカキ養殖に関してのこちらの記事が回ってきまして、色々と調べてみると非常に良く出来た生産性改善による稼ぐ産業化の促進で、結果として儲かるから若者が戻ってくるという好循環にっているということで、私のほうでポイントなどまとめたいと思います。

概要はまずは以下の記事を。

この改革の特徴は、地域で論理としては合理的ですが、感覚や見かけからすると自分たちの取り分が少なくなるように感じる改革。特に個別に勝手にやっては効果が出ず、水産資源という共有財産の管理方法を変えるという非常にハードルの高い事業でもあります。この改革を合意形成をしながら進めるというのが非常に難しいです。

新聞記事は既得権撤廃という話にしていますが、内容をみればそんな単純な既得権改革ではなく、既得権となっていた「いかず数」をしっかりと調整しながら落とし所を見つけていくという方法をとっているので、むしろ既得権破壊! みたいな威勢のいいやり方よりも難易度の高いお話。

南三陸町は皆さんもご存知の通りの東日本大震災で被災したエリアでもあります。志津川町は私が高校時代に携わっていた早稲田商店会での全国リサイクル商店街サミットという集まりの地方会場にもなったところでもあります。なにせ被災後に現地にいって知人などの無事を確認しながら、これからの復興についても話をしていましたが、こんな状況でしたから、なかなかもって復興といってもイメージがまだまだ難しいところもありました。

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が、商店街では山内鮮魚店さんとか含めて、元気な事業者さんもおります。それも結局今回の話に通じますが、「ちゃんと儲かっているから」ということでもあります。さらに息子さんが新たなスキルを生かしてネット通販を伸ばして成長路線をまた駆け上がっていくということもまた、内需が縮む地方においては元気さの面で重要なポイントでもあります。

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息子さんがフォトグラファーをされていたので、写真がメチャくちゃうまいんですね。それもあって、サイトを見て頂ければわかりますが、シズル感が半端ないw ほら、サイトみたら在宅応援20%offなんてやっています。このマーケット感覚ですよね。コロナは地方にとっては新たな可能性にもなっているのです。

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見ていて牡蠣注文しようかなと迷い中です...。笑

さて、話を戻すと、カキ養殖の再生なのですが、結果の面から見ていきましょう。

○ 結果に対する背景と、提案

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