狂犬ツアー特別編_フレームワーク編.041

まち事業「7つのメソッド」徹底解説 その2 【「逆算開発方程式」-縮小時代に事業開発を成功させる基本原則-】

この連載企画では、まちづくり事業を推進する上で必要な7つのメソッドについて解説します。まちづくり事業を計画し、実践していく中では、経営的に注意しなくてはならないポイントが数多くあります。

2回目となる今回のテーマは、逆算開発方程式、に関して取り上げます。

ちなみに全7回の連載のうち、バックナンバーは以下です。ぜひこちらもお読みください。

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1. 営業より仕入れが競争力の源泉という、かつての常識。

さて、まちにおける事業で成果をあげる。そのスタート地点は「営業」にあります。

一見すれば当たり前のように思える一方、従来の都市開発など全ての社会領域では常に「供給が足りない」状況の中で進んできたため、営業は後回しにしても十分に成立したものが沢山ありました。

何しろ明治維新以降の約150年にわたり、人口が急増する社会を前提としてきた我が国において、需要が長期的に縮小する可能性があるというのは、ある意味において未知の世界でもあります。

もともとは「供給すれば売れる」のが基本だったわけです。毎年人は増加し、市場も拡大。常に新規市場が生まれていくという状況にあったわけです。だから、誰よりも早く資金調達し、誰よりも先に投資して供給をする。それが「勝者の方程式」だったとも言えます。

足りない時代には「どう売るか」ではなく、「どう仕入れるか」というのが競争力の源泉でもあったわけです。

土地でも商品でもなんでもそうです。誰よりも先に土地を仕込めばインカムゲイン(その土地を開発して貸し出す賃料収入など)もキャピタルゲイン(土地の値上がりなど)も狙えた。商品がない時代に靴を仕入れてうれば、飛ぶように売れたというのも、供給不足時代には普通にあった話です。

2.時代が変わり、営業が先に走らなくてはならなくなった。

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