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デジタル指導力育成とは遠隔講義ができる人材育成ではない理由〜必要なのは、真のデジタル化の先にある本質的問い〜

全教員にデジタル指導力をつけさせるそうなのですが、、、我々の時代でも遅れていた話をそのまま放置した結果、OECD平均を大幅に下回るデジタル能力しか身につけられていない教育環境ということで中高生が大学に入るという事態も未だ多いようです。

指導力の内容を見出しをみてびっくりしたのは、

授業でのICT(情報通信技術)活用法を各教科で示すとともに、来年度からICT関連企業OBらを学校に最大9千人派遣。将来は全教員が遠隔授業などを実施できるようにする。

デジタル指導力の目標の一つが「全教員が遠隔授業などを実施できるようにする」ということなのでしょうか。日経が悪意をもってそれを中心にした記事にしているのか、と思ったりするレベルです。

時代の変化が激しいというのも先生方にとっても大変な時代だなとおもうところではありますが、もはやリテラシーのレベルだとおもうんですね。誰かに何かを教える立場であれば。

全ての授業において何らかのカタチでオンラインでの様々な情報サービス、プラットフォームなどの活用をするのは私は議論の余地はなく、正直ググれば出てくる内容とかは「調べる力」が大切であったりするものと思ったりします。でもって、遠隔授業であったり、デジタルツールを用いた調査能力であったり、そういうものくらいは「リテラシー」であって、それすら身に着けていない教員というのは、2000年のIT革命以降の20年間、何やってたんですかね、というお話でもあります。

残念ながら中国のほうがコロナ問題における教育選択では、eラーニングの世界的な2大企業が存在することもあり、学校に通わせないといっても、eラーニングに切り替えてオンライン型での授業継続を行ったりしていました。まぁコロナについては色々とおもうところありますが、この30年をみたときに確実に深圳など含めた中国における開放特区でのデジタル産業成長は日本を超えてしまい、それが社会にも大きな影響を与えています。

日本ももともと電子立国といって、通信回線などでも頑張っていたのに、肝心の「活用する」というのがなかった。これは地方空港や新幹線も同様なんですよね。作ること、インフラを敷設することが目的になり、結果的に「あれ、これ何に使うの?」みたいなのんきなことになったりするわけです。

今回のコロナ禍でもそうですし、不登校とかもそうなんですが、「学校にいかなくても教育を受けられる」という選択を排除してきた結果、子どもたちが最も割りを食っているんです。デジタル化を進めた形式で高校を運営しているN高とかが今や日本最大の生徒数になっている事実は私は重く受け止めるべきと思います。もしデジタル化が適切に行われていれば、今回在宅になったとしても教育機会を子どもたちが奪う必要はなかったわけです。

都市と地方の教育格差を埋めるためにも私はオンラインの活用は必須であると思っていますし、だからこそオンラインでの新たな教育サービスなどに取り組んでいるところでもあります。

○ まずは教員業務のデジタル化と簡素化を文科省がおこなうべし

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