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なぜ高齢夫婦の老舗店舗がデカ盛り激安が可能になるのか?!若い経営者は適切な量と質と利潤と向き合おう

到底普通の人には食いきれないようなデカ盛りのメニューを格安で出しているということを売りにする店とかを持てはやす番組が長く続いていますね。まぁ視聴率をとれるのかもしれませんが、ああいう価値観によっていくと店の経営とかは大変になりますね。

そもそも飯を食えずに死んでいくわけでもないような人があんな量の食事をとれば健康に悪いし、それが激安だと、50年値上げをほとんどしていない、みたいなことを売りにしている店とかも経営者をみれば、そのカラクリがよくわかります。

まちづくりとかでも、デカ盛り激安、激辛とかをうりにした事業とかが見られたりしますが、そんなものは長続きしませんよ。ブームではなく、適切に本質をついた店舗経営なくして継続はできないし、奇策は無策なのです。


○ 安くたくさんの権化「デカ盛り激安」

昔から「腹八分目に医者いらず」と言うわけで、不必要に大量の食事をすることは肥満を誘発し、個人にとっても、社会的にもプラスはありません。

それを安くたくさんあればよいという価値観が未だに続いていて、最終形態がデカ盛り激安という話だと思っています。

敗戦後とかで飯も食えない時代であれば、たくさんのものを食べること=豊かになったこと、という思考はわからないではないですが、現代において不必要なものを食べることはむしろ貧しい思考が残っているだけで、そういう安くてもこんなに食べられた、なんてことに充足感を求めているという思考そのものが未だに続いているわけで、ほんと恐ろしいところです。

○ 物価を引き上げなければ何が起こるか。そして誰もいなくなった。

物価があがったあがったと最近メディアは物価たたきですが、本当にアホですね。もともとの上流価格があがっているのに、それを企業に負担させつづければ、どうなるか。潰れて供給そのものがなくなるのです。

実際に農林水産なんかは典型で、価格を引き上げずに安くたくさんを続けた結果、どんどん新規参入もなくなり、高齢化して今に至っていますね。つまりはそんな貧乏くじの仕事を負いたくないから、誰もやらなくなるのです。つまり叩きまくって安くしろ、もっともっとたくさん盛れ、なんてやっていたらそのうち「誰もやらなくなる」のです。

最近、ようやく組織化してビジネスとして小規模高付加価値を始めている人たちも出てきていますが、つまりは今までのやり方では続けられないってことを物語っています。むしろ今までのやり方の人が減って、新たなやり方に変わるほうが大切なのです。今度やるブックセミナーのテーマもそこですね。

メディアも馬鹿なのはどんどん安くしろ、そういうのがいいことだーみたいなことばかりやって、そのうち誰も供給者がいなくなるという発想が全くないことです。

○ 価格破壊の背景にある、5つの理屈

デカ盛り激安店とかをみていて、半世紀値上げをほとんどしていないような老舗の店とかが出てきますが、あのような高齢の夫婦とかが激安でできているのは、まっとうな商売のモデルではない場合があることに要注意です。

・高齢でもう子育てなどもおわり、稼ぎは大していらない
・設備投資した店の回収はとうの昔に終わっている
・自前で店舗を所有している
・いい時代に店以外に不動産などを購入して副収入がある
・働いている中でも、多少なり年金収入もある

みたいな人たちが多いのです。特に単なる街の中華料理屋、定食屋、弁当屋と侮るなかれ、いい時代に蓄財し、いくつもマンションもっているなんて人はざらにいます。商店街で活動しているとそういう人に多数出くわします。

なので、とんかつの名店などは繁盛していてもあまりにもコスト構造的に維持が難しいので事業承継ができないと言うことがたくさんあります。上記のような成長期から商売やっていたならこそ成立するチート状態が維持されない限りこういうモデルは不可能なのです。

こういう人は最後は心意気、とかボケ封じでビジネスしているので、デカ盛り、激安でお客さん満足してもらいたい、というボランティア商売もどきが成立したりするのです。アマゾンが物販は激安にしているが、それはサーバーリソースレンタルビジネスが儲かっているから、みたいな全然別の商売で儲かった利益を打ち込んで成立している構図なのです。

だからそんな店に若い新規参入の経営者が、大きな借入を起こして設備投資して、多額の家賃も支払い、子育てもしながら同じような商売ができるかといえば、できるはずもありません。速攻で潰れます。

だから高齢のデカ盛り激安店を善として、それに従えといわんばかりの風潮というのは大変困ったもので、健全な商売を阻害することになります。

○ これから必要なのは品質と適切な利益

結局地方で物販でも、飲食でも、農林水産みたいな生産でも、ちゃんとした品質を追求し、それをもとに適切な利益を得るための工夫をしているところが伸びているし、経営が健全に推移しています。

地域活性化においても激安だの、デカ盛りとかのブームではダメ出し、少し前のB級グルメで粉もの、ホルモンとかばかりやったりしていても、結局流行りなのですぐに忘れ去られてしまいますね。

重要なことは大抵面倒くさいという宮崎駿の名言のごとく、正道、王道を進むことが大切なのです。


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