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木下が考える「挑戦を年代で変えなくてはならない理由」

地域での取り組みは非常に長期にわたるものが多いです。数年で目まぐるしい成果をあげても、中長期で破綻していたら話にならないわけで、ある意味でしっかり継続して長く取り組み続けることは重要な課題です。

そのような中、当然ながら私達は人間なので年をとります。そうすると本人はあんまり年をとったつもりになっていないのですが、実際には周りの目、地域でのポジション、担わなくてはならない規模の問題がそれなりに変わってきます。本人が認識している以上に、まわりが本人に向ける期待は変わっていくのです。

幸いにして私は10代から全国の地域分野でその時々のスター選手から現場の人まで幅広い人を見てきました。その中で、自分として変えてはいけないもの、変えるべきものをちゃんと認識しなくてはならないといけない、と多数の先輩たちを見てきて思うことが多数あります。

若くて優秀な人は続々と下の世代に出てきます。それを理解し、自分の動き方を変えなくては、ミイラ取りがミイラになる世界に突入です。

○ 人生ステージを意識しなくてはならない理由

私も10代からビジネスをはじめ、地域分野でのキャリアをスタートさせています。ちょうど今月14日で40になります。(サポート、ギフトおまちしていますw)

なので先輩たちの行く末もよく見てきているので、人生ステージを意識して仕事の仕方も変えてきています。10代、20代は自分がメインでの仕事を徹底的にやって、それで評価を得るということをやってきました。幸いにして関わるプロジェクトの筋の良さもあり、成果を出すことがかなりできました。あれこれ賞もらったり、なんだかんだのメディアで取り上げられるとかもありました。

が、そんなのは正直先輩たちをみていても意味がないことをよーーーく理解しています。各種表彰なんてその時代時代に出していくものなので、それは事後評価でもあり、別に普遍的な評価でもありません。内閣総理大臣賞など大臣賞レベルもらったといっても、だめになっている地域プロジェクトは多数みてきたし、個人としてカリスマとしてもてはやされたところで、そんなことも虚しいことです。別に地域にとっても、社会にとってもそんなものは、時代時代で使い捨てされるだけなのです。

なので20代後半からは「俺が俺が」ではなく、俺以外の誰かがもっと取り組める、つまりは組織戦を考えるようになっていきます。というのも、いつまでも俺が俺がっておっさんがたくさんいて、手柄を自分のものにしたがる人というのは見ていても悲惨です。自分以外で活躍する人を歓迎できないからですね。自分が中堅、上層部になっても末端と同じような意識でガンガンやると、それは完全に老害になっていきます。若い人と立場もリソースも違うのにガチンコ勝負を始めるので。あーそうなりたくないなーと思ったんですよね。

それも別に自分の組織を大きくするのではなく、社会的にインパクトを大きくするためにあらゆる組織に地域を適切に変化させていく仲間を作っていくことに一定のリソースを割くことにしたわけです。その一つがエリア・イノベーション・アライアンスであり、さらに体系的に人材発掘と開発を目指すのが都市経営プロフェッショナルスクールです。

さらに情報配信など自分での知識、情報の流布も意識をしてきたところです。自分で納得しているだけでは意味はなく、それを広くアクセス可能な情報にすること。それがこのnoteであり、Voicyであり、書籍です。これも現場やっている人たちを10代からみていて、努力不足だなーと思わされた点でした。自分たちでやって、だけどずーっとできるわけではないのに、自分たちだけで納得して注目されて評価されてそれで終わり。知見が全く体系的に残らず、全員で同じ0→1をやっているみたいな感じ。リピート、ポリリズムの世界です。これでは業界的な技術進歩は遅いということで、体系的に文字などにして発信し、いつでも多くの人がアクセス可能なかたちにしました。より万人に伝えたい検索にかかってほしいことは、東洋経済オンラインなどにまとめて書きましたね。今から7年前の30代前半のことです。立場とか、どう見られるかではなく、伝えるべきことを伝えて共有情報にすることが必要だと思うからやるわけです。

中堅くらいになっていくと、途端に国の委員だのそういうのになって、急にいうべきこと言わなくなる学識とかも結構いるんですよね。いわゆる御用学者。地域団体系でも同様です。ミイラ取りがミイラになる段階です。いやいや違うだろと、むしろ自分で事業も軌道にのせて余裕も出てきているのだからこそ、いうべきこと言えよ、と若い頃にみてきたのです。なので、私はどんな依頼があっても組織に忖度せず、解任されようと、なんだろうと別に私の事業には関係ないですからガリガリ言うことにしています。その上で、こういう自分の責任で発信できるメディアを持ち、多くの方に読んで頂いています。これは技術革新によってできるようになっている側面は強いですが、時代によって新たに登場するものを積極的に取り組むことも大切なのです。

さらにここから40代に入ると、今度は担うべき責任のステージ変わってきます。よりシステムの根幹に触っていく必要が出てくるし、さらに若い人に委ねる仕事が多数出てくるのと、地域横断でもっと必要なことがあるのでそこに対するプラットフォームビジネス、さらには日本の枠を超えてやる事業もそろそろにない、外貨獲得に貢献しなくてはならないと思っているところです。

結局それぞれの人生ステージで自分が何を担わなくてはならないのか、というのを意識すること。短期的な成果、なんちゃら賞とか評価とかは全く長い目では無益でクソみたいなもんなんで、そういうことで喜んだりしない。いつまでも若いわけでもなく、気持ちとしての若さはあってもいいものの、動き方は常に現場第一です、全体をみての仕事とかではなく常に現場で挑戦したいんです、トップガンのマーベリックのように(映画みてね)というのは大変危険なのですよ。

○ いつまでも若い気でやっているのはだめな3つの理由

いつまでも若い頃と同じことなんてやっていたら進歩はないし、むしろ害になっていきます。私は3つのポイントを強く認識しています。

・自分より若い優秀な人材を登用せずに、潰すことに

いつまでも自分も若いと思っていると、ガチに若い人と競うようなことをする人が地域でいます。当然年を取り、蓄積もあるほうが優位な戦いになるから、つぶしにいくことになるのです。

さっとそういう挑戦の最先端からは手を引きことも中堅には必要です。むしろ若い人に委ねることです。委ねるとは資金や機会を提供してどんどん挑戦してもらえるようにすることです。自ら挑戦するのはそういう若い人には無理なより大きなリスクをおうもので挑戦すべきなのです。

・地域でそれなりの立場になっている人が無用な失敗をすると致命傷に

あとはいつまでも一兵卒気分でいても、まわりはそう見ていない問題です。地域でそれなりの実績を重ねていけば、評価は積み上がっていきます。その中で挑戦するということは、周りが注目しているということです。

若い頃は勢いだけで挑戦し失敗しても別になんともないですが、立場が上になっていくとちゃんと考え勝ち戦をしないと、自分だけでなく、周りも巻き込み、さらに地域ごとだめになることもあります。

「あの人がやってもこの地域はだめだ」なんてことになると、それで一切その後10年近く暗黒時代が到来することも。さらに偉くなって、地域全体まで観る経済感覚が問われているのに、「やっちまえ」根性でとんでもない再開発とかやって、地域をどん底に追い込む人もいますからね。

若い頃のスピリットは残しても、ちゃんと学び、より高度な経営への観点をもって取り組まなくてはならないのに、そういう責任相応の学びや覚悟をしない人も多くいます。

・健康管理ができなくなる

それぞれの人生ステージでやりたいことだけでなく、やるべきことと向き合わなくてはなりません。特に人生100年時代のなかでは、健康管理もとても大切です。若い頃のように寝なくてもいける、酒も飯もなんでもオッケーとかでもいけないですし、健康診断もちゃんと人間ドックをうけていく必要が出てきます。ガタがきますからね。

いい人ほど無理をして、精神、肉体を酷使して若くして亡くなってしまう場合も多く見てきました。図々しく、適当なおっさんほど長生きして、悪行を繰り返すのもみてきて長期戦ですから、ちゃんとこのあたりを意識するのも中堅以上になってきて大切な仕事、責任だと思っています。もちろん注意をしても病にはかかりますからなんとも言えませんが、できる限りのことはやっておかないといかんわけです。

少なくとも若い頃と同じような無茶はしてはいけないということです。それもまた責任の一つです。

ということで、加齢に併せてどういうことと向き合うのか、常に先輩陣営をみながら考えているところです。各地域でも若い頃から地域での取り組みをしてきている人ほど、この辺は意識すべきだなと思うところでが、皆さんいかがでしょうか。


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